自己破産が家族・職場にバレる9つの事柄と対策【官報】

自己破産は家族・職場に内緒で行うことができるのか?

今回は自己破産をしたら周囲の人(配偶者、家族、知人、職場)に知られてしまうのかどうかについて解説します。

 

破産した事実が明らかになることはない

自己破産をしようか迷っている人が考えることは「破産後、どんな生活が待っているのだろうか」ということだと思います。同時廃止の自己破産の場合、免責が下りたあとも実生活は殆ど変化はありません。あるとしたら、新しい借金を作れないことと、クレジットカードやローンで買い物ができなくなることくらいです。

 

現在の日本では、自己破産という言葉に対して、ネガティブな印象を抱かれがちです。「事業に失敗して借金を背負った人」「敗北者」など負の印象がつきまといがちで、なかなか「自己破産をして一から出直すわ」と堂々と言える環境ではありません。

 

そのような事情から、自己破産をした事実を知られたくないと考える人が圧倒的多数です。まさに自己破産した場合のデメリットは、世間の無理解と一方的な勘違いからくる精神的なものの方が大きいのではないでしょうか。実際の自己破産は、「手持ちの財産と借金を相殺して、人生の再スタートを図るための救済処置」ですが、正しく理解している人は少数です。

 

官報と自己破産

自己破産しようかどうか迷っている人にとって一番の不安材料は「破産したことが周囲の人や知人に知れ渡るのではないか?」ということではないでしょうか。

 

その一つの要素として「破産者は官報に載る」ということがあります。官報とは政府が毎日発行する広報誌のようなもので、国会事項や新たな法律、人事異動や破産者の氏名が記載されます。

 

弁護士の見解では「官報は一般の方がみることはまずないから大丈夫」です。しかし、借金を背負って神経質になっている人はそれでも本当に大丈夫なのか?と不安になると思います。

 

今回はその辺りを深く掘り下げて、一般人が官報から破産者を特定する可能性について説明していきます。

 

官報から破産した事実が明らかになる?

現実的な問題として、官報から破産した特定の人物を特定するのは、よほど時間と労力をかけないかいぎり、まず不可能です。自己破産をすると、破産した事実とともに氏名が官報に記載されます。

 

官報にも「本紙」「号外」「政府調達」など様々な種類があり、破産者情報が載るのは「号外」です。そして「裁判所」の欄に「破産、免責、再生関係」という項目があって、そこに破産者情報が載ります。

 

破産者情報というのは、官報のどの号に掲載されるのかは予想することはできません。実際に破産者情報に載っているのは免責決定日数から破産宣告まで日にちがバラバラです。

 

つまり「いつ官報に載るのかは完全ランダム」なのです。さらに、毎日掲載される破産者の数は膨大です。現在、自己破産をしている数は年間7万件です。個人再生を合わせるとさらに多くの債務整理者がいます。

 

これらの人が官報ではびっしりと細かい字で書かれています。これらの情報を毎日目を通して、特定の人物を拾いだすのは、一般の方はまず不可能です。

 

 

官報が一般人の目に触れるタイミング

官報が一般人の目に触れるタイミングは以下の3点だけです。「官報」自体馴染みのないものですし、よほどのことがない限り、破産した事実が周囲に明るみになることはありません。

 

1つ目に毎日官報を購読している場合です。官報は各地の政府刊行物取扱店で1部136円で購入できます。そもそも毎日購入している人は稀ですし、していたとしても上記で説明した通り、膨大で複雑な官報情報の中の一人を特定するのは大変困難です。

 

2つ目にインターネットで毎日官報を見ている場合です。インターネット上では、直近30日分までの官報は無料で見ることができます。過去の官報情報を見るには有料登録が必要です。

 

3つ目に官報の有料サービスで名前を検索された場合です。過去を遡って官報情報を検索するには「官報情報検索サービス」(有料登録2,160円)を利用する必要があります。有料登録して会員になった人だけが氏名検索を行うことができます。無料で検索は不可。
ただしこれも、一般の方が登録するのにはかなり複雑な手続きが必要です。

 

官報以外で、自己破産が周囲に知られる可能性のある8つの事柄と対策

【破産者名簿へ掲載される】

自己破産の申し立てを行うと、本籍地の破産者名簿に氏名が載ります。しかし。これは第三者が無許可で閲覧することができません。
一般人は見ることができないため、知られる可能性はありません。

 

【クレジットカードを持てない】

自己破産をすると個人信用情報に事故情報が掲載されるため、クレジットカードを7年〜10年持つことができません。たとえば、正社員として働いているのにクレジットカードを持っていないと疑問に思われることがあります。

 

この場合、クレジットカードと同様に利用できるデビットカードを持っておくとよいでしょう。デビットカードは信用審査がないため自己破産をした経歴のある方でも利用できます。

 

なんでもっていないの?と聞かれたら「現金主義にしている」と伝えればいいと思います。普通の人はそこに大きな意味があるとは思いません。

 

【住宅ローン・自動車ローンを組めない】

クレジットカードと同様、住宅ローン・自動車ローンも破産後7年〜10年組むことができません。なぜ審査が通らないの?と家族に聞かれてバレてしまうパターンがあります。
住宅ローンを検討するほどの大切な人には、自己破産をした経緯をきちんと説明して理解をしてもらったほうがよいかもしれません。

 

【財産を処分しなければならない】

自己破産には同時廃止と管財事件という2種類の方法があります。処分すべき財産がない場合は同時廃止となり、すぐに手続きは終わります

 

処分すべき財産がある(土地や家や自動車や保険など)場合は管財事件となり、家や車を売却したり、保険を解約したりなど、所有物をお金にかえる期間が必要です。不動産など自分名義のモノは売却しなければいけないため、管財事件となった場合、同居している家族に隠し通すことはほぼ不可能です。

 

【借金に連帯保証人がついている場合】

自己破産をしても連帯保証人の債務は消えません。自己破産が確定すると、全財産をすべてお金にかえて債権者に配当しますが、残った借金はすべて連帯保証人の元へいきます。

 

連帯保証人に督促がいくため、そこから自己破産をした事実を連帯保証人に知られることになります。家族内の誰かを連帯保証人にしている場合は、同時に自己破産をするなど対策が必要です。

 

ただし消費者金融やクレジットカード、カードローンなどの多くの借金は「無担保ローン」です。連帯保証人のついていない借金です。これらは支払えなかった分は保証会社が肩代わりをします。保証人がついていない借金については問題になりません。

 

【専門家とのやり取り】

弁護士・司法書士には守秘義務があるため、弁護士とのやり取りから破産の事実が周囲に知られることはありません。弁護士は専用ダイヤルを設けてくれたり、弁護士の方からできるだけ連絡は控えるなどしてくれます。

 

郵便物は、郵便局留めにしてくれたり、こちらが弁護士事務所に書類を取りに行くなど、情報が外部に漏れないための最大限配慮をしてくれます。

 

弁護士に債務整理を依頼したタイミングで弁護士は各債権者に受任通知を送ります。その後は債権者とのやり取りはすべて弁護士が代理人として行ってくれます。債権者から債務者へ連絡がいくことはありません。

 

【裁判所から郵送される郵便物】

自己破産の手続きを弁護士に依頼せずに、自身で行っている場合は、裁判所からの書類はすべて自宅に届きます。その場合、郵便物から家族に自己破産をしていることがバレます。弁護士・司法書士に依頼している場合は、裁判などすべて代理で行ってくれるため、郵便物は弁護士の方に届きます。

 

※裁判所から職場に郵便物が届くなんてことはありません。代理人を依頼している場合は弁護士の方へ、自身で行っている場合は自宅にのみ届きます。

 

【裁判所へ提出する書類】

裁判所に提出する書類として「給与明細」「源泉徴収」「退職金計算書」の3つがあり、これらを会社から入手しなければいけません。「給与明細」「源泉徴収」に関しては、総務課に請求しても、不審がられることはありません。請求理由について尋ねられることはないでしょう。

 

「退職金計算書」については、「どうして必要なの?」と質問される可能性があります。退職金計算書とは、あなたが現時点で退職した場合にどのくらい退職金が貰えるか示した書類です。退職金規定がそもそも無い会社であっても、退職金が無いことを証明する書類を会社に発行してもらわなければいけません。

 

理由を聞かれた場合は、「将来設計のために知っておきたい」「奥さんが将来のお金のやりくりのために知りたがっている」「不動産購入や住宅ローンの借り換えなど与信審査に必要だから」等の説明をすることで、自己破産をすることは知らせずに、退職金計算書を取得することができます。

 

もし、「退職金計算書」または「退職金がないことの証明」の取得が困難な場合は、「退職金支給規定」または「就業規則」のコピーで代用することが可能です。それらを代わりに裁判所に提出する方法です。

 

また、会社に自己破産を知られたくない事情を裁判所に説明して、裁判所がそれを許可すれば、「退職金計算書」の提出を免除してもらう方法もあります。「退職金計算書」の提出は代用できたり、裁判所によっては提出免除も可能なので、担当の弁護士・司法書士に相談してみてください。

 

ちなみに同居家族がいる場合ですが、生活費を完全に別々にしているケースでは同居人の書類は提出する必要はありません。もし生活費を共にしているケースでは同居人の預金通帳のコピーや給与明細などを裁判所に提出する必要があります。

 

 

会社に内緒で自己破産できる?

官報から

自己破産をしたことが知られることがあるとしたら官報からだけです。前述した通り、官報から破産者一人を特定するのは大変困難です。多忙な社会人が毎日官報を閲覧しているとは思えません。

 

会社は自己破産を理由に従業員を解雇することができないため、定期的にチェックされることはありません。ゆえに、自己破産をしたことを知られることはまずないです。

 

給料差し押さえ

差し押さえとは、簡単にいえば、貸金業者が強制的に給料を取り上げ、借金を回収する手続きです。業者から給与の差し押さえをされると会社に借金をしていることがバレます。

 

自己破産の申立てをしている最中に貸金業者から差し押さえされることはあるのでしょうか?実際にそのようなことはありません。破産申し立てから免責が下りる間、強制執行や差し押さえすることは禁止されています。

 

さらにすでに差し押さえされている場合でも、自己破産をすることで、差し押さえを中止することができます。通常は自己破産を会社に知られることはありませんが、逆に借金を放置していると、給与の差し押さえなど強制執行により、借金滞納していることを会社に知られてしまうことになります。

 

給料差し押さえされそうな時は、弁護士などに早めに相談して、借金を整理することが大切です。

 

会社から借金をしているケースでは職場に知られる

貸付金制度など会社から借金をしているケースでは、自己破産をすると会社にその事実が知られてしまいます。自己破産は裁判所を介しての手続きで、債務者がしているすべての借金が対象となります。任意整理のように、自由に借金整理先を選択することができません。

 

もし会社から借金しているケースでは自己破産をすると一括処理されますから、会社からの借金も免責が決定すれば免除となります。
債権者である会社は当然その事実を知ることになります。

 

自己破産をすると家族に知られる?

自己破産を同居している家族や配偶者に隠し通すのはかなり難しいです。自己破産をすると住宅ローン・自動車ローンを7年〜10年組めないので、そこで不審に思われてしまいます。

 

弁護士に依頼することで、郵便物から知られることはありませんが、自己破産をすると財産の整理が必要になります。

 

同時廃止なら財産の整理が必要ないため、バレる可能性が低いですが、管財事件ですと持家や車の処分が必要なためそこでバレてしまいます。地方裁判所によって取決めは異なるのですが、原則、同居家族がおり、生活費が一緒になっているケースでは同居人の書類を提出しないといけません。

 

同居家族には知られてしまう可能性が高いと言えます。もし家族と一緒に住んでおり、その家族に知られずに自己破産したい場合は一人暮らしをしてから自己破産をするという方法もあります。

 

どの道、自己破産をすることは重要な出来事ですから、家族とはしっかり話し合う必要があると思います。正直に話して家族の協力を得られる状態を作り出すことが一番です。

 

同居している配偶者、家族には知られてしまう可能性があります。同居していない家族や会社や上司・同僚や近所の方、親戚などにはバレずに自己破産することができます。

 

 

債務整理に関する記事