個人再生が不認可になる要因

個人再生の再生計画が不認可となる7つのケース

個人再生の申し立てについて

個人再生では、はじめに裁判所に出向いて個人再生の申立てを行います。個人再生を行うにはいくつか条件があり、その条件を満たしていない場合、個人再生案は不認可(失敗)となってしまいます。

 

個人再生手続きを進めるには、再生計画が不認可にならないことが、申立が棄却されないのと同様、必須条件になります。

 

そのためには、再生手続きや再生計画案の作成を、弁護士や司法書士などの専門家に依頼するようにすることが大きなポイントとなります。

 

個人再生を不認可になってしまう原因は以下の7点です。以下の7点の条件をクリアできれば、個人再生は認可されます。

 

個人再生が不認可になってしまう7つの要因

@申立てに必要書類を期限日までに提出する
A申立てに必要な費用を期限までに支払う
B再生計画遂行の可能性
C再生計画に不正はないか
D借金の総額(住宅ローンを除く)が5000万以下であるか
E再生計画案に対して債権者の半数以上が反対しないか
F再生計画案に住宅資金特別条項が定められていない

 

個人再生が不認可になってしまう7つの要因

@申立てに必要書類を用意し期限日までに提出する
申立てに必要な書類を作成し、期限日までに提出します。期限日までに提出できないと不認可になります。この書類の中には債権者一覧であったり財産がある場合はその財産の契約書や査定書が必要です。この時に債権者(お金を貸した側)の申告に漏れがあったり、財産の申告に漏れがあったり(財産隠し)があると、後から調査され再生計画案は不認可となるので注意が必要です。必ず正確に漏れなく記入し提出する必要があります。
個人再生は裁判所を介して行う手続で、たくさんの書類提出を行う必要があります。そのため、申立書や再生計画案などに不備があると差し戻しになりますので、専門家に依頼して一緒に進めてもらうようにしましょう。弁護士に相談する時に嘘をついたり財産について一部隠して伝えると後からそれらはすべて提出書類によって後から知られてしまいますから、最悪のケースでは弁護士に辞任されることがあります。
信頼関係で成り立っていることですから、絶対に嘘はつかず、正直に伝える必要があります。
必要な書類を裁判所の決めた期限内に提出しなければ、手続きは直ちに廃止されてしまうので注意が必要になります。通常は弁護士や司法書士に依頼するため、専門家が作成、提出してくれます。あなたは弁護士に言われた必要書類を用意するだけです。

 

A申立てに必要な費用を期限までに支払う
個人再生を申立てする時、予納金として、予めお金を支払わないといけません。申立てに必要なのは官報公告費用が約1万2千円、申立手数料として収入印紙代が1万円、予納郵便代が8千円ほどかかります。申立て費用は合計で約3万円となります。
それ以外の費用についても、支払いが遅れると不認可となってしまいます。まずは申立て費用を支払い、その後手続き期間中の6か月〜7ヵ月かけて履行テストを行います。再生計画案に基づき「認可後に3年かけて返済していけるかどうか」その返済能力をテストするためのものです。個人再生委員(もしくは担当の弁護士)から指定された銀行口座に毎月たとえば「〇万円支払ってください」と言われるので毎月支払っていきます。その支払われたお金は弁護士費用だったり個人再生委員が選任された場合はその費用に充てられます。払いすぎた場合はあとから戻ってきます。6カ月間(6回分)毎月決められた額の支払いを行い、それができた方は履行テスト合格となります。

 

B再生計画遂行の可能性
個人再生申立ての際、最も重要なのが債務者に「将来継続的な収入があり、返済計画通りに毎月支払いができるのかどうか」です。
個人再生は、80%〜90%ほどカットした借金を3年計画で毎月支払っていくことになります。「返済計画通り3年間で返していけるのか」が大事で裁判官はそこを厳しくチェックしています。(民再231条1項、174条2項2号)
申立て時に直近3ヵ月分の給与明細書と過去2年分の源泉徴収票を裁判所に提出します。裁判官はこの書類を元に「返済計画通り3年かけて返済できるかどうか」その返済能力をチェックすることになります。
正社員の方は殆どのケースで問題ありません。アルバイトや派遣社員の方でも収入が安定している場合は認可される可能性が高いです。無職の方はまずは就職活動して定職に就く必要があります。
借金総額、家計簿、職業と収入とを照らし合わせながら、厳しいチェックが入り、「返済能力がある」と認められれば、再生計画は認可されます。

 

C再生計画に不正はないか
「嘘の情報で申請した」「一部財産隠しをした(所有している財産を一部弁護士に報告しなかった」「一部の債権者を申請しなかった(借金先を弁護士に報告しなかった)」などの不正行為をし、それが発覚すると再生計画案は取り消しとなります。

 

とにかく債権者(借金先)はすべて報告し、持っている財産もすべて報告し、嘘はつかないことが肝心です。

 

D借金の総額(住宅ローンを除く)が5000万以下であるか
借金の総額(住宅ローンを除く)が5000万以下でないと、個人再生は利用できません。借金が5000万円を超える場合、個人再生の利用は不可なので、違う債務整理を検討する必要があります。

 

E再生計画案に対して債権者の半数以上が反対しないか
個人再生では、再生計画案が裁判所から各債権者(貸した側)に送られます。その上で書面決議が行われることになります。合意する債権者が全体の過半数を下回り、その債権額が2分の1を超えないという場合、その再生計画案は認められないということになります。ようするに債権者の半数以上が反対した時点で不認可となっています。
ただし消費者金融・銀行など民間企業のほとんどが反対することはありません。もし反対して自己破産に移行されたら、借金は回収できなくなるからです。
弁護士や再生委員などと相談しながら、債権者の合意が得られるよう再生計画案を立てることが不可欠です。

 

F再生計画案に住宅資金特別条項が定められていない
「住宅資金特別条項」を利用すれば、ローン支払い中のマイホームを残して個人再生をすることができます。住宅資金特別条項を利用する場合、個人再生をしても、住宅ローンの支払いはそのまま行われます。すなわち、

  1. 個人再生で減らした借金を、毎月支払う
  2. 住宅ローンの支払いは今まで通り続ける

ということが必要です。住宅ローンの支払いも再生計画案に入っていないといけません。ここに計画に不備があると不認可となってしまいます。(民再198条1項)

 

「住宅資金特別条項」なしの場合よりも支払い条件は厳しいため、より返済能力の有無をチェックされます。

 

 

再生計画案が認可され、その後に支払いが滞った場合どうなる?

「病気やリストラなどやむを得ない理由がある場合、2年を超えない範囲で支払い期間の延長ができる」

 

個人再生が求められ返済がスタートしたが、その後返済計画通りに返済できなかったらどうなるのでしょうか。一度の滞納ですぐに取り消されるということはないとしても、3年間に渡って弁済できなければ裁判所によって再生計画が取り消されてしまいます。

 

そうならないために、債権者への弁済は滞りなく続けることが大切です。ただし病気やリストラなど「やむを得ない理由で借金が返せなくなった時」は再生計画の変更、延長が可能です。

 

返済が難しくなったら再生計画変更の申立が可能

再生計画作成当初は計画案通りに弁済できると予定していても、急に病気になったりリストラにあったりすると収入が減ってしまい、債務弁済が困難になることもあるかもしれません。再生計画は安定した収入があることが条件になっていますので、そのような場合は再生計画通り返済ができなくなってしまいます。

 

このようなやむを得ない事情で、再生計画案に沿った返済が続けられそうもない場合には、再生計画変更を裁判所に申し立てることができます。

 

再生計画の変更を裁判所に申立てる場合、事前に個人再生を依頼していた専門家や再生委員と十分に相談してからにすることが大切です。債務は減額できません。しかし、弁済期間を2年を超えない範囲で延長し、毎月の支払負担を少なくすることはできます。

 

しかし、最悪の場合、自己破産を選択することになる場合もありますが、弁護士などの専門家や再生委員とよく相談して、専門家の意見をよく聞いた上で選択をおこなうことが大切です。