個人再生と連帯保証人について

個人再生をすると、連帯保証人は残りの借金を支払わないといけない?

個人再生をすると、残りの債務は連帯保証人が支払う必要があります

結論から言うと、個人再生をすると債務者が支払えなかった残りの分の借金は連帯保証人がかわりに払うことになります。一括請求されるか分割請求されるかは債権者の判断次第です。これは自己破産など、他の債務整理法をとった時も同じです。

 

連帯保証人とは、万が一債務者が借金を支払えなくなった時に肩代わりしてくれるためにいるので、個人再生をした場合、どうしても連帯保証人が支払う必要があります。

 

しかもこの場合、連帯保証人が一括払いで借金を払う必要が出てきます。もちろん、現実的に一括払いでお金を払うのは難しいので、実際は分割払いになるわけですが、結局お金を払わされることになるのは間違いありません。

 

そう聞くと、連帯保証人になってくれたあの人に迷惑をかけるのは困る、やっぱり個人再生はやめておこうと考える人もおられるでしょう。ですが、そもそも借金を返せないから個人再生をするのですから、それをやめたところで、問題解決にはなりません。

 

※借金には「保証人付きの借金」と「無担保ローン(保証人がついていない借金)」の2種類あります。クレジットカードや消費者金融、銀行のカードローン等は多くが無担保ローンとなっており保証人不要で利用ができます。保証人がついていない借金は個人再生しても保証会社が肩代わりをするので特に問題は起こりません。まずはいま自分がしている借金は2種類のうちどちらなのか調べる必要があります。今後話すことは「保証人付きの借金」についてです。

 

 

連帯保証人が付いている借金の場合、個人再生すると連帯保証人はいくら払わないといけない?

前述した通り「債務者が支払えなかった分の残りの借金はすべて連帯保証人が肩代わりする」ということになります。多くのケースでは個人再生をすると1/5まで借金はカットされるのでその分は債務者が3年かけて分割払いし、残りの4/5は連帯保証人が支払うことになります。

 

具体例を出すと、たとえば借金総額が450万円あり、車と住宅ローン支払い中の持ち家を持っている場合(清算価値は100万円以下)、小規模個人再生ですと返済額は100万円になります。以下の図の通りです。残りの350万円は支払えていませんから、この350万円が連帯保証人へ一括請求(もしくは分割請求)がいくことになります。

もし給与所得者等再生の場合でも、2年分の可処分所得が返済額となりますが、支払えなかった分は連帯保証人に請求がいくことになります。

 

ただし前述した通りあくまで連帯保証人がついている借金だけの話で、無担保ローンの場合は保証会社が肩代わりするので、そういった連帯保証人への請求とは無縁です(そもそも連帯保証人がついていないわけですから当然です)。

 

保証人と連帯保証人の違いについて

(保証人の特徴)

保証人には、「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」の3つが認められています。 「催告の抗弁権」があることにより、例えば、業者がいきなり保証人に請求をしてきた場合に、主債務者が破産していたり行方不明であったりしなければ、「まずは主債務者に請求してくれ。」と主張することができます。「検索の抗弁権」があることにより、例えば、主債務者に返済資力があるにも関わらず、主債務者が返済を拒んだことにより保証人に請求が来てしまった場合は、「主債務者は返済能力があるのだから、主債務者から返済してもらうか、それが叶わないなら、主債務者の財産を差し押さえてくれ。」と主張することができます。「分別の利益」があることにより、例えば保証人が複数いた場合、実際に主債務者に代わって返済を行なわなければならなくなっても、借金全額を保証するのではなく、保証人の人数で按分した金額だけを負担すればよいことになっています。例えば、1000万の借金に対して保証人が5人いたら、1人の保証人は200万を支払えば、残り800万について責任を負う必要はありません。

 

(連帯保証人の特徴)
連帯保証人には、保証人に認められている「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」がありません。そのため、業者が主債務者に請求せずにいきなり連帯保証人に請求してきても、文句を言うことができませんし、仮に主債務者にたくさん財産があるにも関わらず返済していない状況であっても、主債務者に代わって返済をしなければなりません。また、保証する借金の金額についても、保証人のような人数頭割ではなく、連帯保証人の1人1人が、借金の全額について返済の義務を負うことになります。そのため、保証人と連帯保証人では、その責任の範囲が大きく違い、連帯保証人の方が、かなり重い責任を課されることになります。このため、業者が保証人をとるときは、必ず連帯保証人にしています。
引用:https://www.saimu110.info/saimu/knowledge/hoshounin.html

 

保証人と連帯保証人の違いですが、連帯保証人の方が責任が重たいということになります。保証人はたとえばAとBの2人が保証人になっている場合は二人で半分にわけて請求された借金を支払うことになります。

 

一方連帯保証人は1人で支払わないといけません。連帯保証人の場合は、「催告の抗弁権」がないため個人再生の手続き前に連帯保証人の方に借金の請求をすることがあります。

 

連帯保証人(保証人)は請求された借金をどのように返済するのか?

通常は一括請求されます。もし手持ちの財産がある場合はそれで返済しますが、それが難しいようなら分割で返済することになります。これは債権者の判断次第で、話し合いの中で折り合いが付けられます。もし保証人が請求された額を到底支払えない場合は、保証人も債務整理をすることも可能です。

 

保証人が任意整理(請求された額に対して利息0%にして3年〜5年かけて分割返済)、個人再生(請求された額に対して大幅減額して3年かけて分割返済)、自己破産(請求された額を全額免除にする)をすることも可能です。

 

この場合の弁護士依頼ですが、債務者と保証人が一緒に弁護士相談して同時に債務整理することも可能です。

 

債務者が全く連帯保証人に相談することなく独断で債務整理を行い、請求が届いた時にはじめて債務者が債務整理を行ったと知った場合でも、そのタイミングで保証人は弁護士と相談し債務整理を依頼することができます。このケースでは別の弁護士に依頼して債務整理行うことになります。

 

この場合、債務者の返済と保証人の返済が同時に進行し、債権者の債権全額を返済したときに返済が終わります。

 

身内に連帯保証人を設定している場合

たとえば親族(親や兄弟など)を連帯保証人(もしくは保証人)に設定している場合ですが、このケースで個人再生をすると、支払えなかった分の借金はその連帯保証人に一括請求されます。

 

このケースでは払えなった借金は親に移っただけですから、個人再生のメリットを受けられません。親が残りの借金を払えればよいですが、そもそも親に財産があるケースでは、個人再生はせず、二人で協力して借金を支払っていく方がデメリットは少ないです。

 

このケースでの解決方法は「借主は任意整理をして借金を減らし、それを連帯保証人と協力して返済していく」か「借主と連帯保証人である親が二人で自己破産をして完全に借金をなくすか」になります。

 

任意整理をすれば将来利息は停止します。ようは利息は0%になるので、利息をまずは止めて、その後連帯保証人と協力して分割返済していきます。家族ともに支払い不能の場合はその親族(連帯保証人)と二人で同時に自己破産します。そうすると借金は完全に免除となります。

 

連帯保証人を身内の誰かに設定しているケースでは本人だけの問題ではないので、必ず専門家と相談して適切なアドバイスを貰う必要があります。

 

個人再生と連帯保証人まとめ

まずは今ある借金が保証人付きの借金か無担保ローンか確認する必要があります。無担保ローンですと個人再生しても払えなかった分は保証会社が肩代わりします。

 

保証人付きの場合は、個人再生をして払えなかった分はすべて保証人に請求が行きます。保証人は手続き後に請求されますが、連帯保証人ですと手続き中に一括請求してくるケースがあります。通常は一括請求ですが、相談の中で分割返済に変更されることもあります。これは債権者と保証人が話し合って、最終的に債権者が判断します。

 

もし保証人を親族に設定している場合、個人再生しても借金の大部分は親族に移動するだけなのでメリットは受けられません。このケースでは債務者が任意整理して保証人のバックアップの元で返済していくか、債務者と保証人が同時に自己破産するなどしないと問題は解決しません。