個人再生中に一括返済をする

個人再生中の一括返済は可能?一括返済のメリット!

はじめに

再生計画案通り毎月返済していけば債務から解放されるわけですが、個人再生をされた方の中には、もう借金はいやだ、考えることもしたくない、だから一刻も早く決められた金額を返済して個人再生を終えたい、借金から完全に解放されたいと考える方がいます。

 

個人再生の手続きを行い、再生計画案が認可され、その後返済計画通りに返済中に、一括返済することは可能なのかですが、結論から言うと「条件を満たしていれば一括返済も可能」です。

 

個人再生で返済すべき債務を一括返済することは可能ですし、法律上何の問題もありません。ただし、一括返済するには以下の2点の条件を満たす必要があります。

  1. すべての債権者に平等に返済すること
  2. 債権者から一括返済の同意を得ること

@すべての債権者に平等に返済すること(一部の債権者にだけ一括返済はできない)

個人再生の返済については「債権者平等の原則」が決められています。一部の債権者にだけ一括返済することは認められません。

債権者平等の原則・・・民事再生法229条1項で定めらてています。「小規模個人再生における再生計画による権利の変更の内容は、不利益を受ける再生債権者の同意がある場合又は少額の再生債権の弁済の時期若しくは第八十四条第二項に掲げる請求権について別段の定めをする場合を除き、再生債権者の間では平等でなければならない」

たとえば合計3社(A社とB社とC社)の借金を個人再生し毎月1万円ずつ返済していたとします。この場合、一括返済するにはこの3社ともすべて行う必要があります。1社だけ選んで一括返済することはできません。ようは個人再生案の現在の残高分すべて一括で払わないといけないということです。

 

A債権者から一括返済の同意を得ること

当然ですが、一括返済の同意を債権者から得る必要があります。これについては担当の弁護士に相談すると、弁護士が各債権者に確認を取ってくれます。前述した通り一部の債権者にだけ一括返済をすると債権者平等の原則に違反してしまいます。たとえば5社からの借金を個人再生している場合は5社とも同意してはじめて一括返済が可能です。

 

個人再生の手続きでは清算価値という手続きがあり、これは債務者(個人再生をした人)の所有している財産(現金や預金や車や不動産や退職金見込み額の1/8など)分の金額は払わないといけないとなっています。たとえば個人再生の返済をはじめて2ヵ月目で一括返済を申し出ると「一部財産の申請をしていなかった(財産隠しをしていたのではないか)」と疑われる可能性があります。

 

基本的に個人再生で返済計画案を提出し、それ通りに返済するのが通常ですので。一括返済が可能になる状況というのは以下があると思います。

  • 給料が大幅アップして返済に余裕ができて、貯金がたまっていった
  • 宝くじに当たるなど大きくお金が貰えることがあった
  • 遺産相続があり親から財産を受けた
  • 親や兄弟からの支援があり、一括返済ができるようになった

再生計画通り毎月支払いをしていて、それに加えて臨時収入があった場合は同意が得られやすいです。または返済計画通り1年〜2年返済を続けており、その間に貯金をコツコツ貯めていた場合は、一括返済が認められます。

 

個人再生の場合は利息は完全に停止していますから、一括返済しようが、3年で計画通り返済しようが支払う総額に変わりはありません。ですが債権者からするとできるだけ早く債権を回収できた方がメリットはあります。

 

債権者にとって一括返済に反対する理由がなく、債務には利子がつかないので、債権者にとって、分割で長い期間をかけて返済されるメリットはありません。

 

ですから、財産隠しが疑われるような明らかに不自然な場合を除いては一括返済を認めてくれます。これは代人弁護士に連絡を入れることで同意を得てくれ、可能になります。

 

 

個人再生の一括返済のメリットとデメリット

個人再生の一括返済のメリットは以下の通りです。

  • 喪明け(ブラックリスト解除)が早くなる可能性がある
  • 振込み手数料を節約できる
  • 精神的な負担から開放される

信用情報機関によって事故情報を登録するタイミングは異なります。通常では個人再生の手続きが認可された(返済はじまる直後)タイミングでブラックリスト登録されます。ただし信用情報機関によっては個人再生の返済が完了した(完済した)タイミングで事故情報が登録されるのです。

 

そこから数えて5年〜10年は喪中となります。ですから、できるだけ個人再生の返済を早く済ませた方が、ブラックリストの登録期間を短くすることができます。

 

振込み手数料の話ですが、個人再生の返済方法は主に2つあります。「それぞれの債権者に自分で毎月振込みを行う」と「弁護士事務所が代理で一括で毎月引き落としをしてくれる」です。

 

自分で振込みを行う場合でも数百円程度の手数料がかかるはずです。これを3年(36回)行うのですから、手数料はバカになりません。弁護士事務所が代理として引き落としてくれる場合は1社あたり毎月千円程度かかります。振込み忘れがなく手間も省けるメリットがある一方で手数料はとても高いのです。

 

どちらの方法にしても手数料は毎月かかってきます。一括返済すると支払い回数が減るわけですから、支払う手数料は安く済みます。

 

精神的な負担から解放されるのも大きなメリットです。やはり借金をしている状態は精神的によろしくありません。気分が重たくなります。その状態から早く抜け出せるというのは大きいと思います。

 

一括返済のデメリットですが、特にありません。前述した通り財産の申請を一部していない場合で早期の一括返済の申し出をすると財産隠しをしているのではないかと疑われる可能性がありますが、そもそも財産隠しは不正ですし、財産隠しが発覚すると再生計画案は取り消しとなります。

 

きちんと弁護士に依頼して財産の申請をすべて行って、その上で臨時収入が入ったり親族からの援助があったり貯金をコツコツとためていたりで一括返済する分には全く問題ないですし、借金も早く完済できますから、よいことしかありません。