銀行カードローン地獄から抜け出す

銀行系カードローンで借金地獄に陥りました

銀行のカードローンというのは総量規制(借入残高が年収の1/3を超える場合、新規の借入れをすることができない)の対象外です。消費者金融やクレジットカードで借金する場合は総量規制がかかりますので年収の1/3を超えて借金ができませんが、銀行カードローンから借り入れをすると、年収の1/3を超えて借金ができてしまうのです。

 

これによって銀行のカードローンによって借金地獄に陥ってしまった場合どのように抜け出せばよいのか解説していきます。中には銀行のカードローン以外にもサラ金やカードで借金をしているいわゆる多重債務に陥っている方や年収を超えた借金を抱えてしまった方もいます。返済が追いつかずに滞納をしている方もいると思います。銀行カードローン地獄から抜け出すポイントを以下のようにまとめています。

 

・銀行カードローン地獄から抜け出すには?
・自力返済が困難な場合は債務整理で借金の減額を図る
・銀行カードローンを滞納していると給与差し押さえされる?
・弁護士(司法書士)に依頼すると借金返済はストップするので、その間に生活の建て直しをする

 

銀行系のカードローンでの借金地獄から抜け出すには?

以下の2点をしっかりと把握することからはじめます。

  1. 今ある借金の状態を正確に把握する
  2. 毎月どこに大きくお金を使っているのか(大きな支出)を把握する

@今ある借金の状態を正確に把握する
まずは今している借金の状況を正確に把握します。具体的に以下の5点をそれぞれの貸金業者で紙に書きだしてみるとよいです。

  • 借金残高はいくらか?
  • 利息(年利)はいくらか?
  • 毎月の返済額はいくらか?
  • 1ヵ月分の利息はいくら発生しているか?
  • 毎月の返済日はいつか?

具体例を出すと、4社から合計400万円の借金をしているケースを考えてみます。以下のようになります。

A社(銀行カードローン) 残高は200万円、年利は年10%、毎月の返済額は42,494円、1ヵ月分の発生利息は16,438円、返済日は毎月5日

 

B社(銀行カードローン) 残高は100万円、年利は年12%、毎月の返済額は22,244円、1ヵ月分の発生利息は9863円、返済日は毎月15日

 

C社(クレジットカードリボ) 残高は50万円、年利は年15%、毎月の返済額は15,000円、1ヵ月分の発生利息は6164円、返済日は毎月5日

 

D社(消費者金融) 残高は50万円、年利は年18%、毎月の返済額は12,642円、1ヵ月分の発生利息は7397円、返済日は毎月5日


1ヵ月分の発生利息の計算方法は「借金残高(円)×年利(%)÷365日×30日=1か月(30日)に発生する利息額(円)」となります。残高や年利がわからない場合はそれぞれの貸金業者や銀行に電話をすると教えてもらえます。

 

上記のように紙に書きだしてみると色々なことがわかってきます。1ヵ月分の返済額の合計がわかります。上記の例では1ヵ月分の返済額の合計は「92380円」となります。毎月最低でもこの金額は用意しないと返済は進まないことがわかります。今の返済を続けていけるのかどうかもこれが基準となります。

 

1ヵ月分の返済額の合計分は毎月用意できる場合は、自力で返済していく道となります。もしこの金額を用意できない場合は「支払い不能状態」に陥っていますから、弁護士や司法書士と相談して、債務整理をして、利息分もしくは元本の8割〜10割カットをしてもらい、借金を減額して返済していくことになります。債務整理については後で詳しく解説していきます。

 

今の返済を続けていける方は次は年利をチェックします。借金というのは元本が大きければ大きいほど発生利息は大きくなります。返済期間が長ければ長いほど発生利息は増えます。ですから、支払い総額を減らす意味でも早く完済する意味でも「繰り上げ返済」というのが重要になります。貸金業者が設けた返済計画通り返済していたら利息は膨大になりますし、いつまでたっても元本分は減っていきません。

 

家計簿を見直してお金を浮かせたり、ボーナスなどまとまったお金が入った時はどんどん繰り上げ返済をしていきます。繰り上げ返済する時は「年利が高い借金から順に」行います。上記の例ですとD社が年18%で一番年利が高いですからD社から優先的に繰り上げ返済をします。D社を完済したら次はC社(年15%)です。それも完済したらB社(年12%)→A社(年10%)となります。こうすれば効率的に返済できます。繰り上げ返済した分はそのまま元本から引かれることになります。返済日も把握できるので、いつまでのいくら用意しておかなければならないのかもわかります。

 

A毎月どこに大きくお金を使っているのか(大きな支出)を把握する
銀行のカードローンというのは、借りる側にある程度の収入や担保や職についていないと利用ができません。ようは収入は十分にある方が多いです。問題はお金の使い方です。借金返済の基本は「入ってくるお金(収入)を増やして、出ていくお金(支出)を減らす」ということです。すると自分に残るお金は増えますから、それをどんどん繰り上げ返済に回していきます。

 

収入は十分あるのに対して、支出面で問題があり、それが原因で銀行カードローン地獄に陥ってしまったケースがあります。たとえば以下の通りです。

  • ギャンブル(競馬競輪競艇パチンコスロットなど)
  • 浪費(買い物依存、異性関係、友人や後輩との飲み食い、アプリの課金、風俗など)
  • 投資(FXや株など)
  • 医療費(通院費、大きな病気)

まずは1ヵ月分の家計簿を出してみます。この時細かく数値を出す必要はなくざっくりと「食費は約3万円」「通信費は5千円」「交通費は1万5千円」といった具合にざっくり出してみます。その中で「大きな支出」に着目し、それを自覚して直していく必要があります。とにかく直すべきポイントは「大きな支出」です。細かな節約は不要です。それより数万円単位で出ていっているお金を突き止め、それをやめないと借金は減っていきません。家計簿は以下の通りです。

 

一度「出ていくお金(支出)」を見直してみるとよいです。

 

銀行カードローン地獄について

 

 

自力返済が難しい場合は債務整理をする

前述した通り、毎月の返済額の合計分を捻出できる方は大きな支出を減らしていくことで、返済の目途が立つことがあります。毎月の返済額の合計分を捻出できない、もしくはその返済を何年も続けていくことが困難なケースでは弁護士(司法書士)に債務整理の相談をするとよいです。債務整理には任意整理と個人再生と自己破産があります。

 

任意整理は弁護士が貸金業者(保証会社)の間に入って、個別交渉をすることでリーズナブルな返済計画を立て直してくれる手続きを言います。多くのケースで和解が成立したタイミングで利息は完全に停止(年0%になる)します。そして元本分を3年〜5年かけて分割返済していきます(取り立ては弁護士に依頼したタイミングで停止します)。

 

たとえば上記の4社で400万円の借金を任意整理した場合、以下のようになります。
・3年計画の場合、1か月の支払い額は約11.1万円で36回(36カ月)払いで完済
・4年計画の場合、1か月の支払い額は約8.3万円で48回(48カ月)払いで完済
・5年計画の場合、1か月の支払い額は約6.6万円で60回(60カ月)払いで完済

 

任意整理のメリットとして「和解が成立した時点で利息は発生しなくなる」ことと「弁護士や司法書士に依頼した時点で取り立ては止まる」ということです。手続き期間中(3ヵ月〜)は借金の返済はしなくてよいので、その間にもし携帯代や家賃代など生活に必要なお金を滞納している場合はそちらを支払います。弁護士費用もこの間にコツコツと分割返済をしていきます。和解が成立すると今の収入で十分返済していける返済計画が立っているので、あとはそれ通り毎月返済していきます。すべて払ったら完済です。

 

利息地獄や取り立て地獄から解放されるということです。今ある元本分を3年(36回払い)〜5年(60回払い)で返済できる方は任意整理が好ましいです。

 

銀行カードローンの任意整理については以下が詳しいです。
銀行カードローンを任意整理する時の2つの注意点とシミュレーション

 

任意整理ではカードローンを含む借金を解決できない場合は個人再生や自己破産が検討されます。

 

個人再生は裁判所を介して手続きで、借金を8割カットして、残りの2割を3年かけて分割返済する手続きとなります。個人再生では住宅ローン支払い中のマイホームは手元に残して手続きできますので、不動産を所有していたり、住宅ローン支払い中のマイホームを持っている方は資産を守りながら借金整理をすることができます。

 

自己破産は債務者の財産をすべて現金に換えて債権者に差し出す代わりにこれまでの借金を全額免除してもらう手続きです。当面生活に必要な99万円までの現金と生活に必要な財(テレビや冷蔵庫や洗濯機やエアコンやスマホやパソコンなど)は手元に残せますが、それ以外はすべて処分されます。

 

手元に不動産などまとまった財産がない方は自己破産となります。

 

支払い不能状態に陥っている方は一度弁護士や司法書士と相談してみるとよいです。印鑑と身分証明書(免許証や保険証など)と借金に関する書類(手元にあるものをできるだけ)持って弁護士事務所や司法書士事務所にいくと、相談にのってくれ、どの手続きが最適か見積りをだしてくれます。借金の返済に困っている方は気軽に専門家に相談するとよいです。

 

 

銀行カードローンを滞納している差し押さえされる?

銀行のカードローンを滞納していると以下のような流れで取り立てされることになります。

  1. 手紙が家に届く、電話が頻繁にかかってくる(滞納から1週間〜2週間)
  2. 内容証明郵便や自宅訪問をされる(滞納から1ヵ月〜)
  3. 信用情報機関に延滞情報が掲載される(滞納から3ヵ月)
  4. 給与や預金差し押さえされる可能性も(滞納から3ヵ月〜)

銀行はそれぞれ保証会社を設定しています。たとえば三菱UFJ銀行カードローンの保証会社はアコム株式会社となります。実際に銀行が取り立てをすることはなく、銀行のカードローンを滞納するとその保証会社が取り立てをすることとなります。三菱UFJ銀行カードローンを滞納するとアコムからの取り立てとなります。

 

滞納を続けていると家に手紙届いたり電話がかかってきたり内容証明郵便が届いたり自宅訪問されたりします。これらは債務者に圧力をかけるためのものです。法的拘束力はありません。内容証明郵便はただ単にこういった手紙を送りましたよ、と郵便局に証明させるためのものです。自宅訪問されることはありますが居留守にして構いません。3ヵ月の滞納でブラックリスト入りしてしまいます。

 

給与差し押さえですが、そう簡単にされるものではありません。給与差し押さえをするには「職場を特定していること」が必要になります。申し込み時の職場と今の職場が一致する方は職場を知られています。安定した給料があると判断されれば3ヵ月以上の滞納で給与差し押さえされる可能性があります。申し込み時の職場と今の職場が一致せず、銀行に職場を変えたことを知らせていない場合は相手は職場の特定をしようがないので、給与差し押さえされる可能性は少ないです。

 

給与差し押さえをするには簡易裁判所で裁判して判決を取る(債務名義を取る)必要があります。この時当然お知らせが家に届き、判決を取られる前に和解の申し出も可能です。もし給与差し押さえをされても、各期間ごとに支払われる給与の4分の1に相当する部分のみについて差押えが出来ることになっています。全額差し押さえできるわけではないのです。

 

裁判などの費用に対して回収できる額が少ないのです。ですから給与差し押さえというのは早期で簡単にされるものではありません。職場を特定されており、十分な給料が安定してあると判断されたケースではされる可能性がありますが、職を転々としているケースでは差し押さえされる可能性は低いと言えます。

 

職場を特定されており、給与差し押さえが不安な方は弁護士や司法書士に相談するとよいです。弁護士に依頼すると、代理人となって活動してくれ、差し押さえを予防することが可能です。

 

預金差し押さえについては、使っている銀行口座の残高が凍結相殺される可能性があります。たとえば三井住友銀行のカードローンを滞納している場合、三井住友銀行の口座は凍結となり相殺される可能性があります。預金はこまめに引き出しておくようにします。

 

もし借金を滞納しておりどうしようもない場合はすぐに弁護士や司法書士に相談するとよいです。弁護士(司法書士)に依頼するとすぐに弁護士は受任通知を各債権者に送ってくれます。受任通知は「今後この借金問題は代理人弁護士が引き受けます」と伝えるもので、受任通知を送られた債権者は取り立てができなくなります(貸金業21条1項9号)。ようは弁護士依頼してから和解が成立するまでの3カ月間〜7カ月間は借金返済はしなくてよいので、その間にもし払えていない家賃や公共料金の滞納分があればそれを支払ったり弁護士費用を分割返済したりして生活の建て直しをします。

 

手続き中は弁護士(司法書士)が代理人として減額交渉をしてくれ、今の収入で支払っていける額まで借金の減額や返済期間の延長をしてくれます。和解が成立すると「無理のない返済計画」が立っていますから、あとはそれ通り3年〜5年かけて分割返済します。すべて払い終えたら完済となります。

 

いま完全に支払い不能状態に陥っている方は専門家に相談するのがよいです。