自己破産と銀行口座について

自己破産をすると銀行口座は凍結される?

口座を保有している銀行に借金がある状態で自己破産をすると、その借金のある銀行の口座が凍結され一定期間銀行口座が使えなくなります。さらに銀行の借金と銀行の預金が強制的に相殺されて、口座残高がゼロになります。

 

弁護士に自己破産を依頼するとすぐに弁護士は各債権者に受任通知が送られます。受任通知は「今後は代理人弁護士がこの借金問題を引き受けます」という通知ですが、この受任通知が送られた時点で銀行は口座凍結をします。

 

銀行はその後、債務の回収を保証会社に委託することになります。保証会社に代位弁済がなされた時点で凍結は解除となります。この期間は一般的に2ヵ月程度です。ようは受任通知が送られてから2カ月間は借金先の銀行口座は凍結、相殺となってしまうのです。ただしあくまで凍結をするのは借金をしている銀行の口座のみとなります。凍結が解除された後は自由にその銀行口座は利用ができます。

 

具体例を出すと、例えば以下の3つから借金をしていて、それを自己破産したとします。

  • みずほ銀行のカードローン
  • プロミス(グループ会社は三井住友銀行)
  • アイフル(グループ会社はなし)

このケースでは「みずほ銀行の銀行口座」と「三井住友銀行の銀行口座」の2つが凍結、相殺となります。注意点としては大手の消費者金融は都市銀行とグループ経営していることが多く、そういったケースでは、その関連の銀行口座も凍結となってしまうのです。プロミスは三井住友銀行とグループ経営していますから、プロミスからの借金を自己破産すると、三井住友銀行の口座が凍結相殺となります。

 

主要な大手消費者金融と銀行グループの関係は以下の通りです。消費者金融からの借金を自己破産する場合は、その消費者金融とグループ経営している銀行はどこか確認しておく必要があります。

 

大手消費者金融 銀行グループ
プロミス 三井住友フィナンシャルグループ
アコム 三菱UFJフィナンシャルグループ
SMBCモビット 三井住友銀行グループ
レイクアルサ 新生銀行グループ
ノーローン 新生銀行グループ
アイフル なし

 

弁護士に依頼したケースでは予め担当の弁護士から「〇〇銀行の預金通帳に残高がある場合は予めお金を引き出しておいてくださいね」と指示があるので、その指示通り凍結、相殺される前にお金を引き出しておくようにします。

 

たとえば以下のケースがあります

  • 公共料金や定期引き落としとして使っている場合は、支払いを別の口座に変更しておく
  • 給料や年金や各種手当の振込先に指定している場合は予め別の銀行口座に変更しておく

自己破産をしたら新規の銀行口座の開設はできるのかですが、問題なく開設できます。自己破産をすると信用情報機関に事故情報(ブラックリスト)が載ったり、官報に氏名掲載されますが、それと口座を開設できるかどうかは別の話です。

 

口座を開設するのに信用情報は一切タッチしません。自己破産をしていても問題なく新規の銀行口座を開設することができます。その点は安心です。

 

自己破産と銀行口座まとめ

自己破産をすると、破産者にお金を貸している銀行の口座に限っては、凍結されることがあります。そうなると、その銀行の口座は、自己破産の手続きが終わるか、あるいは保証会社が代位弁済をしてくれるまで、使うことが出来ません。

 

しばらく口座が凍結されるだけならたいした問題ではありませんが、この時、凍結前に入っていたお金が、銀行の借金と相殺されてなくなってしまうことがあります。

 

そうなると、そのお金を取り戻すことが二度と出来なくなってしまうので、自己破産をするならその前に、凍結されそうな口座からお金を引き出しておくことをお勧めします。また、口座を凍結されても、他の銀行に口座を開設することは出来ますので、口座が凍結されて不便なら、新しく別の銀行に口座を作るとよいでしょう。