任意整理の和解成立後の返済期間は?
任意整理の和解成立後の返済期間は?
当然のことですが、任意整理は借金の返済をすることが前提にあります。引き直し計算で減額した借金を、返済計画を元に返していきます。
任意整理の和解後の返済期間ですが、原則3年(36カ月)です。
ただし、現在の収入と任意整理で減らした借金総額のバランスを考えて、3年では無理があると判断された場合は、支払い計画の期間が4年(48カ月)や5年(60カ月)になる場合もあります。
たとえば、ある貸金業者だけ借金の残高が極端に多い場合、3年では支払い終えるのが難しいので、弁護士が4年〜5年での支払い計画を立てて交渉してくれます。
任意整理で大事なことは「無理のない返済計画」を立てることです。
弁護士は当然そこを考え、毎月の収入から生活費や娯楽費を差し引いた「無理のない毎月の支払い可能額」を導きだしてくれます。
それをもとにして返済期間を設定してくれるので、遅延するという事態を避けやすくなります。
債務整理をする時、「できるだけ多く支払いに回して早く完済しよう」と決心されるかもしれません。
しかし3年間(4年〜5年)の間、切り詰めた生活を送っているとストレスがたまり、健康を損ねたり返済に失敗してしまったりします。無理は絶対に長続きしません。
ストレス発散のために「少しくらいはいいだろう」とパチンコに手を出すと、すべてが台無しになってしまいます。
返済すべきお金をきちんと守る意味でも、娯楽費は余裕をもってとり、無理のない返済計画を立てることが重要になってきます。
無理のない返済計画を立てて、それでもし一括返済できるだけの額が貯まったら、一括返済してしまうのも一つの手です。任意整理後であっても、直接債権者と相談をすれば一括繰り上げ返済も可能です。
任意整理和解成立後に遅延するとどうなるのか?
契約上は2回の滞納で「期限の利益」を失います。つまり、任意整理後に2回(2か月以上)遅延をしてしまうと、業者は残りの借金を一括請求する権利が生まれます。
任意整理では3年と長丁場での返済になります。その間リストラにあったり、病気になったりと何が起こるかわかりません。そのためにも、任意整理での返済プランは余裕をもって立てることが大事になります。
もし遅延した場合は、すぐに担当の弁護士に連絡し、事情を説明する必要があります。やむを得ない事情がある場合は、返済プランの立て直しをしてもらえることがあります。
任意整理で5年以上の返済は可能?
【質問】消費者金融とキャッシング、ショッピングで借金は400万円を超えました。自己破産はしたくないので、任意整理でできるだけ減額してもらって時間がかかってもコツコツ返済していきたいと考えています。
専門家に相談したところ、利息が上限を超えていないので、大幅な減額は難しく、自己破産を勧められました。自己破産はできるだけ避けたいです。
今会社員をしており安定した収入はあるのでコツコツ返していきたいのですが、任意整理で長期的な返済は可能なのでしょうか?
【回答】任意整理ですと、減額できる額と返済期間には限度があります。減額できる借金は法律で定められた上限を超えた借金と、将来利息、遅延損害金くらいです。
上限を大きく超えた借金の場合は、大幅に減らすことができますが、それ以外ですと、これから返済していく借金の利息をストップさせることくらいしかできません。また、返済期間も最長で5年です。5年を超える返済は弁護士がなかなか引き受けてくれませんし、業者も長期返済は嫌がり、和解してくれるケースは少ないです。
※すべては交渉次第のため稀に5年以上の返済に応じてくれることもあります。借金状態によっても違うのでまずは初回相談で専門家に相談してみるとよいです。
任意整理は、引き直し計算によって減らせる借金をシミュレーションし、返済計画を立て、現在の収入でそれが実現できる場合にのみ、実行されます。もし引き直し計算をしても今の収入では返済できそうにない場合は、個人再生や自己破産などの債務整理の方法を検討しなければいけません。
個人再生は裁判所に申入れをすることで法的強制力をもって借金を1/5にする手続きです。1/5にまで減った借金を3年計画で分割返済していきます。それでも、返済できそうにない場合は、最後の切り札である自己破産をします。自己破産をすれば借金はゼロになります。
借金の総額と現在の収入によって、有効な債務整理の方法は異なります。自己破産というと言葉の響きが悪く、不利益だらけのように考える方もいらっしゃいますが、冷静に制度を見直すと、大きなデメリットはなく、普通の生活は守られるようになっています。
任意整理だけにとらわれず、自分に合った債務整理の方法を選んで、健全な生活を取り戻すのが一番だと思います。
・任意整理の和解後の返済期間は原則3年、最長5年
・和解成立後の返済は遅延が2回までしか許されないので、余裕をもった返済プランを立てることが大事
・任意整理をしても借金を返済できそうにない場合、任意整理だけにとらわれず、個人再生や自己破産などの債務整理を検討する
債務整理に関する記事
・借金地獄から脱出するたった一つの方法!
・消費者金融の取り立てを止める方法!督促から強制執行までの流れを徹底解説
・債務整理をするとローンやクレジットは何年利用できないの?
・ギャンブルで作った借金でも債務整理できるのか?
・債務整理中のブラック期間でも利用できるカード【楽天VISAデビットカード】
・債務整理情報まとめと体験談
・クレジットカードで作った借金でも債務整理できる?
・自動車ローン支払い中の車を手放さないで、債務整理をする方法!
・住宅ローン支払い中のマイホームを守りながら債務整理する方法!
・長年放置した借金は時効を待った方がよいのか?債務整理した方がよいのか?
・債務整理をすると入居審査は厳しくなる?【引っ越しと債務整理】
・返済が滞ってできた遅延損害金は任意整理でカット可能か?
・任意整理が周囲にバレる可能性のある5つの事柄と対策方法!
・自己破産が家族・職場にバレる9つの事柄と対策方法【官報について】
・自己破産した場合の家族への影響