自己破産に必要な書類と取得先一覧
自己破産申し立てについて
自己破産をするには、管轄の地方裁判所の破産係に「申立書」と「必要書類」を提出する必要があります。申立書は裁判所で貰うことができます。申立書は自分で必要事項を記入して提出します(代理人弁護士が記入してくれます)。必要書類については市役所や銀行に行って自分で集める必要があります。
これらの自己破産に必要な書類一覧と集め方(取得先)について解説していきます。
自己破産手続きに必要な書類
裁判所でもらう書類
@破産申立書・免責申立書
これまで別々に行っていた「破産申立てと免責申立て」が、平成17年1月1日から改正破産法によって、同時提出が必要となりました。破産申立書・免責申立書には破産申立書の氏名や生年月日、本籍地、住所、連絡先。家族構成、収入、所有している財産などを記入することになっています。
A陳述書
自己破産申立ての時の提出書類で一番難しいと言えるのが「陳述書」です。具体的には次のような事柄を記載します。
・借金をした理由や経済破綻になった理由
・生活の状況
・経歴
・反省文
・自己破産以外で解決できない理由・今後の生活の事
これらの点は詳細に記述しなければなりません。反省をしているということが伝わるように書く必要があります。
B債権者一覧表
債権者の氏名や住所、債務額や借り入れ時期、返済した金額などを全ての債権者について記入します。また、金融会社だけではなく、家族や友人なども含めて借金をしている人全ての名前を記入します。債権者の記入漏れがあった場合は免責不許可事由に該当するので注意が必要です。
C資産目録
現金、車、家などの資産は全て記入します。
D家計状況
過去2、3ヶ月分の収入や支出の細かい状況を記入します。同居家族の収入も記入しなければなりません。
自分で用意する書類
自分で用意する書類とどこで用意できるかについては次の通りです。
必ず必要
@戸籍謄本
債務者の謄本が必要になります。(市役所や区役所)
A住民票
世帯全員が記載されているもの。(市役所や区役所)
B給与明細書
過去2ヶ月分の給与明細の写し。(勤め先の給与担当係)
C源泉徴収票
過去1ヶ月分の源泉徴収票の写し。(勤め先の給与担当係)
D市民税、県民税課税証明書
住民税の課税額の証明書。(市役所や区役所)
E預金通帳の写し
所有している全ての通帳の過去2年分くらいのコピーが必要。(銀行)
場合によっては必要な書類
F賃貸契約書のコピー
賃貸住宅に住んでいる場合、賃貸借契約書の写し。(不動産屋さんと管理会社がコピーを持っているので連絡)
G不動産登記簿謄本
不動産を所有している場合に必要。(最寄りの法務局)
H退職金を証明する書類
退職金を受け取っている場合や、退職金を受け取る見込みがある場合に必要。(勤務先)
I車検証の写し
申し立て人の所有自動車や自動二輪について、車検証の写しが必要です。両方所有している場合は両方の車検証が必要とされます。(手元にない場合は管轄の陸運事務所内の運輸支局)
J自動車や自動二輪の査定書
自動車や自動二輪を所有している場合、自動車や自動二輪の査定書類が必要。
(今までの取引で、残債がない車屋さんに書いてもらうのがベスト。仕様など特別ないので車体番号、ナンバー、走行距離などを書き、査定価格「・・・円」と書いてもらい、社判を押してもらう)
K離職票
申し立て時に無職である場合に必要。退職した時に、10日以内に退職した会社から郵送される書類。
(手元にない場合は前働いていた会社に連絡して再発行してもらう)
L険証券の写し
生命保険などに加入している場合、保険証券の写しが必要。
(手元にない場合は契約している保険会社に連絡して、保険証券の再発行をしてもらう)
M保険解約返戻金証明書
生命保険などを解約した際、解約返戻金を受け取った場合にその証明書が必要。
(契約している保険会社)
N財産分与明細書
財産分与とは結婚生活中に得た財産の所有権をハッキリさせることです。財産分与がある場合、その明細書が必要。
(財産分与がある場合は担当の弁護士が手続きしてくれます)
O財産相続明細書
財産相続がある場合、その明細書が必要。
(担当の弁護士が手続きしてくれます)
Pクレジットカードを持っている場合はすべて提出。
Q年金等の受給証明書のコピー
年金を受け取っている場合には受給証明書の写しが必要。
(管轄の年金事務所)
R公的助成金
生活保護などを受給している場合、金額のわかる書類が必要。
(手元にない場合は市役所)
これらの書類には裁判所で入手するものと、自身で用意するものがあります。
会社に知られずに必要書類を用意できる?
会社勤めしているケースでは、自己破産手続きの書類で会社に請求しなければいけないのは「給料明細書」「源泉徴収票」「退職金見込額証明書」の3つです。
「給料明細書」「源泉徴収票」に関しては会社に請求しても、怪しまれることはありません。給与明細は毎月会社から発行されて手元にある方は多いはずです。源泉徴収票は年末に会社が郵送してくる書類になります。これも手元に残している方は多いはずですし、手元にない場合でも会社から再発行してもらえます。
問題は「退職金見込額証明書」です。これは、仮に今退社したら退職金はいくらになるのか見込み額を証明する書類です。これを会社から取り寄せないといけません。
違う理由をいう事でバレないようにはできます。たとえば、住宅ローンの審査に必要と銀行に言われたとか、親の保証人になるためとか、ローンを申し込むつもりで与信審査のためとか、離婚の話が持ち上がって財産分与でいるとか、嫁が将来設計のために現段階での退職金見込み額を知っておきたいといっているなどです。
親の保証人や住宅ローンの審査のためという理由が一番怪しまれないかもしれません。素直に自己破産をしますと言ったら、やはり社内で悪い評判が流れますし、仕事に支障がでる可能性もありますから、言わない方がよいです。
もし退職金見込み証明書の提出が困難な場合は「退職金がないことを定めた就業規則のコピー等」を代わりに提出することで認められるケースもあります。就業規則がない、退職金規定もないケースでは担当の弁護士が退職金がないことの証明をしてくれます。
これらの書類は会社に知られずにすべて集めることができるので安心できます。
同居人の書類は必要?
家計簿の収入状況を提出する時に、どこからどれだけ収入があり、支出は何にどれくらい使っているのかハッキリさせないといけません。
もし債務者と同居人の家計(財布)が完全に別の場合は同居人の収入証明は不要です。もし財布が同じであるなら家計収支表に同居人の収入、支出も記入する必要が生じますので、同居人の収入資料の提出(給与明細など)は求められます。これらは地方裁判所によって同居人の書類が必要かどうかは異なります。
家族と一緒に住んでいて、家族に自己破産のことを知られたくないから、まずは一人暮らしをして、それから弁護士依頼する方もいらっしゃいます。同居人の書類を提出しないといけない可能性があるからです。
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