無職でも任意整理できる?

無職でも任意整理できる?収入と任意整理の関係

無職の人は任意整理できる?できない?

任意整理では、専門家が債権者と直接交渉し、利息分をカットします。カットされた借金を3年の36回払いで毎月支払っていくことになります。3年では返済計画に無理があるケースでは4年〜5年の返済計画になることもあります。

 

このように、任意整理では借金整理後に「減額した借金を3年〜5年かけて分割返済していくこと」が大前提になります。「継続した収入がある」方でないと任意整理は利用できないのです。

 

ですから、原則、無職の方は任意整理できません。任意整理を依頼する時に源泉徴収票と直近2ヵ月〜3ヵ月分の給与明細を提出する必要があります。その書類をみて弁護士が任意整理ができるかどうか判断することになります。任意整理できないケースではそもそも依頼を引き受けてくれません。

 

現在無職の方はまずは就職をして2ヵ月〜3ヵ月ほど働いてから再度弁護士や司法書士に相談する必要があります。

 

ただし例外的に無職の方でも任意整理できるケースがあります。それは親や兄弟からの援助が貰えるケースです。具体的には「元本の一括返済を条件に任意整理をする」ということです。いまの元本分を親や兄弟から援助してもらえる場合はそれを条件に任意整理します。このケースでは一括返済を条件に入れることでより大幅減額が望めます。

 

無職の人ができる債務整理は?

債務整理には3つ「任意整理」と「個人再生」と「自己破産」があります。任意整理と個人再生については減額された借金を3年〜5年かけて分割返済する手続きとなります。この2つについては「継続した収入がある方」でないと利用できません。
自己破産については免責が下りれば借金は全額免除です。返済する必要がないため無職の方でも利用ができます。無職の方が自己破産する場合は法テラスを通して手続きすることになります。法テラスを利用すれば弁護士費用は全額無利息で立替てくれて、その支払いは毎月5千円〜1万円となります。手持ちのお金がなくても手続きが受けられる制度があるのです。生活保護を受けている方は弁護士費用は免除となることもあります。

 

 

学生やアルバイト、派遣社員は任意整理できる?

結論から言うと、学生やアルバイト、派遣社員でも「継続的な収入が見込める」なら任意整理することができます。

 

短期間のアルバイトは無理ですが、収入が一定以上あって、その収入が安定して継続的に受け取れる場合には任意整理手続きを利用出来るケースがあります。

 

こういったケースでは任意整理を依頼する前に直近3カ月の給与明細や源泉徴収票を提出する必要があります。

 

自己破産や個人再生は裁判所での手続きですから明確な基準がありますが、任意整理は裁判所での正式な手続きではないので、債権者との交渉次第です。

 

弁護士があなたの状況を正確に判断した上で「任意整理で返済できる見込みがある」なら引き受けてくれます。あとは債権者との交渉で債権者が和解に応じてくれたら任意整理は成立です。

 

ただし、正社員の方と比べて、やはり任意整理できる可能性は低くなります。和解はしたもののその後の返済ができなくなるケースがあります。2カ月分滞納すれば、その時点で任意整理の契約は無効となり、債権者に一括返済できる権利が生まれます。

 

現在のアルバイト(派遣)の収入で、減額した借金を毎月支払っていき、最後まで完済できるのかどうかです。現在の借金総額、そして減額できる金額、アルバイトでの収入を総合的に判断されることになります。

 

弁護士と相談し、明らかに返済計画に無理がある場合は、自己破産を勧められる可能性があります。自己破産も視野に入れたうえで債務整理を検討する必要があります。

 

具体的にいくらくらい継続した収入があればよいのか?

これはケースバイケースというしかありません。たとえば5社から合計200万円の借金があり、これを任意整理する場合、利息は停止した状態で3年〜5年で分割返済していくことになります。

 

弁護士費用も合わせて、3年計画(36回払い)では毎月6.25万円返済していく必要があります。5年計画(60回払い)の場合は毎月3.75万円です。任意整理では滞納は許されませんから、ゆとりのある無理のない返済計画が立てられます。

 

このケースなら毎月5万円ほど借金返済に回せるなら5年計画で手続きを行ってくれる可能性があります。このように任意整理後の借金(元本分を3年(36回払い)〜5年(60回払い)かけて分割返済)をいまの月収で支払っていける場合は任意整理可能です。

 

「継続して安定した収入があること」が大前提で、それにプラスして「毎月いくら借金返済に回せるか」という点が考慮され、弁護士や司法書士が依頼を受けてくれるかどうか判断されます。

 

弁護士や司法書士に一度見積りを出してもらうとよいです。

 

継続した収入がない場合は自己破産を検討する

現在無職で継続した収入がない場合やアルバイトで任意整理を断られた場合では、自己破産をすることになります。自己破産とは、あなたが現在持っている財産をすべて債権者に差し出す代わりにこれまでのすべての借金を免除してもらう手続きです。

 

任意整理や個人再生と違い、免責が下りれば借金はゼロとなり、その後の返済の必要は一切なくなります。弁護士費用は必要なので、その費用だけ破産後に分割払いしていくことになります。自己破産は無職の方でも行うことができます。継続した収入がない方は、任意整理ではなく自己破産手続きを行うことが多いです。

 

無職の方は任意整理できるのか?まとめ

・任意整理をするには「継続した収入」が必要なため、原則、無職の方は任意整理できない。任意整理をしたい場合はまずは就職して3ヵ月ほど働いてから再度弁護士事務所に相談する

 

・無職の方でも返済開始までに継続した収入が望めるケースや親族に援助をもらい減額した借金を一括返済できるケースでは、任意整理できることがある

 

・フリーターや派遣の方でも継続した収入があるなら任意整理できることがある

 

・収入が不安定な方や無職の方は自己破産で借金問題を解決できる