任意整理の返済期間と返済額

任意整理では返済額と返済期間はどのように決定される?

最悪のケースも想定して任意整理の返済計画を立てる

任意整理をした人の10人に3人は任意整理に失敗していると言われています。任意整理では2回以上の滞納は許されません。2回以上滞納した場合債権者に一括返済の権利が生まれるという契約に殆どのケースがなっています。

 

任意整理をしたものの返済が間に合わなくなった場合は再和解も可能なのですが、多くのケースで自己破産に変更されます。最終的に自己破産で手続きされ、借金は全額免除となるのです。

 

ですから、そもそも手続きをする前に任意整理を最適なのか、はじめから自己破産手続きをしておいた方がよいのかしっかりと弁護士や司法書士と相談する必要があります。

 

もし任意整理から自己破産に変更された場合、任意整理でかかった費用(1社あたり5万円〜6万円)は返ってきません。さらに毎月返済した分も無駄になります。自己破産をするのにもお金がかかり費用は30万円かかります。とても大きな労力とお金がかかってしまうのです。

 

ようは任意整理をする場合は「無理のない返済計画」を立てて、一度手続きをしたら完済するまで滞納しないことが大事となります。任意整理に失敗してしまう原因は主に以下の通りです。

  • そもそも返済計画に無理があったケース
  • ギャンブル依存症や買い物依存症が治らなかったケース
  • 病気やリストラや給料の大幅カットされたケース

ギャンブル依存症や買い物依存症や異性関係で借金を増やして任意整理したケースで、任意整理後もこれらが治らず、出費を増やして返済ができなくなるケースです。これについては自分自身の問題ですので、任意整理をする前に覚悟を決めて手続きする必要があります。なんとなく意志を固めないで任意整理すると同じ失敗を繰り返してしまいます。

 

病気や給料の大幅カットで返済ができなくなるケースですが、これについては救済処置は用意されていません。場合によっては再和解で返済計画の組み直しをしてもらえることがありますが、自己破産に変更しなければいけないケースもあります。任意整理の返済中(3年〜5年)は病気やリストラなどにあってしまうと返済できなくなります。

 

そもそも返済計画に無理があったケースもあります。債務整理を重点業務としている事務所でしたら過去のデータがあるので返済計画はしっかりしたものが立ちますが、経験が少ない弁護士や司法書士に依頼すると無理のある返済計画が立つことがあります。返済期間は3年〜5年ですから、それだけ長いと返済中に何度か思わぬ出費が重なるケースがあります。

 

冠婚葬祭だったり、家電が重なって壊れたり、断れない飲み会だったり、部屋の更新料だったり、車検だったり、通院だったりなど。ですからゆとりある返済計画を立てる必要があります。ポイントとしては任意整理ではまとまったお金が手元にある場合は一括繰り上げ返済が可能です。

 

ですから、返済計画はたとえば3年よりは4年、4年よりは5年とできるだけゆとりを持たせて立てておいた方がよいです。そしてゆとりある計画を立てて、返済と並行してコツコツと貯金をしていきます。もし元本分の貯金ができたらその時点で担当の弁護士に連絡して一括繰り上げ返済をしてしまえばよいです。毎月キツキツの計画を立ててしまうと3年〜5年はもちませんので、できるだけゆとりを持たせます。

 

ただし主に返済計画は担当の弁護士や司法書士が作成します。債務者の要望もありますので、その時にできるだけ返済期間をのばしたものにした方がよいです。そもそも返済計画は弁護士や司法書士が主体となって作成し交渉するので、経験ある方にお願いすることが大事です。そしてこちらからも要望をだし、できるだけゆとりある計画を立ててもらうようにします。

 

 

任意整理後の月々の返済額はどうやって決めるか?

債務整理(任意整理)を行う手順は以下の2つの流れになっています。それぞれ説明していきます。

 

1.まずは任意整理が妥当かどうか

まずは任意整理が妥当かどうかです。任意整理の目安としては「今ある元本分を3年(36回払い)か4年(48回払い)か5年(60回払い)で返済できるかどうか」となります。たとえば借金総額が300万円の方は、元本は300万円ですので、それを3年〜5年かけて返済できるのかどうか考えます。

 

それが可能な方は任意整理で返済していくことになります。より具体的な返済計画を立てていくことになります。もしそれができない方は個人再生か自己破産の手続きになります。

 

前述した通り、あまりに無理のある返済計画を立てて、途中で自己破産に変更するようなら、はじめから自己破産を選んでおいた方がよいです。任意整理をして和解は成立したものの、その後途中で返済ができなくなって失敗するケースがあります。自己破産をすれば3ヵ月〜半年の手続きで免責がおり、借金は0になります(当然自己破産ができる状況であることが前提です)。

 

2.引き直し計算を行ってシミレーション

上記の基準で任意整理が妥当な場合、任意整理手続きに入ります。任意整理をする場合、まずは弁護士と相談し、引き直し計算をします。現在の法律では18%を超える利子のついた借金は違法です。

 

18%を超える借金に関しては、正しい利息に引き直して、支払過ぎていた利息は回収することができます。まずは引き直し計算をし、法定利息におさまる正しい残高を出します。

 

次に依頼者が月々いくら返済に充てることができるのか割り出します。債務者の収入と支出を割り出し、「毎月の支払い可能額」を導き出します。
そしてその額を基準にして、返済計画は立てられていきます。

 

任意整理の返済期間は通常3年の36回払いです。将来利息はストップしますから、単純に今ある借金を36分割した額が毎月の返済額になります。

 

たとえばA社から36万円、B社からも36万円、C社から72万円の借金があった場合、3年計画で返済計画を立てると、A社に毎月1万円、B社に毎月1万円、C社に毎月2万円、合計4万円を支払っていくことになります。

 

返済計画通り、毎月4万円を3年間支払い続ければ完済となります。

 

債務者の「毎月の支払い可能額」がたとえば3万円だった場合、この返済計画は無理がありますから、支払期間を4年または5年に延長する交渉をします。

 

通常3年ですが、交渉によっては4年〜5年まで返済期間をのばせる可能性があります。返済期間を4年にした場合、毎月3万円の支払い、5年にした場合は2万4千円になります。

 

このように、「毎月の支払い可能額」を基準して、それぞれの債権者と一件一件個別交渉し、将来利息や遅延損害金をカットしたり、返済期間を調整することで「無理のない返済計画」を立てていきます。

 

弁護士費用はどうなる?

任意整理をするのにも弁護士費用はかかります。弁護士費用は着手金(手続きの一番はじめにかかるお金)が一件あたり3万〜4万円、成果報酬として一件あたり減額分の10%です。

 

任意整理を弁護士や司法書士に依頼すると、まずは受任通知を各債権者に送ります。受任通知を送ると督促は完全に止まります。

 

受任通知を送ってから和解契約が成立するまでの3カ月〜半年程度は債権者への支払いは一旦ストップします。その間にこれまで借金返済に充てていたお金を弁護士費用に積み立てていきます。

 

この期間に弁護士費用の積み立てが十分できなかった場合、和解後の返済で弁護士費用も月々分割払いで返済していきます。専門家は弁護士費用も含めた返済計画を立ててくれるので、一時金として費用を用意できない場合でも問題ありません。

 

任意整理で一括返済は可能?メリットはある?

たとえば家族や親せきなど援助してくれる人がおり、用立ててくれるなら一括返済も可能となります。

 

貸金業者はとにかく貸金を確実に回収したいので、一括返済ができるのであれば、借金元本の減額を検討してもらえることがあります。

 

また、経過利息などのカットもできる可能性があります。なによりすぐに借金から解放されます。方法としては、親や兄弟と相談し、家族に一時金としてまとまったお金を用意してもらい、それで一括返済します。

 

一括返済を条件に入れることで、分割返済よりも借金の減額が可能となります。借金完済後に家族に月々借りたお金を返済していくという方法です。

 

5年を超える返済期間は認められる?

返済期間は原則3年、長くても5年です。それには理由があり、任意整理では、和解成立後の返済を2回(2か月)以上滞納した場合、和解契約は無効となり、一括返済が求められます。

 

病気やリストラ、事故など意図しない不幸が起こり長期的に返済できなくなった場合、救済処置は用意されていません。そのケースでは任意整理を諦める必要があります。

 

実際、和解契約は成立したが、その後の返済で躓くケースがあるのです。ですから、返済期間は長くても5年で設定されることが多いです。

 

ただし、債務者の中には、「自己破産だけはどうしても避けたい」「借りた借金はどのような形であれ返したい」といった方がいらっしゃいます。特に年配の方は自己破産に対して強い拒絶を示す方もいらっしゃいます。

 

そのような場合、弁護士(司法書士)が粘り強く債権者と交渉することで、5年以上の返済でも認められるケースがあります。6年もしくは7年といった、長期返済プランが成立するケースもあるのです。

 

※任意整理で返済期間を長く設定してもらうには、これまでの借金の支払い期間が1年以上あるなど、長く取引していないと難しいです。

 

自己破産は絶対に避けたくて長期返済を希望の場合、必ず債務整理に強い弁護士に依頼する必要があります。そういった弁護士は任意整理のデータを数多く持っていますから交渉を優位に運ぶことができます。

 

無料相談の最初の段階でそれらの条件を伝えておくとスムーズです。