公務員の自己破産について

公務員は自己破産できる?公務員は仕事辞めないといけない?

借金を法律で解決するための方法として「自己破産」があります。そもそも公務員の方でも自己破産できるのかですが、公務員の方でも、自己破産をすることは可能です。自己破産とは借金をしてしまった人を救済するための制度であり、その人の職業などは関係がありません。このため、公務員の方で借金を背負ってしまい、返済が難しくなってしまったケースでは、自己破産の申し立てをすることは可能です。

 

今回は公務員の方が自己破産をした時の影響について解説していきます。公務員が自己破産をした場合の影響について以下の5点をまとめています。参考にしてみてください。

  • そもそも公務員が自己破産をしたらクビとなるのか?
  • 自己破産の職業資格制限に要注意
  • 公務員が自己破産をすると上司に自己破産をしたことが知られるのか?
  • 懲戒の対象となる?
  • 公務員が自己破産すると退職金は受け取れないのか?

そもそも公務員が自己破産をしたらクビとなるのか?

一般的な国家公務員や地方公務員については、破産者であることを欠格条項としていませんので、自己破産をしたからといって仕事がクビになることはありません。自己破産をしたからといって公務員では仕事をクビにできません。公務員が解雇されるのは以下の5点に該当する時のみとなります。根拠は以下の通りとなります。

 

国家公務員法の第38条の欠格条項について

次の各号のいずれかに該当する者は、人事院規則の定める場合を除くほか、官職に就く能力を有しない。

一 成年被後見人又は被保佐人
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終るまで又は執行を受けることがなくなるまでの者
三 懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
四 人事院の人事官又は事務総長の職にあつて、第百九条から第百十二条までに規定する罪を犯し刑に処せられた者
五 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者

 

引用:国家公務員法(http://www.houko.com/00/01/S22/120.HTM

 

地方公務員法の第16条の欠格条項について

次の各号の一に該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。

一 成年被後見人又は被保佐人
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
三 当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
四 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあつて、第五章に規定する罪を犯し刑に処せられた者
五 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者

 

引用:地方公務員法(http://www.houko.com/00/01/S25/261.HTM

 

自己破産の職業資格制限に要注意

自己破産には職業資格制限が設けられており、たとえばお金を扱う職業や資産に携わる仕事など一部の職業の方は制限を受けることになります。その制限とは自己破産の手続き期間中(免責許可がされるまでの2ヵ月〜3ヵ月程度)はその職に就くことができないのです。

 

自己破産をするとこの期間は職場に理由を説明して休ませてもらわないといけません。とても大きな影響があると言えます。公務員の中で職業資格制限を受けるのは以下の役職となります。

 

公務員 法令
公証人 公証人法第14条2
人事院の人事官 国家公務員法第5条3、第8条1
都道府県公安委員会 警察法39条2の1
公正取引委員会 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第31条1
教育委員会 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条3

上記に該当する方は自己破産の職業資格制限を受けてしまいます。これを回避する方法として個人再生で代用するという方法があります。職業資格制限を受けるのは公務員の方のごく限られた役職の方だけで、役場勤めや先生や警察消防など一般的な地方公務員の方は制限を受けません。

 

公務員が自己破産をすると上司に自己破産をしたことが知られるのか?

これについてはハッキリとした答えを出すことはできず「官報から職場の一部に知られてしまう可能性は0ではない」という答えしか出せません。
一般的に金融機関や保険会社や公的な組織(市役所など)は、官報を絶えずチェックしていると言われています。お金に関わる仕事や公的な仕事は信用の面が重視されるので、その点をチェックするのです。

 

自己破産をしても弁護士や裁判所から職場に連絡がいくことは一切ありません。そこから知られることはないのですが、官報と呼ばれる政府の広告紙に判決が掲載されることになります。
この官報は複雑な手続きをすると有料検索をすることができるのです。

 

一般的に官報のチェックがされるのは就職活動の時です。信用チェックのために官報を人事などが確認します。既に働いている方の名前をそこで1人1人検索してチェックしていくというのは考えられません。前述した通り自己破産をしたからといって公務員は解雇にはできないからです。

 

可能性は0ではないのですが、公務員の方を1人1人全員氏名検索して官報チェックすることは考えにくいです。解雇にはなりませんし、後から説明する懲戒処分の対象にもならないため、官報から破産をした事実を突き止めても意味がありません。

 

もし官報の検索をされて自己破産が知られたケースでも職場のどこまでの人間に知られるかはわかりません。都道府県でもそれぞれ役所の形態は違うと思います。それを働いている全員に伝えることはないのかなと思います。これについては公的機関の内部の話となるのでハッキリとしたことは言えません。

 

 

公務員が自己破産すると懲戒の対象となる?

公務員が自己破産をした場合に、それが原因で解雇されることはないにしても、何かの懲戒処分を受けるということがあるでしょうか?

 

公務員の「信用失墜行為」に関することです。公務員はその信用を失墜する行為をした場合にはこのような処分がされることがあります。しかし自己破産をしたということと職務とは無関係でですし、そのことが世間を騒がせることに繋がりません。

 

そもそも自己破産をしたことが知人友人に知られることはなく、官報も一般の方がタッチできる情報ではありません。ですから、たとえばギャンブル等で自己破産になった場合でも、それが原因で懲戒処分がされるということはないと言えます。このように公務員の方々の自己破産の処理というのも特に問題なくできます。

 

公務員が自己破産すると退職金は受け取れないのか?

公務員には必ず退職金があり、高額に設定されているケースが多いです。他の職種の破産者に比べてその点が特徴です。退職金の見込み額というのが市役所の担当課に行けば書面で貰うことができます。

 

この「退職金見込額証明書」ですが、たとえば親の保証人になるとかローンの申し込みので与信審査のためとか将来のために知っておきたいなどの説明で怪しまれず問題なく貰うことができます。その見込み額につきまして8分の1については裁判所に財産として差し出さなければいけません。公務員は退職金が高額なため、この8分の1が通常に比べて高額になるということが多くあります。

 

退職金が高額の場合、一括で支払えないという場合には破産管財人と相談して、月々の分割、ボーナス時にはボーナスの加算ということで、通常一年以内程度の分割金を設定して退職金見込み額の8分の1の額を裁判所に差し出すということになります。

 

もっとも、金額がかなりの高額で分割金が2年、3年等になってしまうといったような場合には、裁判所はその全額を必ずしも差し出すということではなくて、ある程度のところで区切って積み立てをさせるというのが現状の扱いです。通常一年を超えるというところまではなかなか設定しないです。個々のケースにもよりますが退職金に関してはそのような手続きがされることが多いです。

 

ちなみに、当然自己破産手続きを開始する時点で退職金が貰えるわけではありませんから、現時点での退職金の見込み額の8分の1の金額を裁判所に支払うということです。これは一括で支払う必要はありません。分割支払いが認められています。

 

たとえば退職金の見込み額がわかりやすく800万円だった場合、その1/8ですから、100万円を裁判所に支払います。当然急に用意できるお金ではありませんから、この100万円を裁判所と相談して、分割で支払っていくということです。

 

これはあくまで現時点での退職金の見込み額の何割かを債権者(お金を貸した側)に支払う、という話です。自己破産をしても退職金は問題なく受け取ることができます。

 

公務員が自己破産をすると知人友人に知られる?

自己破産をすると官報に名前が掲載されます。ただし官報の内容が見れるのは「直近30日までは無料でインターネットで検索できる」「過去さかのぼって検索する場合は月額2千円弱の有料サービスに入る必要がある」「官報を毎日お金を払って販売所で購入して、毎日チェックする」という3つの方法しかありません。

 

毎日官報を購入している人なんているとは思えません。同様に毎日無料の官報検索をしている人もいるとは思えません。官報自体マイナーなものなので。過去にさかのぼって氏名検索する場合は有料サービスに登録しないといけません。知人友人に知られることはありません。

 

公務員と自己破産まとめ

公務員でも自己破産は可能です。公的な機関は官報を定期的にチェックしている可能性があり、場合によっては官報から自己破産をしたことが職場の一部の人間に知られる可能性があります。ただし知られたとしても公務員でクビになることはありませんし、懲戒の対象になるとも考えられません。

 

退職金については自己破産をしても問題なく全額受け取ることができます。ただし自己破産をした時点での退職金の見込み額の1/8の額を裁判所に支払う必要があります。この支払った額は債権者に充てられます。この支払いは分割払いが可能ですので、すぐに一括で用意しなければいけないお金ではありません。

 

職場の上の人間に知られる可能性は0ではありませんが、その他友人や知人に自己破産をしたことが知られることはありません。

 

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