システム開発の事業に失敗し1000万の借金を自己破産【体験談】
システム開発の個人事業主として自己破産
・性別:男性
・債務整理の方法:自己破産
・借金の原因:事業に失敗
・借金の状況:銀行から約1000万円
・毎月の返済額:8万6千円
・自己破産後の借金:0円
・自己破産の手続き期間:3カ月
・弁護士費用:40万円
自己破産前
私はシステム開発の個人事業主として自己破産をしたことがあります。
私は、ふだんはフリーのシステムエンジニアとして活動していましたが、あるとき何度か仕事を受注したことのあるシステム開発会社から、顧客管理システムの開発を受託することができました。
受注金額が1300万円と大きな額でしたが、納期が3ヶ月でしたので、私が複数名のフリーのシステムエンジニアにシステム開発を委託する形をとりました。
私には手元資金がありませんでしたので、彼らに支払う報酬を確保するために、銀行から600万円を借り入れました。
そして、予定通り3ヶ月後に納品しようとしたのですが、先方から経営状態が悪化してしまい私に発注した金額を支払えないと通知されてしまいました。
顧客管理システムの納品を拒否されてしまったのです。それから弁護士をたてて債権回収を試みましたが、私自身の資金繰りが厳しい状況に陥ってしまいました。
この時点で、私は地元の銀行1社から金利12%で、600万円を借りており、借入期間が10年間ですから総借金額は約1034万円となっていました。
そして、毎月の支払額は約8万6千円となっており、売上債権を回収できない状況が続くなかで、胃の痛い日々が続きました。
毎日のように相手先の社長に電話をかけましたが、出てもらえなくなり、相手の会社は倒産してしまいました。私は、もはやお終いだと思うようになってしまいました。
自己破産中
売上債権を回収できない状況で、私自身も銀行に対して毎月の約8万6千円の返済を続けることが難しい状況となってしまいました。そして、地元の弁護士会館に相談に出向いて自己破産をしたいと相談したところ、債務整理を専門としている法律事務所を紹介していただきました。
弁護士の先生からは、借金総額が約1000万円で自己破産をするのは、もったいないような気がすると言われましたが、私には返済能力がありませんでしたので他に選択肢はありませんでした。
そこで、弁護士と自己破産の手続きを委任する旨の契約書を締結し、委任状を提出しました。すると、ただちに弁護士から銀行へ受任通知を送付していただき、銀行から私への支払い督促は中止されました。
それから、債権者一覧表や私自身の資産目録、裁判所への陳述書、事業に関する陳述書、家計全体の状況といった書類を作成して、地方裁判所へ自己破産の申し立てを行いました。
そして、審尋が実施されたうえで免責が決定されました。自己破産の申し立てをしてから、免責の決定が出されるまで約3ヶ月かかりました。
この自己破産手続きに関する費用としては、弁護士に着手金が20万円、報酬として20万円の合計40万円を支払いました。
自己破産後
自己破産をした結果、借金はなくなりました。そのかわり、資産と呼べるものは何もかも失いました。自己破産してからは、築年数が30年の古い中古マンションに引っ越しました。
家賃は5万円ですので、これだけでかなり節約になります。また、自己破産をしてから、弁護士からは「あなたはブラックリストに名前が掲載されましたから、最低でも5年間は金融機関からお金を借りることはできません」と言われてしまいました。
住宅ローンや車のローンはもちろんのこと、クレジットカードも利用できないと言われてしまいました。
実際、一度クレジットカードを利用しようとしたことがあったのですが、レジでエラー表示が出てしまい、店員から白い目で見られて恥をかきました。
しかし、自己破産をしても知人や友人、同じシステム開発業界の同業者には知られることはないので、いまもフリーランスのシステムエンジニアとして細々と仕事を続けることはできています。