借金500万円を返済する

借金500万円の利息と返済シミュレーション

今回は借金500万円の発生利息の計算と返済シュミレーションについて解説します。

 

借金500万円は債務整理すべきか、自力で返済すべきかその基準についても解説していきます。

 

借金500万円について

500万円もの借金をしている方は複数の貸金業者からお金を借りている方が多いです。今は裁量規制により年収の3分の1までしか借入ができません。しかしそれは消費者金融やカード会社に適用されることで、銀行からは年収の3分の1を超えても借りれてしまいます。

 

ここが総量規制の抜け道で、たとえば消費者金融から150万円、銀行のカードローンで350万円借金をしているとそれだけで借金総額は500万円に達します。

 

最初は軽い気持ちでサラ金やカードでお金を借り、借りることが習慣していき、今すぐには手に入らない商品をリボ払いで買うようになり、銀行カードローンで大きな借金をし、天井いっぱいになると、あちらの業者、こちらの業者と返済が複数あり、最終的に多重債務として返済ができなくなります。

 

親に頼み込んで親から借金をしている方もいます。連帯保証人として借金を背負ってしまった方もいます。その他に自動車ローンを抱えている方もいます。自動車ローンなど利息がとても低い借金は特に問題にはなりません。利息によって借金が増えていくことはありませんから毎月決められた額を支払っておけばよいです。

 

返済額はほぼそのまま元本から引かれていきます。やはり問題は利息の高い借金です。消費者金融やクレジットカードは特に利息が高いですね。年12%〜18%あります。

 

カードのショッピング枠(リボ払い等)で手数料を増やしていった方もいらっしゃいます。これらの借金を返済するには、まずは1か月にどの程度利息が発生しているのか確認する必要があります。1カ月分の利息分も払えない状態ですと元本は減りませんから完済はできません。

 

利息地獄に陥っている方は債務整理という方法で利息のカットが可能です。1か月の利息分以上払えているケースでは、とにかく家計を調整して「1か月の返済額」を上げていく必要があります。

 

借金500万円にもなると返済は大変ですが強い意志で返済していく必要があります。では、次の項で借金500万円の1か月に発生する利息と返済シミュレーションについて解説します。

 

借金500万円の1か月に発生する利息

1カ月分の発生利息の計算は以下のようになります。この計算をすると自分で1カ月分の利息が計算できます。電卓で簡単に計算できます。
借金総額が500万円で「年14%」「年12%」「年10%」「年8%」の4つで計算しました。

 

・借金残高(円)×年利(%)÷365日×30日=1か月(30日)に発生する利息額(円)
例)借金残高が120万円で年利15%の借金の場合「120万円×0.15÷365日×30日=14794円」

 

・借金総額が500万円で年14%の借金では、1か月に発生する利息は5.7万円
・借金総額が500万円で年12%の借金では、1か月に発生する利息は4.9万円
・借金総額が500万円で年10%の借金では、1か月に発生する利息は4.1万円
・借金総額が500万円で年8%の借金では、1か月に発生する利息は3.2万円

 

多くの方は大部分を銀行のカードローンから借りていると思います。年8%〜10%程度だと思います。すべての借金から年14%というのはないと思いますが一応入れてみました。

 

結果は借金総額が500万円の場合、1か月に3.2万円〜5.7万円程度の利息が発生します。この金額以上を毎月支払わないと元本は減っていきません。

 

借金500万円の返済シュミレーション

借金総額500万円の借金を「年14%」「年12%」「年10%」「年8%」の4つでシミュレーションしました。

 

借金総額500万円で年14%
借入額 500万円
年利 14%
毎月の返済額 116,341円
支払い総額 6,980,445円
返済回数 60回(60か月)

 

借金総額500万円で年12%
借入額 500万円
年利 12%
毎月の返済額 111,222円
支払い総額 6,673,301円
返済回数 60回(60か月)

 

借金総額500万円で年10%
借入額 500万円
年利 10%
毎月の返済額 106,235円
支払い総額 6,374,079円
返済回数 60回(60か月)

 

借金総額500万円で年8%
借入額 500万円
年利 8%
毎月の返済額 101,381円
支払い総額 6,082,892円
返済回数 60回(60か月)

 

結果を言うと、500万円の借金を5年(60回払い)で返済する場合、「年14%」で完済までに約198万円の利息が発生、「年12%」で約167万円の利息、「年10%」で約137万円の利息、「年8%」で約108万円の利息が発生します。

 

 

 

借金500万円の返済方法

借金500万円の返済方法ですが以下のステップを踏んでいくとよいです。

  1. 借金リストを作成して今の借金の状態をハッキリとさせる
  2. 収入を増やして支出を減らす(大きな支出を徹底的に見直す)
  3. 自力返済できる場合は余力がある時はこまめに繰り上げ返済して元本を減らしていく
  4. 返済が間に合っていない、今の返済を続けるのが困難な場合は弁護士に依頼して債務整理をしてもらう

 

借金リストを作成する

まずは借金リストを作成して今の借金の状態を明確にすることです。そこをうやむやにしているといつまで経っても完済の目途は立ちません。借金の状態をハッキリさせることでかえって気持ちは楽になりますしスッキリします。以下の5点を紙に書きだしてみるとよいです。たとえば5社から借金している場合はそれぞれの債権者で5社分すべて紙に書きだすようにします。

 

わからない点は契約書を見たり貸金業者に窓口に電話をして確認するようにします。上記を紙に書きだして、「1ヵ月の返済額の合計」も出します。それを基準にしてその返済を続けていけるのかどうかを考えるようにします。

  • 借金残高
  • 年利(利息)
  • 毎月の返済額
  • 1ヵ月分の発生利息
  • 返済日

 

たとえば以下が具体例となります。4社から合計500万円の借金です。

 

A社(クレジットカードキャッシング) 

借金残高は「90万円」、月々の返済額は「22,854円」、年利(利息)は「年18%」、1か月に発生する利息は「13315円」、返済日は「毎月15日」

 

B社(消費者金融)
借金残高は「100万円」、月々の返済額は「23,789円」、年利(利息)は「年15%」、1か月に発生する利息は「12328円」、返済日は「毎月5日」

 

C社(クレジットカードリボ払い) 
借金残高は「110万円」、月々の返済額は「28,750円」、年利(利息)は「年15%」、1か月に発生する利息は「13561円」、返済日は「毎月5日」

 

D社(銀行カードローン)
残高は「200万円」 毎月の返済額は「40,552円」 年利は「年8%」  1ヵ月分の発生利息は「13150円」 返済日は「毎月15日」


上記の例の毎月の返済額の合計は115945円です。最低でもこの金額分は用意できないと返済は進まないことがわかります。この金額を基準にして「今の返済を何年間もずっと続けていけるのかどうか」を考えます。今の返済を続けていける方は自力返済の道を進むこととなります。

 

自力で返済できそうな場合は、とにかくガムシャラに働き収入を増やして、固定費など無駄な支出をカットして毎月返済に回せるお金を増やし、返済していきます。ボーナスなどまとまったお金が入った時はこまめに繰り上げ返済をして元本をどんどん減らしていきます。

 

借金が増えた根本的なものとして「大きな支出」があるはずです。ギャンブルや浪費などです。それは手を切らないと返済は続けていけません。「大きな支出」については厳しくチェックしてやめる必要があります。自力返済のポイントとしては「年利が高い借金から順に繰り上げ返済をする」ということです。借金は以下の特徴があります。

 

・元本が大きければ大きいほど、発生利息は大きくなる
・年利が高ければ高いほど、発生利息は大きくなる
・返済期間が長ければ長いほど、支払い総額は大きくなる

 

ようは支払い総額(発生利息)を減らす意味でも、早く完済する意味でも、毎月の返済を行いそれでも余力がある時はこまめに繰り上げ返済をしていくことが好ましいのです。

 

上記の例ではA社(年18%)が一番年利が高いですからA社から優先的に繰り上げ返済をしていきます。A社を完済したら次はB社とC社(年15%)です。2つを完済したら最後はC社(年8%)です。こうすることで発生利息を抑えることができます。繰り上げ返済分はそのまま元本から引かれます。ボーナスなどまとまったお金が入った時はこまめに繰り上げ返済をしてドンドン元本を減らしていくようにします。

 

とにかく元本が200万円以上あると発生利息は大きいです。ボーナスでまとまったお金が入ったらすぐに繰り上げ返済をして元本を減らしていきます。親に頼み込んでまとまったお金を借りて、元本を減らしていくのもよいでしょう。車など売ればまとまったお金になるケースでは、売ってしまうのも一つの手です。

 

1ヵ月分の返済の上乗せ分は全て元金の返済にあてられ、効果的に元金が減っていきます。

 

元本さえ減れば、利息は気にならなくなります。「元本が大きい期間をいかに短くするか」を軸にして借金返済をするとよいです。目標は元本を200万円以下です。元本が200万円以下ですと返済の負担は随分と違います。

 

十分な収入がある場合は500万円の借金でも債務整理なしで完済できる可能性はあります。ただし前述した通り利息の問題があるため、元本が500万円になるとなかなか返済が進みません。利息が利息を生んでいる状態だからです。当然収入によっておかれる状況は全然違うのですが、正直利息のことも考えると自力では大変苦しいと思います。

 

今の返済を続けていくことが困難な場合は弁護士や司法書士に相談して、債務整理をしてもらう必要があります。任意整理をすれば利息は停止(和解が成立した時点で年0%になる)になり、毎月の返済額を調整することができます。

 

ちなみに任意整理を依頼する場合は司法書士さんに相談するとよいです。個人再生や自己破産を依頼する場合は弁護士に相談する必要があります。債務整理についてはあとで詳しく解説していきます。

 

 

 

収入を増やして支出を減らす

借金をしているということは業者からの審査に通ることができたということです。特に銀行のカードローンはある程度収入がよかったり勤め先が安定していないと審査に通りません。

 

収入は十分にあるけど、お金の使い方が原因で借金をしたケースが多いです。このケースでは収入は十分にあるのですから、浪費を抑えれば当然借金は減っていきます。具体的には「家計の調整」です。特に「大きな支出」に目を向けます。生活に必要ではないものをひたすら楽しむための買い物をしていたり、ギャンブル(競馬、競輪、競艇、パチンコ、スロット)にハマっていたり、アプリゲームに課金しすぎていたり。

 

1か月で数万円〜数十万円単位で消えていく大きな支出がないかチェックをします。そもそも買い物依存症やギャンブルが原因で借金を増やしたというケースがあります。

 

この場合、借金の根本的な原因はそこにあります。そこが根っこになっているのですから、そこを改善しないと借金が減ることはありません。とにかく「大きな支出」は絶対にやめないと返済はできません。そこが借金を増やした癌となっているため、そこを取り除かない限り借金は減っていきません。ギャンブルや浪費など大きな支出については一度しっかりと考え、見直していく必要があります。まずは大きな支出を見直すことです。大きな支出を抑えることができたら、余裕がある方はさらに細かい固定費の見直しとなります。

 

その他にも毎晩の外食費で支出が増えたり、お酒やたばこなど。以下に家計簿の項目をのせています。一度、1か月に使ったお金を思い返してみて、大きな支出がないかザックリとチェックをします。そして返済期間中は大きな支出を無くす必要があります。

 

自分が何にどのくらい使っているかわからなければ、お金は貯まっていきません。まずは以下からいまの経済状態を正確に把握してみるとよいです。1ヵ月の手取りはいくらで1ヵ月の支出はいくらなのか正確に知ることで改善をしていくことができます。

 

借金返済のための家計簿

 

支出を減らすために仕事量を増やすという方法がおすすめです。やはり暇があり財布の中にお金があると人はどうしてもお金を使ってしまいます。

 

お金を使う時間がなければお金はなくなりません。たとえば残業を増やしたり、ダブルワークをするなどです。仕事を増やせば収入は増えます。お金を使う時間がなくなり支出は減ります。

 

仕事をして帰ったら寝るという生活を続けていると嫌でも借金は減っていきます。「借金返済のためにガムシャラに働く」ということが一番です。そういったことが自尊心を保つことに繋がります。

 

おまとめローンは有効?

借金が500万円にもなると利息との戦いになります。年利を下げる方法には「おまとめローン(借り換え)」がありますが、これには落とし穴があります。借り換え後に今まで借りていた借金の残高が0になり、枠が空きます。その空いた枠で再びお金を引き出せるのです。一本化したことでかえって借金が増えるということが起きます。

 

借金の一本化は慎重に行う必要があります。特に借金癖がついた方が勢いで一本化してしまうと借金地獄に陥ってしまいます。たとえば手取りが25万円以上あるなど収入が十分にあるケースでは、「繰り上げ返済をして元本を減らしていく」ことで発生利息を抑えた方がよいと思います。借金癖がついた方がおまとめローンを利用すると、それが原因で借金地獄に陥るケースは多いのです。

 

500万円の借金を債務整理する

債務整理には3つの種類があります。任意整理と個人再生と自己破産です。

任意整理は、専門家が債権者と直接借金減額の交渉をし、支払い可能な返済プランに立て直してくれる手続きです。

多くの場合、利息を停止させた状態で、3年〜5年計画での分割払いになります。

 

任意整理では借金問題が解決できない場合は、裁判所に申し立てをすることで、法的な手続きによって強制的に借金を大幅に減らします。

 

個人再生は裁判所に認められれば借金は8割カットされます。残りの借金を3年計画で分割払いしていきます。自己破産をすると借金は全額免除です(借金は0になる)。

500万円の借金を任意整理すると返済額はいくらになる?

5社から借金をしており総額500万円を任意整理した場合のシミュレーションをします。将来利息をカットできたという想定です。弁護士費用は1社あたり4万円〜5万円ですので、5社で20万円弱かかります。

 

・3年計画で借金総額500万円の借金を任意整理する場合、1か月の支払い額は約13.8万円、36回(36か月)払いで完済

 

・4年計画で借金総額500万円の借金を任意整理する場合、1か月の支払い額は約10.4万円、48回(48か月)払いで完済

 

・5年計画で借金総額500万円の借金を任意整理する場合、1か月の支払い額は約8.3万円、60回(60か月)払いで完済

 

支払い総額は元本500万円と弁護士費用20万円で合計520万円です。任意整理の注意点としては、和解成立後の返済には延滞が許されません。多くのケースで2回(2か月)以上延滞があると一括返済を求められます。

 

1回の遅れでしたら担当者に事前に連絡することで許されることが殆どですが、何カ月もの滞納は許されません。ですから返済計画はゆとりをもって立てられます。毎月いくらかお金に余裕が生まれるくらいの返済プランでないといけません。

 

毎月キツキツの返済では3年〜5年間持ちません。そこも加味して任意整理を検討する必要があります。この返済プランは弁護士や司法書士が無理のない計画を立ててくれます。

 

500万円の借金では3年計画では毎月13.8万円の返済です。高収入の方なら可能かもしれませんが、サラリーマンの方は現実的ではないと思います。

 

任意整理の返済期間は原則3年ですが、交渉によっては4年〜5年が認められることもあります。5年以上の長期返済を認めてくれる貸金業者もいます。事前に、弁護士や司法書士事務所での初回相談で、どのようなプランになるのか見積りを出してもらうとよいです。

 

500万円の借金を個人再生すると返済額はいくらになる?

個人再生の返済額は以下の通りです。

・500万円以上1500万円未満の場合      ⇒      債務額の5分の1

あなたの財産価額が最低弁済額を上回るときは、その財産の価額が弁済額となります。(清算価値保証の原則)


500万円の借金を個人再生すると返済額は100万円です。任意整理では交渉の中で返済額が決まりますので不確実性がありますが、個人再生は裁判所を通しての手続きですので、確実です。

 

この100万円を3年かけて返済します。3カ月に1回の返済やボーナス払い、毎月支払いなどです。毎月支払いの場合は1か月の返済は約2.7万円です。

 

個人再生には弁護士費用が必要です。費用には40万円〜50万円必要です。分割払いを認めている弁護士事務所は多いです。500万円の借金を個人再生すると支払い総額は、弁護士費用と合わせて150万円程度になります。

 

500万円の借金を自己破産すると返済額はいくらになる?

500万円の借金を自己破産した場合、免責が認められれば借金は0になります。弁護士費用は40万円〜50万円必要ですから、それだけ分割返済していきます。

 

手元に財産がある場合、それを売却した時に弁護士費用に回せることがあります。そのようにすると弁護士費用もかからないことがあります。

 

自己破産をすると債務者の財産は、お金になるものは換金され、債権者に平等分配されます。ただし、当面生活に必要な99万円の現金と生活財(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、ベッドなど)は手元に残せます。

 

基本的に「手元に持ち家やローン支払い中の家がある方は個人再生をして土地や家を守りながら借金減額をする」となり、「手元にめぼしい財産がない場合自己破産をする」ということになります。

 

自己破産をするかどうかの目安ですが、自己破産をするには「支払い不能状態」である必要があります。具体的には「今の借金残高を3年以内に完済できるかどうか」です。

 

家計の収支をチェックして、返済に回せる金額を計算してください。そして、3年分でどれくらいになるか計算します。1ヶ月8万円だとしたら288万円です。

 

借金の残高が、この金額を下回っていたら任意整理もしくは個人再生、上回っていたら自己破産を選択すべきというふうに考えてみてください。

 

月収20万円前後の一般サラリーマンの場合は、クレジットやサラ金からの借入金総額が350万円〜400万円で自己破産が適用される可能性が高いです。

 

ちなみにギャンブルや浪費(異性関係や買い物依存やソーシャルゲームなど)や投資による借金でも1回目の自己破産であれば破産管財人付で免責がおりることが殆どです。この場合は同時廃止と比べて、中立な立場で調査してくれる弁護士(破産管財人)を選任する必要があるため費用が15万〜20万円ほど余分にかかりより細かい身元調査がされますが、反省度合いや今後の生活など加味されて裁判官に判断されます。