奨学金は任意整理できる?

奨学金が返済できない場合、任意整理で解決できる?

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金が払えなくなった時、任意整理で解決できるのか解説していきます。

 

結論から言うと奨学金単体での任意整理はできません。できませんというより弁護士費用に対しての効果が見込めないのでやる意味がありません。ただし奨学金以外に借金をしている(多重債務)をしている場合は任意整理は有効になります。

 

日本学生支援機構の奨学金は主に第一種(利息年0%)と第二種(利息年1%程度、年3%が限度)があります。利息自体はとても低く設定されています。返済額は総額にもよるのですが、最大20年間での分割返済が認めれています。たとえば400万円の奨学金がある場合、毎月1万8千円弱を20年間かけて返済することになります。

 

任意整理では将来利息をカットして(年0%になる)、元本分を3年〜5年かけて分割返済する手続きとなります。奨学金の利息は高くても年1%程度となります。さらに20年での分割返済が可能です。ですから任意整理の効果が見出せません。任意整理をするにも費用がかかり1社あたり5万円〜6万円程度かかります。費用に対しての効果はありません。

 

さらに奨学金は返済期間の猶予も認められています。猶予提出をしたらその1年間は返済の必要がなくなります。その1年間は利息は完全にストップします。審査が通れば、最大で10年返還を延長できます。収入が安定しなかったり、病気やリストラにあった場合、日本学生支援機構のHPから猶予手続きを行うことで、その申請した期間は奨学金の返済は完全ストップします。

 

たとえば急なリストラにあい、収入が完全になくなった場合、返済期間の猶予を1年間申請すると、その指定した1年間は奨学金の返済はしなくてもよくなります。
※減額返還制度も利用できます。

 

猶予手続きには直帰3カ月の給与明細が必要です。または1年間の源泉徴収票が必要ですが、その収入が明らかに少ないケースは、審査に通ります。経済的状況を説明する欄に現状をしっかり記入し、支払いが一旦できないことを記入すれば、問題なく審査に通ります。

 

奨学金は低利息です。さらに支払い期限も長く設定されており、利息も殆ど発生しません。もし返済困難になった場合の救済処置も用意されています。このように支払い環境が整っているため、奨学金単体では任意整理をしても効果はありませんし、手続きをする意味がありません。多くのケースで奨学金の返済はそのままで、奨学金以外の借金を任意整理することで、毎月の返済額を調整して完済の目途が立つ返済計画を立てる、という形になると思います。

 

日本学生支援機構の奨学金返還相談センター(月曜〜金曜 8時30分〜20時00分)
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan/info.html

 

奨学金単体の返済については以下のコンテンツでまとめているので参考にしてみてください。
私が約390万の奨学金を3年で完済した方法【返済できない方へ】

 

奨学金を滞納するとどうなる?

滞納から3ヵ月で信用情報機関に事故情報が載ることになります。いわゆるブラックリストと呼ばれるもので、新しい借入の時やカードを作る時やローンの審査の時にその情報が照合されるので、審査に通らなくなります。車のローンや住宅ローンにも影響するので、必ず返済できない時は猶予届けを出すようにします。

 

延滞から9ヵ月で一括返済を求められます。連帯保証人にも一括で返済が求められます。その後は職場を特定されている場合は強制執行を起こされ、郵便物が届きます。その郵便物も無視していると最終的に職場に連絡が入り給与差し押さえされます。

 

一般猶予の方法について

一般猶予の方法ですが、日本学生支援機構のHPで「奨学金返還期限猶予願&チェックシート」をダウンロードできるので、それを記入します。わからない場合はすべて奨学金返還相談センターで対応してくれるので一度電話をしてみるとよいです。もしくはセンターに電話をすると「奨学金返還期限猶予願&チェックシート」を家に郵送で送ってくれます。

 

手元に猶予願が用意できたら記入例を見ながら記入します。添付の書類ですが、以下のものが必要になります。それを同封して学生支援機構まで郵送します。すると数週間後〜1ヵ月後に郵便物が届き、そこに結果が書いてあります。猶予が認められた場合はその月から1年間は口座引き落としはされなくなります。

●病気で働くことが困難な場合

2ヶ月以内に発行した「就労困難の記載がある診断書」が必要です。最寄りの病院で発行してもらいましょう。

 

●失業中の場合

  • 雇用保険受給資格者証(求職活動記録面含む)のコピー
  • 雇用保険被保険者離職票のコピー
  • 失業者退職手当受給資格証のコピー
  • 雇用保険被保険者資格喪失確認通知書のコピー(喪失理由が離職で、離職年月日が確認できる場合に限る)

上記のいずれか1つが必要になります。これらの証明書はハローワークに申請することで受け取ることができます。もしこれらの証明書の取得が困難な場合は、退職した勤務先に「退職証明書のコピー」や「健康保険厚生年金保険資格取得(喪失)証明書のコピー」を貰えるよう申請してください。

 

●経済的に困窮している場合
給与所得者は年間収入300万円以下、給与所得者以外は年間所得200万円以下が承認の基準です。

  • 所得証明書
  • 市県民税(所得・課税)証明書
  • 住民税非課税証明書

上記のいずれかが1つに加え

  • 最新の源泉徴収票コピー
  • 直近連続3か月分の給与明細コピー
  • 最新の確定申告書(第一表)の控のコピー

上記のいずれか1つをあわせた2つの書類が必要になります。
引用:https://saimuseiri-pro.com/columns/10/

 

 

奨学金に加えてほかにも借金があるケース

たとえば奨学金の他にも借金(消費者金融やクレジットカードやカードローン)をしているケースでは任意整理が有効になるケースがあります。多重債務をしているケースでの返済方法は以下の3通りです。

 

  • 奨学金は一旦猶予届けを出して返済を止め、その間に他の利息の高い借金を優先的に返済していく
  • 奨学金以外の借金を任意整理し、奨学金の返済はそのまま支払い、それに加えて任意整理をした借金を3年〜5年かけて分割返済していく
  • 自己破産をして借金を全額免除にする

 

・奨学金は一旦猶予届けを出して返済を止め、その間に他の利息の高い借金を優先的に返済していく
年間の収入が300万円以下(自営業は200万円以下)の場合は猶予届けを出して返済を一旦ストップすることができます。それ以外にも現在無職など一時的に収入がない方や病気で働けない方でも利用できる可能性があります。まずは奨学金返還相談センターに電話をして猶予が可能かどうか確認してみるとよいです。

 

猶予ができる場合は返済期間の猶予の手続きをして奨学金の返済を止めます。止めている期間に奨学金以外の借金を返済していきます。ポイントは収入を増やして無駄な支出を減らして、生活の改善を図ることです。そうすると借金に回せるお金は増えていきます。

 

ダブルワークをしたり飲みの回数を減らしたら高価な買い物をやめたりなど節約をします。利息(年利)が高い借金から優先的に繰り上げ返済をしていくとよいです。奨学金の返済分も毎月浮くと思うので利息が高い借金を優先的に繰り上げ返済をしていきます。そうやって奨学金の返済を止めている間にガンガン返済をしていきます。

 

・奨学金以外の借金を任意整理し、奨学金の返済はそのまま支払い、それに加えて任意整理をした借金を3年〜5年かけて分割返済していく
これは奨学金以外の借金を任意整理する方法です。

 

たとえば消費者金融やカードの借金は年15%〜18%と高く設定されています。銀行のカードローンでも年8%〜14%と高く設定されています。これらの借金を任意整理します。任意整理では代理人弁護士や司法書士が交渉をしてくれ、返済可能な額まで減額を図ってくれます。多くのケースで将来利息はカット(年0%)になります。それを3年〜5年かけて分割返済していきます。

 

ようは利息を止めて、毎月返済可能な額まで返済計画を調整してくれるのです。それは勿論奨学金の返済を含めた返済計画となります。弁護士や司法書士に依頼するとそういった計画を立ててくれ、それぞれ交渉して減額を図ってくれます。そういった形で奨学金以外の借金を任意整理するのも1つの手です。

 

・自己破産をして借金を全額免除にする
もし奨学金以外の借金の任意整理では到底解決できない場合(借金が膨れ上がりすぎて返済が追いつかない)は自己破産という方法もあります。自己破産は奨学金も対象に入ります。債務者の持っている財産をすべてお金に換えて債権者に分配する代わりに、すべての借金を全額免除にしてもらう手続きとなります。

 

奨学金を自己破産する場合、問題となるのが連帯保証人のことです。奨学金には「機関保証」と「人的保証」があります。申し込み時に必ずどちらか選択したはずです。まずはその点をしっかり把握する必要があります。奨学金返還相談センターに電話をすれば教えてもらえます。

 

自己破産した場合、債務者が払えなかった分の借金はすべて連帯保証人に請求がいくことになっています。機関保証にしている方は奨学金の保証会社が肩代わりするので特に問題はありません。保証会社とはそういった役割がありますので。

 

もし人的保証にしており、連帯保証人を親(もしくは親族)に設定している場合、自己破産をすると払えなかった分の借金は親に一括請求されます。これでは借金は連帯保証人である親に移動しただけなので意味がありません。このケースでは連帯保証人である親と一緒に弁護士事務所に行き、一緒に自己破産の手続きをしてもらう必要があります。二人同時に自己破産をすると借金は免除となります。

 

奨学金を含む借金を自己破産する場合、「人的保証(親に設定している)」か「機関保証」かで結果は大きく違うので、その点をしっかり確認するようにします。あとは必ず弁護士事務所で相談する必要があります。

 

 

任意整理と奨学金まとめ

奨学金単体で返済に困っているケースは返済期間の猶予手続きを行い、一旦返済をストップしてもらう(最大10年間支払期限の延長が可能)です。
奨学金に加えほかの借金で困っているケースは、奨学金以外の借金を任意整理することで返済の目途が立つケースがあります。
完全に支払い不能状態のケースは、自己破産を検討する必要があり、このケースでは奨学金の連帯保証人は付いているのかどうか確認します。