自己破産できない

自己破産ができないのはどんなケース?

借金でお困りの方は、自己破産という方法で、この借金問題を解決することができるといえます。借金で悩んでいる方は、自己破産という方法を取ることで、その借金を清算することができ、支払い義務を失くすことができるのです。

 

しかし、弁護士にいざ自己破産をしようと相談を持ち掛けたとしても、場合によっては、「自己破産は無理です」「引き受けられない」といわれてしまうこともあります。

 

実際に、弁護士に自己破産の相談をしてみたところ、自己破産ができないといわれてしまったという方もいらっしゃるようです。また、自己破産の手続き自体ができないケース、または破産の手続きができても免責が認められず、借金がゼロに戻らないケースもあります。

 

今回はそのような自己破産ができない10つのケースを紹介していきます。

 

自己破産ができないケースは以下の10つあります。それぞれ説明していきます。

 

自己破産ができない10つのケース

@自力で3年以内に返済できる
A財産を隠したり、資産を不当に安く処分するなどの不正行為
B一部の債権者にだけ借金の返済を行う
C自己破産の手続き前(手続き中も)にクレジットカードで現金化した
Dギャンブルや浪費、投資などによる借金
E債権者を隠して申立てをした
F過去に自己破産をして7年以内である
G闇金融から借り入れをしている
H弁護士費用の支払いができないケース
I予納金の用意ができないケース

 

自己破産ができない10つのパターン

免責不許可事由

自己破産の手続き自体は誰でも行えるのですが、実質借金を免除にしてもらうには「免責許可」されないといけません。
免責不許可事由に該当するケースでは、自己破産において借金が免責となりません。しかし、ほとんどの場合が、軽い免責不許可事由であれば、免責されるケースが多いです。
しかし、これは軽微な場合であり、重い免責不許可理由である場合には、自己破産が認められないケースがあります。
これについては裁量免責といって、裁判官が債務者のこれまでの行いと反省度合いと将来の生活をを見ながら総合的に判断します。ですから明確に「自己破産ができないのは〇〇のケース」といったことを言うことはできません。裁判官が免責が相応と判断すれば免責となりますし、判断しなければ免責はおりません。今回は免責がおりない可能性がある事柄について解説していきます。

 

1.自力で3年以内に返済できる

自己破産は「支払不能状態」の人でないとできません。「支払不能状態」とは、「今抱えている借金が返済できず、今後も返済できない状態がずっと続く状態」のことです。

 

その一つの目安が「自力で3年以内に返済できるかどうか」です。自力で3年以内に返済できる場合は、自己破産は適用されない可能性が高いです。自己破産というのは、借金の返済の目途が立たないと認められた場合に、認められるものとなります。

 

少しの期間で借り入れをし、そしてほとんど返済をせずに、すぐに自己破産を希望したら、自己破産は認められません。自己破産ができない場合は任意整理や個人再生で借金減額を図ります。

 

自己破産できるかどうかの借金金額の目安は?

 

2.財産を隠したり、資産を不当に安く処分するなどの不正行為

財産を隠したり、資産を自主的に安く処分する行為は「免責不許可事由」に該当します。担当の弁護士に所有している財産はすべて申告する必要があります。この時に持っているはずの財産を伝えずに隠した場合は、もし少額管財事件になった時、中立に調査する弁護士が付きますから、その時に知られて不認可となります。弁護士はお金の流れをつかむプロですから、家計簿や通帳のコピーからお金の流れを洗いざらい調べられ、矛盾点を発見され、後々知られることになります。

 

家族に財産を渡して隠す、または財産を安く売って管財事件を免れるなどの不正行為をしたら、借金はゼロに戻りません。

 

3.一部の債権者にだけ借金の返済を行う

自己破産はすべての債権者(お金を貸した人)を平等に扱う必要があります。一部の債権者にだけ返済を行う行為(偏頗弁済)をした場合、免責はおりません。
たとえば、自己破産後に、どうしても親しい友人や家族にだけ借金を返済したいと考え、返済したケースでは、偏頗弁済に該当します。

 

4.自己破産の手続き前にクレジットカードで現金化した

自己破産の申し立ての前(または手続き中)に、クレジットカードのショッピング枠(分割払いまたはリボ払い)で購入した商品を売ってお金に換えたケースです。これをクレジットカードの現金化と言いますが、これをすると免責不許可事由に該当します。クレジットカードの現金化をすると高確率で少額管財事件となり、破産管財人が付くことになります。財産隠しを疑われる事例ですので、お金の流れをより細かく調査されることになります。カードの現金化をしてもあまりに悪質ではない限りは免責許可されますが、ですが少額管財事件となって裁判所費用が高くなります(破産管財人を付けるのに20万円ほど必要)ので注意が必要です。自己破産前(手続き中)は、カードまたはローンで購入した商品の扱いには気を付けましょう。分割やローンで買った商品を売ってお金に換えることはしてはいけません。必ず担当の弁護士の指示を聞くようにします。

 

5.ギャンブルや浪費、投資などによる借金

投資(株やFXなど)やギャンブル(パチンコ、競馬、競輪など)または浪費(買い物依存や異性関係)などで大きく借金を作ったケースでは、免責不許可事由に該当します。この場合には、自己破産をしたとしても、免責がおりない可能性があります。
ただし、絶対にできないわけではなく、これのケースでは少額管財事件となり、破産管財人がより細かい借金を作った経緯や反省度合いなど調査することになります。立ち会いで破産管財人と会い、面談するということです。これらの判断材料から裁判官が総合的に判断します。ギャンブルや浪費や投資による借金でも1回目の自己破産でしたら少額管財事件で免責が認められる可能性が高いです。
中には手続き期間中にも関わらず残っているクレジットカードで再び借金を作ってしまったりギャンブルや浪費を続けてしまう方がいます。そういったケースでは家計簿や通帳の提出でそれらはすべて担当の弁護士に知られてしまいます。最悪担当の弁護士に辞任されることもありますし、免責がおりない可能性もあります。手続き期間中のお金の使い方には特に注意が必要です。

 

 

6.債権者を隠して申立てをした

自己破産の申し立て時、借金先の一覧の書類(債権者一覧表)を記入して提出しないといけません。この時、一部の債権者を隠して申立てをした場合、免責不許可事由に該当します。例えば友人の借金や家族の借金も含めて、借金先(債権者)を漏れなく申告します。

 

7.過去に自己破産をして7年以内である

一度自己破産をすると、その後7年間は再び破産ができません。

 

8.闇金融から借り入れをしている

債権者に闇金融がいて、闇金融から借り入れをしているケースでは、弁護士が依頼を受けてくれないことがあります。

 

闇金は法定利息を大きく超えており、そもそもが犯罪行為となります。債務整理とは全く異なった対処が必要になるのです。闇金の業務と債務整理の業務、両方行える事務所でしたら手続き可能ですが、債務整理だけを業務としている弁護士事務所では依頼を受けてもらえる可能性があります。闇金融から借り入れをした場合でも、口座凍結手続きなどを利用し、振り込んだ資金を取り戻すことができるからです。

 

闇金に関しては、闇金専門の弁護士事務所に相談する必要があります。

 

9.弁護士費用の支払いができないケース

弁護士に依頼すると弁護士費用を支払う必要があります。自己破産者の場合も弁護士費用の支払いは必須となりますので、こちらの費用が支払えなければ、弁護士は依頼を断ることがあります。

 

自己破産者の費用はおよそ30万円といわれており、この弁護士費用を支払えるかどうかということが判断基準となります。この費用についてはまずは弁護士が受任通知を送ってくれこれまでの借金の取り立てを止めてくれます。そこから3ヵ月〜半年かけて弁護士費用は分割返済していきます。現在無職の方や生活保護の方は低利子で弁護士費用を借りられる制度もあります(法テラス)。

 

さらに、最近では、借金問題に関しては相談を何回でも無料としていたりする事務所も少なくありません。このため、弁護士費用の支払いができないからといって、あきらめてしまうのではなく、まずは無料で相談を受けてみることから始めてみることをお勧めします。

 

10.予納金の用意ができないケース

自己破産の手続きには「予納金」と呼ばれる、最初に裁判所に納めるお金が必要です。金額を用意することができない場合には、自己破産手続きをすることができません。
予納金は自己破産の種類のよって支払う金額が違います。

 

同時廃止の場合は2万円〜3万円必要です。少額管財事件の場合は20万円、管財事件の場合は50万円必要です。ただし、少額管財事件と管財事件は、分割で支払いが認められているので分割でこの費用を払っていきます。

 

債務者が財産(土地や家や車など)を持っておらず、ギャンブルや浪費投資が借金理由ではない場合は同時廃止となります。同時廃止は本来の自己破産の手続きを省略化された手続きとなります。

 

もし債務者に不正が疑われる(財産隠しなど)ケースやカードの現金化をしてしまったケースやギャンブルや浪費投資が原因の借金は中立な立場での破産管財人を付けて調査しないといけないため、少額管財事件となります。

 

債務者がまとまった財産(土地、家)を所有しているケースではそれを売却して換金する手続きが必要です。このケースでは管財事件となります。

 

生活保護を受給している場合には、管財費用は援助してもらうことができます。

 

弁護士費用との兼ね合いですが、まずは弁護士に自己破産を依頼すると弁護士が受任通知を送ります。これでこれまでの借金返済はストップします。半年程度かけてまずは弁護士費用を毎月支払っていきます。ある程度積立て終えたら弁護士が書類を作成してくれ、破産申し立てをしてくれます。面談を行い、破産の手続きが決定します。同時廃止の場合はこの時に予納金3万円払います。少額管財事件と管財事件の場合は予納金を分割支払いしていきます。管財事件については売却した財産(土地や家)のいくらかを予納金や弁護士費用に回せる可能性があります。

 

弁護士費用と予納金は一括で支払うものではなく、破産の申し立て前、もしくは手続き期間中に分割で払っていくものなので、「いま手元にまとまったお金がない」場合でも、自己破産は可能となります。その点は安心してください。

 

自己破産の資格制限に要注意

上記の10の点とは別に、自己破産には職業の資格制限があります。以下に該当する職の方は、自己破産の手続き期間中(4カ月程度)はその職に就くことができません。あくまで該当する方のみの話で、資格制限に該当しない方は全く影響はありません。

 

資格制限で主に問題となることが多い職は「警備員」「生命保険の外交員(生命保険募集人)」「建設業」「宅地建物取引主任者(宅建)」などです。該当する方は手続き期間中は仕事に就けないわけですから、大きな影響があります。該当するケースでは職場に事情を説明して、仕事を休ませてもらわないといけません。職場に自己破産をすることが知られるので仕事にも影響します。

 

該当する方は自己破産ではなく個人再生手続きをすることでこの資格制限を回避することができます。個人再生は借金を8割カットして、残り2割を3年かけて分割返済する手続きです。個人再生をすると職場に知られずに債務整理が可能です。

 

資格制限を受ける職種一覧

弁護士 公認会計士 税理士 弁理士 司法書士 公証人 行政書士 国家公安委員会委員 都道府県公安委員会委員 公正取引委員会委員 検察審査員 不動産鑑定士 土地家屋調査士 宅地建物取引業者 有価証券投資顧問業者 証券会社の外交員 商品取引所会員 貸金業者 警備員 古物商 質屋 生命保険募集員 損害保険代理店 日本銀行の役員 旅行業者 卸売業者 建設業者 建設工事紛争審査委員会委員 風俗営業者