借金が返せない

借金が返せない時に借金を放置したらどうなるの?

今回は借金(消費者金融、クレジットカード、光熱費、携帯代、闇金、奨学金)を滞納し続けているとどうなってしまうのかについて解説します。もし本当にお金がない場合の一時的な踏み倒し方法と解決方法についても解説しています。

 

借金を返さないまま放置しているとどうなる?

消費者金融やクレジットカードやカードローンの借金を放置していると

・1〜2週間遅れると
ほぼ毎日電話とメールがあります。「催促書」や「督促状」などの手紙が届くようになります。そこには「今すぐ支払ってください、支払わないと裁判します」等のことが書かれています。

 

大手の会社は社内で取り立てについて独自のルールを設けています。電話は1日3回までとなっているところが多いです。最初は1日1回だったのが、日に日に増えてきて、最終的に1日3回毎日電話がなります。

 

・1〜2か月遅れると
内容証明郵便や電報が送られてくるようになります。また1名〜2名で1か月に1度か2度ほど自宅を訪問されるようになります。

 

・それ以上遅れると
3ヵ月以上の滞納で信用情報機関に事故情報(ブラックリスト)が載ります。

 

差し押さえをされる可能性があります。民間が差し押さえをするには債務名義が必要ですので、差し押さえされる前に必ず自宅に簡易裁判所からの不在届けが届きます。それが差し押さえの通知となります。それが届いたら差し押さえされます。

 

差し押さえは給料だったり(職場が特定されている場合)銀行口座だったりします。車や持家が民間の借金の滞納によって差し押さえされることは殆どありません。主に職場が特定されている場合は給料、それ以外だと銀行口座となります。

 

ただし、民間が差し押さえをする場合多大な時間と費用が必要なため、そう簡単にされるものではありません。給料を差し押さえする場合は職場を特定しておかないといけません。職場を知らせてない場合は給料差し押さえの可能性は低いです。数ヵ月滞納した末の最終手段となります。

 

家賃の滞納を放置していると

家賃は大家さんと相談をすることで1〜2か月は待ってもらえるケースが多いです。その間に払ってしまえば問題ありません。連帯保証人をつけているケースでは無断で滞納が続くと連帯保証人に連絡がいき、そちらに請求がいきます。

 

保証会社を設定しているケースでは金融とは違い厳しい規制がありませんから取り立てが激しいです。延滞しない方がよいです。3カ月以上滞納した場合、最終的には裁判を行って強制退去を命じられる可能性があります。家賃の滞納を続けると強制退去もありますから、事前に必ず相談しましょう。

 

光熱費と携帯代の滞納

光熱費と携帯代については最終期限がきたら強制的に止められます(1ヵ月の滞納で止められるケースや2か月の滞納で止められるケースなど会社によってまちまち)。支払いができなくなるといつ止められてもおかしくない状況になります。携帯電話は2か月以上の滞納で信用情報機関に登録されます。

 

闇金の返済の遅れ

闇金というのは年利109.5%を超える金利で貸し付けをしている業者で、これは出資法違反となります。民事ではなく刑事事件として扱われます。そもそも違法で営業をしており、他人の名義の口座や電話番号を使って検挙から逃れているのです。こういった状態にありますから、闇金の取り立ては厳しいです。

 

返済を送れるとまずは本人に脅しの電話が入ります。闇金を借りる時に家族や職場、友人の情報を伝えていますが、その情報から周囲に嫌がらせが及びます。職場に脅しの電話が入ったり、ピザやデリヘルが実家に呼ばれたりして、周囲を巻き込んで逃げられない状態にさせられます。闇金を滞納した場合、これは特別な対応が必要です。警察や弁護士、司法書士の力を借りながら問題を解決していく必要があります。
闇金被害に遭った時の対処法まとめ【手口と対策】

 

税金の滞納

税金や年金等を滞納した場合、国は債務名義を取らず(裁判で判決を取らず)に役所の担当者の独自の判断ですぐに差し押さえをすることができます。差し押さえの対象は給料や銀行口座の残高や財産です。民間と同じように考えていると痛い目を食らいます。たとえ債務整理をしても税金だけは減額はされません。

 

税金の滞納だけはすぐに対処する必要があります。すぐに役所に出向き、滞納の相談をするようにします。話し合いによって支払いを待ってもらえる可能性が高いです。無断滞納を続けると差し押さえをされてしまうので要注意です。民間の借金と同じように考えてはいけません。

 

奨学金の滞納

債権回収会社から電話やメール、手紙が届きます。3カ月以上の滞納で信用情報機関に登録され、一括請求されます。人的保証にしている人は連帯保証人に請求がいきます。

 

9か月以上の滞納で強制執行(給与差し押さえ)です。奨学金は返済できない時は一般猶予(1年間の返済期間の延長)を利用できるので、すぐに日本学生支援機構に電話をして一般猶予の申し込みをするようにします。

 

 

 

借金が返せない時の解決方法

本当に返せない時はそのまま放置する

生活費以外にお金がなく、借金返済に充てると生活ができなくなる場合、「一時的に踏み倒す」という方法を取らざるを得ません。

 

お金の貸し借りというのは民事事件です。刑事事件として扱われることはありません。

 

訴訟をされても、取りべきお金がない、または職場や口座が特定されていない場合は強制執行されることはありません。一時的に払いたくても払えない時の「滞納と踏み倒し」について解説します。

 

※借金の時効は5年ですが、時効延長の手続きをされるとさらに時効は10年伸びます。あくまで一時的なもので、最終的に任意整理をするなり自己破産をするなりして借金を法的に整理する必要があります。

 

具体的な対策

・生活するために必要なお金までは借金に回す必要はありません。

 

・お金を借りたら最低でも1回は返済しておいた方がよいです。
(1回も返済をしていないと詐欺として訴えられる可能性があります)

 

・電話や手紙での「払わないと裁判します」は殆どのケースで脅しなので無視します。裁判は早々行われるものではありません。電話や手紙で催促されているうちは裁判されることはありません。

 

・滞納して1か月をすぎると毎日担当者から電話がかかってきます。生活費分しかお金がなく払えないとしっかりと伝え、その後は着信拒否や留守番電話に切り替え出ないようにします。

 

・住民票を移すと貸金業者が調べ、相手に住所が伝わります。住民票を移すかどうかは慎重に判断する必要があります。

 

・貸金業者が直接自宅訪問することもありますが、在宅確認の担当者ですので居留守にしてもよいです。
(これに応じた場合、スタッフが担当者と電話をつなぎ、心情に訴えて払うように言ってきます)
貸金業者が自宅訪問の時に、業者名を名乗らず友人や同級生の名前を名乗ったり、アンケート調査等を名乗って接触しようとしてきます。
万が一対応してしまっても、今は生活費で精一杯で払えませんとハッキリ伝え帰ってもらうようにしましょう。

 

・たとえば「2万円だけでいいので」「今月は3万円だけで」という少額の分割返済を要求してくることがあります。
状況によって払えるならその契約で和解するのもよいですが、払えないなら無視します。
注意点として、借金を払っていない期間が長いと、時効が成立するケースがあります。少しでも「借金を払います」「借金があることはわかっています」と借金の認知をしたり「少額を支払う」ことをするとこれまでの時効期間は無効となります。
時効が成立しそうなケースでは弁護士に時効の調査を依頼し、適切に踏み倒してもらう必要があります。
長年放置した借金は時効援用した方がいい?

 

・差し押さえは貸金業者が行う最後の手段です。給与差し押さえをするには職場を特定しておく必要があります。給料の1/4まで差し押さえができるようになっています。たとえば申込時の職場と今の職場が同じ場合は相手に職場が特定されています。申込時の職場と今の職場が違い、変更したことを伝えていない場合は相手はあなたの職場がわかりません。
口座の差し押さえをするには口座の特定が必要です。業者が調査を行い判明した口座の差し押さえを裁判所に申請し 認められた時点で口座に残っているお金が対象となります。
強制執行の対策として、貸金業者に職場の情報を伝えないこと、銀行口座には最低限のお金しか入れないことです。
もし職場が変わっても律儀にこちらから伝える必要がないので、それについて聞かれても「休職中」「転職中」と言ってしまいましょう。

 

・信用情報機関へ自分の情報開示をしても、その事実が貸金業者に伝わることはありません。

 

・現住所の調査(住民票調査)や職場の調査、銀行口座の調査が行われるかどうかは貸金業者によってまちまちです。
借りている金額によっても調査がされるかどうか異なります。対策としては、こちらから職場を教えないことと住民票を移す時は慎重になることです。
住民票が移せないと選挙権が持てない、行政サービス(国民年金や児童手当の受給ができない等)が受けられない、住民票の提示を求める職場には就職できない等の不都合が生じます。
夜逃げすると住民票は移せません!住民票が移せないデメリットについて

 

銀行口座については常に最低限のお金しか入れておかないことと、もし知られたらすぐにお金を引きだし口座の解約をすることです。
3メガバンク(三井住友銀行とみずほ銀行と三菱UFJ銀行)とゆうちょについては、弁護士会を通すことで債務者の銀行口座の情報開示が可能となっています。この4つについては使わない方が無難です。
職場が特定され、給与差し押さえをされると借金滞納の事実が会社に知られます。それについての対処は予め考えておく必要があります。

借金が返せない時から借金踏み倒しは可能?

借金返済にお金を回してしまうと生活ができなくなる場合、一定期間、民間の借金は滞納する(支払わない)という手段を取らざるを得ません。その時の方法ですが、滞納している借金には「税金や年金等」か「民間の借金」かだと思います。

 

もし税金を滞納している場合ですが、前述した通り税金を滞納すると担当者の判断ですぐに差し押さえをされる危険があります。税金についてはすぐに役所と話し合いどこかで折り合いをつける必要があります。あとは家賃だったり携帯電話料金だったり通信費だったり光熱費等は滞納を続けると利用停止となるので、そちらは支払いが遅れている場合はすぐに電話をして「〇〇日までには支払える」など伝えておく必要があります。そうしないと生活に支障が出てしまいます。

 

消費者金融やカード会社や銀行カードローンの借金ですが、これは状況によって異なります。まず確認すべきは「今働いている職場を相手に特定されているかどうか」です。たとえば最初の申し込み時に伝えた職場と今が変わりない場合は相手は当然わかるはずです。

 

転職した場合は相手はわかりません。相手にいまの職場が伝わっている場合は給料差し押さえされる可能性があります。そうすると職場に借金をしている事実が知られてしまいます。職場が知られている借金は話し合って折り合いをつけるか債務整理で解決した方がよいです。職場を知られていない場合は問題ありません。

 

あとは「銀行口座」の差し押さえです。今は3メガバンク(三井住友銀行とみずほ銀行と三菱UFJ銀行)とゆうちょ銀行に限っては弁護士に依頼することで債務者の銀行口座情報の照合が可能となっています。

 

参考:http://tajima-law.jp/column/column_post.php?id=7554158e3575e5e976

 

民間の貸金業者でも3メガバンクとゆうちょに限っては債務名義を取り、弁護士に依頼し弁護士会が照合すれば銀行口座のありかが知られてしまうのです。そもそも上記の4つの銀行口座は利用しないことと、銀行口座はこまめに引き出して常に残高を空っぽにしておく必要があります。

 

住民票については、住民票を移すとそこから身元は特定され、取り立ては再開されます。貸金業者からの借金の時効は5年ですから、5年間逃げ切れば時効は成立すると考える方もいるかもしれませんが、稀に欠席裁判を起こされ時効延長がされることもあるので、必ずすべての借金が5年経過すれば時効成立するわけではありません。時効が中断される事柄は3つあり「借金の承認(借金があることは知っていると債権者に伝えたり、一部返済を行う行為)」と「差し押さえ(給与や預金)」と「時効延長の裁判」の3つがあります。貸金業者の取り立ては常に経費対効果が考えられており、たとえば元本が200万円以下など少ない場合は、回収できる見込みを考えて住所不明の者に対して欠席裁判で時効延長の訴訟をすることは稀です。もし元本が300万円以上など非常に大きい場合は時効延長の訴訟をされる可能性はあります。差し押さえについては前に説明した通りで職場を特定されていたり3メガバンクやゆうちょ銀行を使っていたり銀行口座が特定されている(申し込み時に登録した銀行口座)場合は差し押さえされる可能性があります。
たとえば時効が成立しそうな借金があるケースでは貸金業者との連絡や差し押さえに気を付けないといけません。

 

取り立てにはルールがあるので今は厳しい取り立てはありませんが、それでも保証会社によってはグレーゾーンの所で取り立てをする業者もいます。一時的な滞納は可能ですが、何年もそのような生活を続けるのは精神面でとても大変です。ある程度経済状態が安定したら、債務整理をして一度借金整理した方が心が休まる生活を送ることができます。

 

 

 

本当に差し押さえをされることはあるのか?

・裁判所の支払い督促(訴訟)
裁判所の支払い督促ですが、これは民事司法制度の一つで、貸金業者が裁判所に申し立てを行い、債務者に借金の支払いをするよう督促する旨の裁判所書記官の処分です。
ようは裁判所に申し立てをし、「被告は〇万円を原告に支払いなさい」と約束させるのです。約束をしてそれでも支払わなかったら強制執行が行えるようになります。
これは何も知らない人なら「裁判所から被告人は〇万円払いなさい」と手紙が届くものですから、驚きます。
しかし、裁判所からの同封されている書類(答弁書)の用紙に「現在生活費に充てるお金しかありません。月々〇万円までなら返済できます。和解を求めます」と書いて返信すれば裁判所は原告(貸金業者)に「被告人は〇万円の分割を望んでいるがどうか?」と和解を強くすすめます。
両者譲らない場合は裁判が長引き、その間返済は止まっています。時間がとてもかかる割に借金を回収の効果が薄いのです。
ですから、貸金業者からの「裁判を起こす」は脅し文句として使われる場合が殆どです。

 

・差し押さえ
裁判に負け、判例通り支払わなかった場合のみ、債務名義という、 強制執行許可書が出来上がって、やっと差し押さえの資格が得られます。
業者が職場の調査を行い、職場が判明したまたは銀行口座が判明した場合のみ強制執行が行えます。
ただし地方住みの場合は地方裁判所で手続きをする必要があります。予納金もかかります。
そしてもし口座の差し押さえをしても口座の残高が殆どなかった場合は回収ができません。職を転々としている場合は給与差し押さえも困難です。
現実問題として、差し押さえはそう簡単にされるものではないということです。

 

借金を滞納し続けると逮捕されることはある?

逮捕されることはありません。お金の貸し借りの問題はあくまで民事として扱われます。裁判を起こされたとしても、あくまで支払いの約束が成立するだけで、その後警察が介入することは一切ありません。
お金の貸し借りの問題はあくまで当事者同士で解決してくださいねっというスタンスです。

 

貸金業者の取り立てに問題があった場合

貸金業規制法第21条第1項において、「貸金業者等は貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たって、人を威迫し又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動によりその者を困惑させてはならない」と規定されています。
取り立て規制によって取り立ての範囲を決められているのです。取立規制法( 貸金業規制法第21条第1項)に違反すると2年以下の懲役または300万円以下の罰金(併科あり)となります。
具体的に以下の行為を禁止されています。

 

・不当な理由なく、午後9時から午前8時に取り立てを行う
・自宅に取り立てにきて「帰ってください」と伝えても帰らない
・大声をあげたり暴力的な言葉を使う、脅迫する
・家族や職場、近所の人にバラす
・債務者以外の人(家族や職場、友人)に支払いを要求する

 

深夜の取り立てや高圧的な脅迫じみた取り立ては禁止されています。また自宅にきて帰ってくださいと言ってもしつこく取り立てをする行為も禁止です。
これらの行為があった場合すぐに110番通報しましょう。警察がきたら貸金業法違反ですと伝えます。
録画や録音、日時が分かる写真を撮るなどして証拠を残し、 裁判に備え、最寄りの警察署にいきましょう。

 

借金を返せなくなったら債務整理をする

少しでも借金返済へのお金を捻出できる場合は「債務整理」を行い、適正な方法で借金整理をした方がよいです。債務整理をすると債権者と債務者の間に弁護士(司法書士)が介入します。その弁護士が貸金業者と話し合い、支払える範囲で借金の減額を行ってくれます。

 

弁護士が債権者に介入通知を送ると、その後債権者は一切の取り立てが行えなくなります。これは貸金業規制法第21条で定められています。取り立てが止まった時に借金の調査を行い、改めて借金の返済計画を立てていくのです。場合によっては個人再生や自己破産も可能です。

 

個人再生をすれば借金は8割カットされます。自己破産をすれば借金はゼロになります。これらの債務整理は強制執行を止めることができます。家族や職場に知られずに、国が認めた方法で借金の大幅減額が可能なのです。やはり一番大きいのが「取り立てが止まる」ことでしょう。

 

連日に及ぶ取り立てで精神的に不安定になりやすいです。精神的にこたえますし、住所を移すこともできず、強制執行の可能性もゼロではありません。弁護士や司法書士に相談して国が認めた方法で借金整理をするのも一つの手です。