自己破産後の取り立て

自己破産後に債権者が取り立てに来ることはある?

自己破産という方法を取ることで、借金を全て帳消しにすることができ、一から生活を立て直すことができるといえるでしょう。自己破産で免責が確定した場合、債権者からの取り立てはなくなりますし、借金の支払い義務はなくなります。

 

しかし、厳しい取り立てに追われていた自己破産者の中には、「借金を自己破産した後にも債権者が取り立てに来るのではないか」と不安に思われている方もいるようです。

 

そこで、自己破産後に債権者が取り立てに来ることはあるのかということについて詳しく見ていきましょう。

 

債権者が取り立てに来ることはない

借金には「貸金業者(消費者金融やカード会社や保証会社や銀行など)からの借金」と「個人(友人や恋人や家族など)からの借金」の2種類があります。

 

結論を言うと自己破産後に貸金業者から取り立てされることはありません。個人からは連絡が来る可能性はありますが、絶対に対応してはいけません

 

自己破産で免責が確定された後には、債権者の請求する権利というものも消滅し、債務は免除されることになります。

 

このため、自己破産をして免責が確定すれば取り立てをしてくることはありません。大手の貸金業者は取立規制法やこういった破産後の対応について一定のマニュアルを設けています。そういったマニュアルを元に取り立てを行っているため、貸金業者が破産後に取り立てにくることはまずありません。

 

しかし、自己破産を申し立てたとしても個人の債権者がいた場合には、請求してくる可能性があります。破産後の債権者の取り立ては法律で禁止されており(破産法275条)貸金業者はそれを知っていますから取り立てにくることはないですが、個人の方はそれを知らないケースもあるので、知らない方は連絡をしてくることがあるのです。

 

その場合には弁護士に連絡をし、自己破産について説明をしてもらうことで対処することができます。この時に絶対に借金を一部でも返済してはいけません。自己破産では一部の債権者に返済することは免責不許可事由に該当します。一部の債権者に返済してしまうと、最悪のケースでは免責取り消しもあります。

 

 

 

自己破産後の取り立ては違法行為

自己破産手続きが全て終わっていなかったとしても、自己破産申し立てを終え、裁判所に受理されると受理票がもらえます。すると取り立てはその時点において規制がされるようになります(破産法275条)。

 

こちらの受理票を債権者に送ることで、取り立ては終わることになります。たとえば大手の消費者金融やカード会社、いや大手でなくても法律に則って営業している会社からの借金は、自己破産をして免責が認められれば、その後の取り立ては一切ありません。これに違反すると罰則があり、営業が成り立たないからです。

 

もし闇金業者から借金をしており、闇金業者からの借金はどうなるかですが、そもそも闇金からの借金は法定利息を大きく超えており、違法となります。返済義務はそもそもないのですが、闇金業者は違法行為だとわかっていてあの手この手で取り立てをするのです。闇金を含めた自己破産については予め闇金業務も行っている事務所にお世話になることになります。

 

そこで一般の借金については自己破産で手続きします。闇金については一件一件と代理人弁護士(司法書士)が粘り強く交渉し、元本分だけでも支払って手を切ってもらうように折り合いをつけていきます。それでも対応してくれない闇金については警察に被害届の提出なども視野にいれて活動します。

 

闇金の借金と一般の借金は全くの別物で、一般の借金は自己破産後の取り立ては一切ありません。闇金についても専門の事務所に依頼して取り立てを止めてもらい手を切ってもらうようにします。

 

闇金からの借金は自己破産をしただけでは解決しないので注意が必要です。必ず闇金業務をしている事務所にお世話になる必要があります。

 

弁護士に依頼するとスムーズである

自己破産の手続きを弁護士に依頼しているとよりスムーズであるといえます。この場合には、弁護士から受任通知書が債権者に送付されることになります。

 

そうなると、債権者は取り立てが債務者に行えません。このため、弁護士に依頼していることが伝わると取り立てに来なくなるのです。

 

自己破産後に債権者に返済してはいけない

自己破産の申し立てを行ったにもかかわらず、個人の債権者(友人知人など)から取り立てがある場合にも、絶対に借金を返済してはいけません。債権者の一部に返済をすると、それは免責不許可事由に該当してしまいます。

 

借金は、全て免除となりますが、一部の債権者に返済することは禁じられているからです(偏波弁済)。この場合には、免責が受けられなくなってしまう可能性がありますので、注意をしましょう。

 

自己破産後に闇金業者からダイレクトメールが届くことがあるので完全無視しましょう

自己破産をするとその裁判の判決が官報と呼ばれる政府が発行する新聞に掲載されます。この官報は特別な手続きをして月額2000円弱支払えば過去を遡って情報を見ることができます。

 

そこには判決文と氏名と住所が記載されるので、そこから情報を仕入れて、無差別に、闇雲に闇金業者はダイレクトメールを送るのです。自己破産をしたということはその後5年〜10年は喪中となり新しい借金が作れません。お金にも困っているはずですから、そこを狙って闇金の誘いをかけるのです。
自己破産をすると官報に載る?官報のデメリットと閲覧方法

 

闇金業者はこの官報を頻繁にチェックしており、自己破産した人に「お金を借りませんか?」とダイレクトメールを送ってきます。ようはどこにもお金を借りることができない状態の人間に対してピンポイントで悪質な営業をかけてくることがあるのです。

 

自己破産後の1ヵ月くらいは数通ほど闇金業者からダイレクトメールが届くことがあるので完全無視しましょう。せっかく免責が認められて借金整理をしたのに、また借金をしてしまうとこれまでの手続きが無駄になってしまいます。

 

自己破産後の取り立てまとめ

破産法275条で免責決定後の債権者の取り立ては禁止されています。貸金業者が破産後に取り立てにくることはまずありません。個人の債権者がこのルールを知らずに連絡してくることは稀にありますが、絶対に返済してはいけません。一部の債権者に返済する行為は免責不許可事由に該当します。

 

闇金業者からの借金はそもそもが違法行為であり、闇金業者は違法と分かっていてあの手この手で取り立てをしてきます。このケースでは自己破産をしても取り立てはしてくるので、別の対策が必要です。予め闇金業務もしている弁護士事務所に依頼して、闇金は闇金で対応してもらい、手を切ってもらう必要があります。

 

破産後に闇金からの融資の誘いのダイレクトメールが何通か届くことがありますが、無視するようにします。

 

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