自己破産をすると戸籍や住民票に記録が残る?

自己破産をすると戸籍や住民票に記録が残る?

戸籍や住民票について

自己破産という言葉そのものは知らない人のほうが珍しいくらいですが、その目的やデメリットについて、正しく理解している人は決して多くはありません。職場にバレてクビになる、生涯ローンを組めない、関係ない家族や友人に迷惑がかかるなど、間違った知識を持っている人は少なくありません。

 

そんな自己破産の間違った知識の中で、特に多いのが、戸籍や住民票に記録が残るという勘違いです。戸籍に記載されれば自身や自身の子供の結婚に影響するのではないか、と心配になるのは無理もありません。

 

自己破産をしたからといって、戸籍や住民票にその記録が残ることはありません。市町村によってその運用に違いがあるなどということもありませんので、こうした心配は一切無用です。

 

自己破産をすると手続きの3カ月〜4カ月の間破産者名簿に名前が載る

しかし、記録が一切残らないかと言えば、そういうわけではありません。具体的には破産者名簿と官報にその記録が残ります。間違った知識を持っている人は、この聞き慣れない破産者名簿、官報という言葉を知らないため、勝手に住民票や戸籍に記載されると勘違いしてしまったのでしょう。

 

では、破産者名簿と官報について詳しくみていきましょう。

 

破産者名簿とは、市区町村が管理しているもので、裁判所に自己破産の申し立てがされてから免責がおりるまでの短期間(3カ月〜4カ月の間)に記載されるに過ぎません。もちろん他人が勝手に見ることはできませんし、見ることができるのは役所の人間に限られています。

 

もしも役所に知り合いがいる(しかも破産者名簿の取扱いをしている部署で働いている)、というなら心配の一つにはなるかもしれませんが、そんな人は滅多にいないでしょう。仮に役所の戸籍係に自己破産を知られたくない知り合いがいたとしても、役所の職員には守秘義務がありますので、それ以上に広がることはありません。記載されるのは短期間であり、破産者名簿への記載は神経質になる必要はないでしょう。

 

 

 

自己破産をすると官報には名前が載る

官報とは、国が発行している広報誌のことで、ここには自己破産者の住所、氏名、破産申請をした日時や裁判所の名前などが記載されます。

 

広報誌ですので誰でも見ることができますが、おそらく一般の人で官報を見ている人はほとんどいないでしょう。それどころかその存在さえも知らない人が多いはずです。官報は各都道府県ごとに1〜3ヵ所ほどある官報販売店で1部あたり140円で購入ができます。自己破産をして官報に載るタイミングは手続き期間中の3回だけです。その3回を知りあいが官報を購入してピンポイントで発見するとは思えないです。あとは直近30日分でしたらインターネットから無料氏名検索ができます。過去さかのぼって氏名検索する場合は複雑な手続きを経て、月額2千円弱支払わないと行えます。

 

このようにそもそも官報という名前自体マイナーですし、一般の方が知る手段が少ないため、知り合いや職場の人に見られる可能性はほとんどないと思って良いでしょう。

 

自己破産をすると官報に載る?官報のデメリットと閲覧方法

 

記録が残るのは一般の人がまず見ることがない官報と破産者名簿(破産者名簿は一般の方は完全に閲覧不可能)だけですから、自己破産が会社にバレたり、知り合いに知られたりする可能性は限りなくゼロに近いでしょう。

 

もちろん100%ないとは言い切れませんが、ゼロに近い可能性を恐れて借金を膨らませ続けるよりは、早く自己破産をして人生を出直したほうがずっと良い結果が得られるはずです。会社に知られて退職を余儀なくされる、などという心配は無用です。

 

それよりも心配すべきなのは、官報から破産者の情報を得て、強引にお金を貸そうとする悪徳金融業者です。悪徳業者は官報を利用チェックし、カモにする相手を探しています。自己破産をすると数年はローンを組むことも、借入をすることもできなくなりますので、こうした業者の甘い罠に引っかかってしまう人が少なくありません。

 

確かにどこからもお金を借りることができない、ローンも組めないという生活の中で、お金を貸してくれるという業者が現れれば、救いの神のように思えるかもしれません。しかし、もちろん彼らは救いの神などではなく、他人の弱みにつけこんで暴利をむさぼろうとする悪魔です。絶対に手を出してはいけません。

 

ローンが組めない、借入ができない、というのは、借金が当たり前になっていた破産者にとっては辛いことかもしれませんが、自己破産によって借金はすべて消えているはずです。二度と借金はしない、というくらいの気持ちで第二の人生をやり直してください。

 

 

 

戸籍や住民票以外の自己破産に関する誤解一覧

・自己破産をすると就職、転職に不利になる
→そんなことはありません。殆どの企業は官報をチェックしませんので、就職や転職に支障がでることはありません。

 

・自己破産をすると妻や子供など家族にも悪い影響がある
→そんなことはありません。借金は債権者(貸した人)と債務者(借りた人)と連帯保証人(もしものために保証する人)の3者だけの契約です。現代の借金の殆どは保証会社が肩代わりするシステムになっており連帯保証人がついていることは稀です。配偶者や家族は全く影響を与えません。

 

・自己破産をすると仕事がクビになる
→自己破産が理由でクビにすることは禁止されています。自己破産の事実を知られる可能性があるとしたら官報からだけです。官報は一般人が目にする機会は殆どないので、知られることはないです。

 

・自己破産をしたら選挙権はなくなる
→なくなりません。

 

自己破産と戸籍と住民票まとめ

・自己破産をしても戸籍や住民票には載らない

 

・自己破産をすると申し立てから免責がおりるまでの3カ月〜4カ月程度、破産者名簿に載るが、免責決定されたらその情報は消える

 

・破産者名簿は一般人の人が見ることはできない

 

・自己破産をすると官報と呼ばれる国の広告誌には載るが、官報を一般人が見る機会はほとんどない

 

 

 

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