債務整理と海外旅行

債務整理をすると海外旅行に行けない?

債務整理と海外旅行

債務整理とは任意整理・個人再生・自己破産の総称ですが、債務整理をするといろいろと制限がかかると思っている人がいます。

 

制限の一つに海外旅行があり、債務整理をすると旅行ができなくなると心配する人がいます。制限がかかる借金整理もあるのですが、ほとんどの場合そのようなことはありません。

 

個人の海外旅行に行きたいというケースや、会社の海外旅行に付き合わないといけないというケースもあると思います。今回は債務整理と海外旅行について、詳しく説明していきます。

 

任意整理・個人再生の返済期間中に海外旅行に行ってもよいのか?

任意整理や個人再生をすると、旅行や引っ越しに許可や届けが必要だと勘違いする人がいますが、実際はそのようなことはありません。

 

任意整理・個人再生の手続きをしたからといって、何の制約もありません。任意整理と個人再生は返済を前提とした債務整理なので、手続き終了後に和解の条件を守って、残された借金を返済していかないといけません。

 

月々の返済額は決まっていますので、そのお金さえ毎月支払っていれば、債権者や担当弁護士から文句を言われることはありません。手続き期間中であろうと、返済期間中であろうと、海外旅行には自由に行くことができます。

 

ただし返済を滞納してしまうと、弁護士・司法書士が代理辞退し、貸金業者に一括払い請求される可能性があるので注意しましょう。任意整理では2回以上の滞納で債権者に一括請求の権利が生まれます。個人再生でも滞納を繰り返すと一括請求を求められることがあります。

 

海外旅行に行く時は事前に必ず担当の弁護士や司法書士には相談するようにします。任意整理や個人再生では家計簿を提出する必要があり、手続き期間中のお金の流れも把握されます。手続き期間中にどうしても海外旅行に行かなければいけないケースでは弁護士に相談してから行くようにします。

 

手続き完了後の海外旅行については完全に本人の自由です。毎月決められた額返済をできているのであれば問題はありません。

 

自己破産をすると海外旅行に行くことはできない?

自己破産の都市伝説のひとつに「自己破産をすると制限が設けられ、自由に海外旅行に行くことができなくなる」という噂がありますが、実際そんなことはないです。

 

自己破産の申し立て前もしくは免責許可があった後は問題なく海外旅行に行くことができます。ただし自己破産の手続き期間中は、もし海外旅行に行く場合は裁判官に許可を得ないといけません。

 

自己破産では20万円以上の財産がある場合は、すべて売却しお金にかえます。(自己破産はすべての財産を債権者に差し出す代わりに借金をゼロにしてもらう手続きです)

 

管財作業をしている間は、破産管財人と裁判所は財産を正確に把握し、破産人の逃亡を防ぐためにも常に居場所を知っておく必要があります。この「管財」が行われている数ヶ月間は、勝手に引っ越しをしたり長期の国内旅行、海外旅行が禁止されていますが、裁判所が許可をすればそれも可能です(破産法37条1項)。

 

自己破産の手続き期間は同時廃止で3ヵ月〜4ヵ月程度、少額管財事件で4ヵ月〜半年程度です。この期間は裁判所の許可が必要だということです。免責が下りれば、この制限はなくなり、自由に海外旅行に行くことができます。

 

ただし会社の海外旅行にどうしてもいかなければいけないという事情を除いては、自己破産の手続き前もしくは手続き期間中に海外旅行に行くのはあまり印象はよくありません。海外旅行に行くお金があるなら借金返済に回せるからです。

 

 

債務整理期間中でクレジットカードが使えない場合の海外旅行

【質問】多重債務で返済が困難になり1年前に個人再生をしました。現在、個人再生の支払いをしている状態です。個人信用情報に事故情報(ブラックリスト)が入ったので、現在クレジットカードは持っていません。

 

長期休暇を利用して彼女と海外旅行に行く予定ですが、クレジットカードがないと旅行は難しいでしょうか?旅行会社のパッケージツアーであれば最小限度の現金があればいける可能性はあるでしょうか?

 

旅行先はフランスです。どうぞよろしくお願いします。

 

 

【回答】パッケージツアーといっても色々な種類があります。現地での飲食代金、交通費、観光費、宿泊費などすべて前払いのツアーであれば、現地で支払う必要はないのでカードは必要ありません。もしフリープランでレンタカーを借りたい場合は、問題が生じます。

 

レンタカーはクレジットカードを提示しないと借りられません(デビットカードやプリペイドカード不可)。ホテルはクレジットカードがなくてもパスポートやデビットカードで代用できるケースがあります。現地通貨が必要です。現地ではチップが当たり前ですので、小銭、小額紙幣などは沢山使います。

 

クレジットカードを持っていなくて問題になるのはレンタカーを借りる時だけです。それ以外は現地通貨でサービスを受けることができます。現地通貨を多めに持っておけば、海外旅行で不便を感じることはありません。

 

もしレンタカーで現地を旅行したい場合は、相手方のカードを使用するなど対策が必要です。

 

海外は盗難が多いですから、通貨をたくさん持ち歩くのが怖いという方は国際キャッシュカードというものがあり、海外のATMでも日本の銀行口座のお金を引き出せます。VISAデビットカードについては債務整理をした方でも問題なく作れるので、デビットカードは一枚作っておいた方がよいです。クレジットカードがなくても、国際キャッシュカードとVISAデビットカードを1枚ずつ持っておけば、レンタカー以外でしたら、なんとかなります。

 

まとめ

・任意整理・個人再生は一切の制限がつかず、国内・海外旅行は自由に行ける

 

・自己破産では手続きを進めている中の数ヶ月間は、海外に行くには裁判所の許可が必要。免責が下りれば自由に国内旅行・海外旅行に行ける

 

・債務整理をすると一定期間クレジットカードが持てない。カードを持っていないと、海外旅行では現地でレンタカーを借りることができない

 

 

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