個人再生の法の条件

個人再生手続きの2つの利用条件

個人再生の利用条件について解説します。個人再生には2種類「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」があります。

 

現在、小規模個人再生が一般的に使われている手続き方法となります。小規模個人再生は利用条件が緩く、さらに減額額が大きいため、殆どのケースでこちらが利用されます。デメリットとしては債権者の過半数が反対した場合不認可となってしまいます(再生計画案がしっかりしていれば反対されることは殆どありません)。

 

万が一小規模個人再生が反対されてしまった場合は、次は給与所得者等再生に切り替えて手続きされます。給与所得者等再生は債権者の賛成反対の意見は取り入れなくてよいのでそれが原因で不認可されることはないですが、小規模個人再生に比べて減額される額は小さくなる可能性が高いです。

 

今回は殆どのケースで利用される小規模個人再生の2つの利用条件について解説していきます。

 

小規模個人再生の利用条件

個人再生の利用条件は以下の2点だけです。以下の2点を満たしていれば個人再生を利用できます。

 

  • 債務総額(借金総額)が5000万円以下であること(住宅ローンを除く)
  • 継続的または反復して収入を得る見込みのある

 

たとえば自己破産の場合、ギャンブルや浪費や投資など借金の理由が問われることになります。

 

個人再生の場合、借金の理由は一切関係なく、継続的な収入があれば、個人再生は利用できます。裁判官は「債務者に安定した収入があり、減額した借金をしっかり返済できるのかどうか」を見ています。(民再231条1項、174条2項2号)

 

個人再生は1/5に減らした借金を3年計画で返済しなければいけないため、そこが重要なのです。

 

・個人再生が可能な人
小規模の方は借金5,000万円未満で安定した収入があればほぼ受けられます。なので、正社員の方はほぼ個人再生が受けられると思ってよいでしょう。個人であっても、継続的、反復的に収入がある人の場合はその対象となります。
個人再生では、申立書に過去2年分の源泉徴収票と直近3ヵ月分の給与明細書を提出する必要があります。その書類によって過去2年間の年収と最近の収入がわかり、継続した収入があるかどうか判断されます。再生計画案に対して十分な収入があるのか、その点はしっかりと審査されることになります。フリーターやパートや自営業の方でもその書類を見て継続した収入があると判断されれば手続き可能です。

 

・個人再生が不可能な人
まず「安定収入」という壁がありますので、継続・反復して収入を得られる見込みがない人は個人再生を受けることができません。条件外となります。現在無職の方はまずは定職についてから手続きを受ける必要があります。
また、給与所得者であっても受けられない条件というのがあります。それは「過去に個人再生をしていて7年以内に再び個人再生をしようとした人」です。つまり、一度個人再生をすると7年間は新たな個人再生の申請ができなくなりますので、一度個人再生を行った人は7年間は不可能と思ってください。

 

 

給与所得者等再生の利用条件は?

給与所得者等再生の利用条件は小規模個人再生の上記の2つの利用条件に加えて、さらに以下の2点の条件を満たす必要があります。

  • 給与またはそれに類する定期的な収入が得られる見込みがある
  • その額の変動幅が20%以内であること

毎月の手取りの変動の幅が20%以内であることが必要です。ようは小規模個人再生と比べて、「さらに安定した収入があること」が条件となります。収入の変動が激しい方は利用ができません。

 

これには理由があり、給与所得者等再生の場合、最低弁済額より2年分の可処分所得が上回った場合、2年分の可処分所得の額が返済額となります。可処分所得とは毎月の手取りから最低限の生活費や住宅ローンの支払いなどを引いた、「毎月自由に使えるお金」です。給与所得者等再生の場合、2年分の可処分所得が返済額になる可能性があるため、より安定した収入がある方でないと利用できないのです。

 

前述した通りまずは小規模個人再生で手続きを行いもし不認可となった場合はこの手続きに切り替えるという形が一般的です。

 

個人再生の利用条件まとめ

借金総額が5000万円以下(住宅ローンを除く)が条件です。再生計画通り3年かけて返済していく必要があるため裁判官は「安定して継続した収入があるのかどうか」を厳しくチェックします。この点がとても大事で、減額した借金を返済することが大前提にあるため、返済能力の有無を判断されます。定職についている方でないと利用できません。

 

フリーターや派遣社員の方でも毎月収入があり、その収入で減額後の借金を毎月支払いできるなら手続き可能ですが、無職の方は利用ができません。小規模個人再生は上記の2点が条件で、給与所得者等再生の場合はさらにその収入の変動が小さいことが必要になります

 

個人再生が始まるとどうなるか

まず、個人再生が開始された段階で弁護士から債務者に連絡が行きます。個人再生を頼むのは弁護士にお願いするのが圧倒的に多いため、債務者に連絡が行くと、あなたへの督促はその日以降、一切なくなります。

 

弁護士への手数料や返済金を含め、すべてを弁護士が管理するからです。そして、官報に個人再生者の情報が記載されるので、それを知人に見られるという可能性もあります。

 

個人再生は借金を減らし、自己破産よりもデメリットが少なく行える制度ですが、相応のペナルティがあるということは理解しておきましょう。特に一度個人再生を行うと、5年間は新規にカードを作ることも、住宅ローン、マイカーローンを組むことも不可能になりますので、生活が相当制限されます。すべて現金払いとなりますし、カードによる恩恵を受けることもできませんので、そこをご理解の上、利用するようにしてください。