自己破産をすると財産はどうなる?

自己破産をすると財産はすべて取り上げられる?

自己破産した場合、財産はどうなる?

自己破産とは、債務者の財産をすべて債権者への支払いの原資として差し出す代わりに、これまでの一切の借金を免除してもらう制度です。

 

自己破産をすると原則、破産者が所有しているすべての財産は処分されます。ですが、生活に必要な財まで失うと生活ができませんので、99万円までの財産と生活に必要な財(携帯電話、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、ベッド、パソコン、掃除機、調理用具、食器棚、食卓セット、タンスなど)は手元に残すことができます(破産法 第34条)。

 

ただし、中には売却してもお金にならない財があります。それぞれの財で基準額が設定されており、その額より上回ったら売却されるという決まりになっています。売却してもまとまったお金にならない財は手元に残ることになります。

 

土地や家、車などはわかりやすい財産ですが、それ以外も「退職金」「保険」なども場合によっては財産とみなされることがあります。

 

では具体的に「どのようなものが財産とみなされ処分されるのか」「どのような財産は手元に残すことができるのか」説明していきます。

 

具体的な財産の処分

いくらまでなら手元に残せる?

現金(手元にあるお金)や預金や不動産や自動車や保険の返戻金などの財産をすべて含めて99万円まででしたら手元に残すことができます。例えば、現金(財布の中にあるお金)が5万円あり、預金(銀行の預けているお金)が30万円あり、保険の返戻金が20万円の財産を所有している場合、財産の合計は55万円となります。このケースではすべて含めて99万円以下ですからすべて手元に残すことができます。

 

もう一つ例をあげると、現金が10万円あり、預金が70万円あり、自動車を所有しており(売却して30万円の価値になった)、保険の返戻金が20万円あるケースでは債務者の所有している財産の合計は130万円となります。このケースでは99万円を手元に残すことができ、31万円は裁判所に回収されることになります。

 

このように自己破産しても当面の生活に困らないために財産の99万円までなら手元に残せるということになります。

 

財産として認められるのは主に以下です。

 

@現金
現金とは手元に今持っているお金となります。

 

A預金
銀行口座に預けているお金となります。
ここでいう預金額とは「破産者が所有しているすべての口座の残高の合計」です。
たとえば、A銀行に8万、B銀行に4万、C銀行に9万預金しているケースでは、預金額の合計は21万円となります。

 

※「現金」と「預金」の違いについて。現金はあなたが現に手元に持っているお金です。預金はあなたが銀行に預けているお金です。現金と預金は明確に区別され、計算されるので注意が必要です。

 

B不動産(土地・家)
基本的、破産者名義の不動産は失うことになります。
不動産は原則、競売か任意売却で現金化され、債権者に配当されます。ただし、競売にかけても値段のつかない不動産やオーバーローン状態(不動産価値よりもローン残高の方が大きい状態)の不動産については手元に残すことになります。このケースでは売却してもお金にならないため、競売や任意売却にかけられることはありません。
手元に残ります。

 

※オーバーローンとは正確には残っている住宅ローンに対して持っている物件の価値が低い状態です。住宅購入時に住宅の担保とされる借金の総額が、現在の住宅の換金価値の1.5倍以上となっていた場合がオーバーローンに該当します。

 

C自動車
自動車は売却しても20万円以下にしかならないと見積もられれば、手元に残ります。新車価格が300万円未満で登録年度から7年以上経過している車でも手元に残ることになります。

 

評価額(査定額)が20万円以上の車を所有しているケースでは、資産とみなされ売却されます。

 

Dバイク
バイクも移自動車と同様に査定額が20万円以下でしたら手元に残すことができます。査定額が20万円以上なら換金され裁判所に差し出すことになります。

 

E退職金
退職金は「すでに退職金を受け取っている場合」と「まだ退職金を受け取っていない場合」とがあります。

 

「すでに退職金を受け取っている場合」は、すでに現金化されているので、「現金」や「預金」という扱いになります。

 

「まだ受け取っていない場合」は、「現段階であなたが支給される退職金の見込み額」の8分の1の額が20万を超える場合には、その8分の1金額について、裁判所にその金額を支払わなければいけないということになっています。
退職金の見込み額は会社に「退職金計算書」を請求すればわかります。
この8分の1の退職金見込み額は、会社から請求すれば、自己破産したことが会社に知られてしまいますし、一括で用意するのは困難です。
多くのケースで、会社に勤務しながら、退職したとしたら手に入る金額の8分の1になるまで、毎月の給料から分割払いして、裁判所に支払います。
これについてはあくまで「退職金の見込み額の1/8」の金額分を裁判所に分割返済しないといけないという話です。退職金が受け取れないわけではありません。問題なく受け取れます。会社に破産をしたことが知られることもありません。

 

F生命保険
生命保険には「掛け捨て型」と「積立型」があります。
「掛け捨て型」は解約する必要はありません。「積立型」は、解約変戻金が20万円以上になるケースには財産とみなされますから、解約させられ、債権者に配当されます。
解約変戻金が20万円以下のケースは解約する必要はありません。

 

G学資保険
学資保険は、解約返戻金が20万円を超えた場合は財産とみなされ、解約させられます。
解約返戻金が20万円以下の場合には、解約されずにそのまま手元に残せます。

 

 

自己破産をしても支払わなければいけない借金

非免責債権と呼ばれる、自己破産をしても免除されず、支払わなければいけない借金があります。国民健康保険や税金など公的な借金の支払いは免除されません。非免責債権(破産法253条1項)は以下の通りです。

 

・税金、国民健康保険料、年金
・破産者が悪意を持って行った不法行為に基づく損害賠償
・破産者の故意、または重大な過失による人の生命、身体を害する不法行為に基づく損害賠償
・婚姻費用や養育費

 

民間の借金は差し押さえをするのにも債務名義が必要で簡単に差し押さえできるものではないですし、債務整理によってその借金は減額することができます。一方税金というのは債務整理をしても滞納分が消えることはありません。税金については債務者に財産があると判断するとその取り立ては容赦しません。市役所は債務名義を取らなくても差し押さえをすることができます。もし多重債務をしているケースでは優先的に支払っていかなければいけないお金があります。税金については民間の借金より先に相談して分割でも支払っていく必要があります。

 

自己破産をすると家族の財産はどうなる?

自己破産は手続きを行った本人にのみ適用されます。自己破産を行うと、99万円までの財産と生活必需品を除いては、手続きをした本人の財産をすべて売却し、債権者に配当します。
借金問題は債権者(貸した人)と債務者(借りた人)と保証人(肩代わりする人)の3者だけの契約です。
家族が保証人でない限り、家族の財産は全く影響を受けません家族の財産は守られます。
もし父親に多額の借金があり、亡くなったケースでも、子供はマイナスの財産は相続放棄が可能です。

 

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