債務整理の手続きの流れと費用
債務整理の手続きの流れ
債務整理といっても、債務整理にはさまざまな種類があります。主に三種類、任意整理と個人再生、自己破産です。
■任意整理とは、弁護士が消費者金融と直接話し合って、リーズナブルな返済計画を立てるものです。一方、個人再生と自己破産は任意整理をしても返済できない場合に、裁判所に申し出ることで借金整理をする方法です。
■個人再生は裁判所の許可が下りれば借金は5分の1まで減ります(3,000万以上の借金は10分の1)法的な処置をとることで今ある借金総額の5分の1を返済すればよいということです。
■自己破産の場合、裁判所の許可が下りれば借金はゼロになり、それ以降の返済は免除してもらえます。
債務整理の一般的な手順は相談→依頼の決定→契約を交わす→取引履歴の請求→(任意整理)→(個人再生)→(自己破産)→成功報酬という流れになります。まずは専門家と直接面談し、生活や借金の状態を相談します。
そこで今後の流れと費用を説明してもらい、依頼するかどうか決めます。依頼が決まるとまずは着手金と呼ばれる前払い料金を支払い、正式な契約が交わされます。
その後、弁護士は貸金業者に取引履歴を請求し、その情報をもとにして正確な借金状況を把握します。そこで引き直し計算などをし、払いすぎた借金がないかチェックした後、自分に合った債務整理方法(任意整理か個人再生か自己破産)の手続きをするという流れになります。
債務整理が成功した場合、最後に成果報酬を支払うことになります。弁護士費用は主に前払い(着手金)と後払い(成果報酬)の二本立てになります。
※ここで示した手続きの流れはあくまで一般的なものです。実際は依頼者の経済状態や諸事情によって優先すべきこともありますので、一般通りの流れではない場合もあります。ここの情報は参考程度にして、実際に相談する弁護士や司法書士に詳しい説明を受けましょう。
※また「任意整理」「個人再生」「自己破産」等各種手続により事件処理の流れは異なります。
流れ@初回相談
流れA依頼の決定
流れB契約を交わす
流れC取引履歴の開示
流れD(任意整理)(個人再生)(自己破産)
流れE成果報酬
相談
まずは依頼者が弁護士や司法書士の事務所に訪問して、債務整理の相談を行います。
一般的には相談には料金がかかります。相場として30分で5,000円程度です。ただし最近では「無料相談」を実施する法律事務所が増えているので、そちらを利用するのもよいでしょう。
債務整理の相談では、専門家が直接面談し、経済状況、借金の状況などの事情を聞きます。
「どのような債務整理の方法があるのか」「生活を建て直す見通し」「各種手続きの内容」「債務整理を実施した時に考えられる不利益」「弁護士費用」その他をわかりやすく説明されます。
弁護士や司法書士には守秘義務があるので、相談内容が第三者に漏れることはありません。各事務所はプライバシーを厳守しています。
依頼の決定
自分の生活状況、借金状況を伝え、様々な知識を得ることができます。そのうえで債務整理を依頼するかどうか決定します。
弁護士が提案した借金整理の方法が自分の考えと違う場合、当然断ることができます。
ちなみに弁護士のほうも引き受けるかどうか決める権利があります。お互いが了解を得た時点で依頼は次の段階に進みます。
契約を交わす
依頼を受ける際は手続きの流れと期間を説明されます。弁護士または司法書士が行う業務について説明があります。
契約が決定した時点で着手金と呼ばれる弁護士報酬が発生します。これは業務にかかる経費と手数料を前払いでもらうためのものです。
着手金は一括払いの事務所もありますが、多くは分割払いが可能です。依頼を受ける際の報酬の計算は具体的な額を提示されます。
取引履歴の請求
債務整理をする際、まずはそれぞれの貸金業者に取引履歴を請求します。
弁護士はその取引履歴をもとにして、依頼人がいつどのくらい借りて、利子はどのくらいついて、どのように返済していったのかなど借金状況を正確に知ります。
その情報をもとにして過払い金を計算したり、減額できる借金を割り出したりします。
貸金業者に取引履歴の請求をすると以後、取り立ては一切なくなります。(介入通知)
任意整理
任意整理とは、弁護士が仲介に入って貸金業者と減額交渉をしていくものです。
違法な金利を支払っている場合は、利息制限法を元にした正しい借金総額を割り出します。
そのほかに、将来利息分をカットしてもらったり、遅延損害金をカットしてもらうようにします。
返済可能な額まで借金を減らし、長期分割返済の条件で和解を終結させます。
ちなみに任意整理では整理先を自由に選ぶことができます。借金にも様々な種類があります。
住宅ローンや自動車ローン、クレジットサービスやサラ金など。
すべての借金に対して任意整理をしてしまうと、自動車や持家を引き揚げられるおそれがあります。
なので、住宅ローンや自動車ローンは対象から外すことで、自動車や持家はそのまま支払いを続けることができます。
個人再生(民事再生)
弁護士が裁判所に申し入れをすることで、強制的に借金を減らしてもらうことができます。
個人再生が認められると、借金は5分の1に減額されます。
任意整理だけでは返済が難しい場合に適用されます。
自己破産
任意整理だけではどうしても返済ができない場合、経済的に破たんしており返済が不能な場合、自己破産をする道があります。
自己破産をすると借金は全額免責され、一切の支払う必要がなくなります。
しかし、官報にその事実が公告されたり、一定期間職に制限がかかったりとデメリットはあります。
弁護士と慎重に相談し、検討していく必要があります。
成功報酬
すべての返済計画が立ってもまだ終わりではありません。
前払いの着手金とは別に弁護士報酬の支払いがあります。これは成功報酬として案件が成立した時に支払うお金です。
それぞれの債務整理についての手続きの流れの詳細はこちら
任意整理は弁護士に依頼してから和解契約が成立するまで早くて3カ月、交渉が長引くと半年かかることもあります。3カ月〜半年です。
個人再生は半年程度かかります。自己破産は処分する財産がない(同時廃止)の場合は3カ月、処分する財産がある場合(持家があるケースなど)は半年〜1年かかります。
債務整理にかかるトータル費用
借金に困った時に弁護士に頼みにくい理由として「費用が明確でなくややこしい」といった声があがります。
たしかに債務整理を頼む時、相談料、着手金、成果報酬、手数料などさまざまな名目で何度も請求されることが多いです。
このように何度も支払いをすると「結局トータルいくらかかるのか」わからないでしょう。ただし最近では費用を一本化または前払いと後払いの二本立てで行う事務所が増えています。
わかりやすい料金システムになっています。ズバリだいたいの目安としては、トータル任意整理が20万〜30万、個人再生と自己破産が40万〜60万必要です。
司法書士に頼むと、これらの料金からだいたい5万〜10万ほど安くやすくなります。(司法書士は扱える業務が弁護士より少ない分、成果報酬は低めに設定されている)
弁護士に依頼するとどんな費用がかかるか?
まずは実費がかかります。実費とは、通信費用や交通費用、自己破産する場合は裁判のための郵送切手(数千円)や印紙代がかかります。
純粋に弁護士にかかる費用は主に着手金と成果報酬の二つです。
着手金と成果報酬とは何か?
弁護士が債務整理を引き受けた時、その事例が上手く解決するかどうかはやってみないとわかりません。
任意整理では、どの程度減額できるのかは貸金業者と交渉してみないとわかりませんし、自己破産は免責不許可項目があり、借金の理由次第では自己破産できないケースもあります。
常に相手方が存在する以上、計画通り解決するとは限りませんし、同じ種類の事例に同じ手法を取れば必ず解決できるとは限らないです。
その一方、弁護士としても最初から借金問題解決のために準備し労力をかけて行動しているのは事実なので、その見返りとして受け取るお金が「着手金」です。
受任する段階で契約金として支払うお金です。
これに対し、債務整理が成功し、債務者に一定の利益が得られた場合、その利益に応じて弁護士にも分けてください、というのが成功報酬です。
たとえば過払い金回収の場合、成果分の15%〜18%が成功報酬です。
成功報酬ですから、当然、債務者が何の利益を得ていない場合にはいただくことはありません。
つまり、債務整理を依頼する場合、原則として最初(着手金)と最後(成果報酬)にお金がかかることになります。着手金と成果報酬はそれぞれ分割払いが可能です。
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