借金地獄から抜け出す

借金地獄から脱出する

借金がどんどん増えて利息と督促で不安定な生活!

はじめは簡単に返せると思っていた借金も、様々な事情により一定額を超えると雪だるま式に借金は増えてしまいます。

 

返済日に間に合わすために借金のための借金を繰り返して、借金地獄に陥ることもあります。ギャンブルにハマってしまった、キャバクラやホストにハマって気づいたら借金まみれになったケースもあるでしょう。

 

この状態になると自力で返済するのは大変難しく、切羽詰まった苦しい生活が続いてしまいます。少しでも延滞するとすぐに担当者から催促の電話がかかってきます。

 

借金地獄に陥ると精神的にもつらいです。どこかのタイミングで借金整理をして、一度リセットする必要があります。

 

自己破産だけでなく、借金整理の方法は他にも用意されています。今回は借金地獄に陥ってしまう原因と法律の力で借金問題を解決する方法を説明していきます。

 

借金地獄に陥る4つのケースについて

借金が返せなくなる原因は以下の4パターンがあります。

借金地獄に陥る4つの原因

1.一時的に返済が遅れている間に、利息や遅延損害金が上乗せされて借金が増えてしまった

 

2.借金をして返済日に遅れそうな場合、違う業者から借入れをして借金が膨らんでいった

 

3.リストラや病気によって収入が減り、借金が増えていった

 

4.ギャンブルや浪費によって支出が急激に増え、借金を抱えた

 

1の場合は借金の仕組みを理解されてなかった人に起こるケースです。

 

消費者金融やクレジットカードのキャッシングの利息は年15%〜18%、ショッピングの利息は年12%〜15%が相場です。元本がそれほど多くない場合は利息は気になりません。

 

たとえば元本が30万円で年18%の借金は、年間利息は5.4万円になります。1か月4千5百円ですので、それが原因で借金地獄に陥ることはありません。しかし、元本が100万円、200万円と大きくなってゆくと、利息はとても大きなものになります。借金総額200万円で年18%ですと、年間利息は36万円です。借金総額が300万円(年18%)ですと年間利息は54万円です。1か月の返済のうち、4.5万円は利息なのです。

 

元本が大きい場合、それに比例して利息も大きくなるので、返済困難に陥るのです。利息に加えて、支払い期限に遅れると「遅延損害金」もプラスされます。遅延損害金とは返済期限に遅れた時に、損害賠償金として支払わなければいけないお金です。

 

遅延損害金は利息に加え、さらに15%という利子がとられます。一定期間放置すると、借金はどんどん積み重なり、いつか手が付けられなくなるのです。借金の返済は、遅延損害金→利息分→元本という順番で充てられます。一度借金が膨らむと、利息分が優先されるので元本はなかなか減らず、完済するのが大変難しくなります。

 

借金は利息によって1日単位で増えていきます。返済期限に遅れるとさらにお金は取られます。元本が大きい場合は、まずは利息分の対処を行わないと借金地獄からは抜け出せません。

 

2はいわゆる多重債務という状態です。多重債務とは、消費者金融やクレジットカード、銀行のカードローンから複数借金をし、返済が難しくなっている状態です。

 

安易なキャンペーンから消費者金融やクレジットカードの申込をします。その後手持ちはないときでも欲しいものはクレジットカードのリボ払いで買い物をしたり、消費者金融でお金を借りてほしいものを手にしたりします。ギャンブルでお金を減らす人もいます。「限度額=預金残高」という錯覚に陥って借金を増やす方もいます。そのあと複数の業者から限度額一杯に借金したあとは銀行のカードローンに手を出し、金利が安くなるという理由で借り換えを行いますが、ここでおまとめローンに失敗して大きく借金を増やす方もいます。

 

最終的に多重債務に陥り、あっちで借りて、こっちで借りてと返済に行き詰ってしまいます(自転車操業)。臨時収入で返済もしますが、利息が大きくすぎて返済が追いつかず、借金で借金を返済するということもしますが、どこもお金を貸してくれなくなり、借金地獄へと落ちてしまうのです。このように徐々に金銭感覚が麻痺していき、借金は増え続けてしまいます。

 

3は借金総額は変わっておらず毎月の返済額に変化はないのですが、収入が急に減った(なくなった)ケースです。病気やリストラ、仕事量(残業)が減って収入が減少すると、今までまかなえていた借金の返済が、それではまかなえなくなります。結果的に借金地獄に陥ってしまいます。

 

4はギャンブルや浪費等にハマッて借金を増やしたケースです。パチンコや競馬、競輪等のギャンブルには依存性があります。一度大きな金額を稼ぐと感覚として残り、金銭感覚が狂ってしまいます。

 

消費者金融では簡単に利用枠が作れてしまいます。そこで与えられた利用限度枠でお金を引き出してはパチンコをしてしまう方がいます。パチンコ以外にもキャバクラや風俗にハマり大きく支出を増やした方やリボ払いで買い物を続けて結果、リボ払い地獄に陥る方もいます。スマートフォンのゲームアプリ(ソーシャルゲーム)で課金を続けて借金を増やして借金地獄に陥るケースもあります。

 

最悪のケースでは、家賃を何カ月も滞納したり、光熱費も払えなかったり、消費者金融の滞納で督促の電話が毎日かかってきたり、税金が払えなかったりします。滞納分だけがドンドンと増えていってしまいます。

 

 

 

借金地獄への入口「裁量規制と抜け道について」

賃金法で定められていますが、年収の3分の1を超える借金は現在できないようになっています。

 

たとえば年収が600万の方は、貸金業者から借りられる借金総額は200万円までです。A業者から100万、B業者から100万借りた場合、借金総額は200万円になるので、これ以上違う業者から借入れすることができません。クレジットカードのキャッシングも対象内です。

 

ですが、銀行のカードローンについては総量規制の対象外です。たしかに銀行のカードローンは審査が厳しく、なかなか通りませんが、定職に就いている方でしたら通らないことはないです。

 

消費者金融やキャッシングに加えて、銀行のカードローンの借金もすると、年収の3分の1を超えて借金が可能です。現在の年収を超えた借金をしている場合、完全に「支払い不能状態」です。自力で解決することは困難で、法的な力も借りながら借金の元本を減らしていく必要があります。

 

借金地獄に陥っている状態でも返済の優先順位は必ず決める

借金地獄に陥っている状態でも「借金返済の優先順位」は必ず決め、「毎日の生活」は守っていかないといけません。具体的には借金は以下の種類があります。

民間からの借金(消費者金融やクレジットカードや銀行カードローン)、住宅ローン、家賃滞納、携帯電話代滞納、公共料金の滞納、税金の滞納(国民健康保険を含む)、養育費や賠償金の滞納など

借金を滞納している時一番恐れるのが「給与や預金の差し押さえ」だと思います。それを含めて解説しますが、借金の支払う優先順位は以下が好ましいです。

 

住宅ローンや家賃滞納分>公共料金の滞納分>携帯電話の滞納分>税金の滞納分>養育費や賠償金の滞納分>民間の借金>友人知人家族からの借金

 

生活に必要なお金を割いてまで民間の借金返済に回す必要はありません。そのお金を返済に充てると生活ができなくなります。そのため、もし住宅ローンや家賃を滞納していたり、公共料金を携帯代を滞納している場合はそれを優先的に支払っていきます。

 

税金を滞納している場合は税金を優先的に支払います。民間の借金では債務者の給与差し押さえをする場合は「職場の特定」が必要になります。さらに突然差し押さえはできませんので、給与差し押さえする前に必ず債務名義を取る必要があります。簡易裁判所で裁判をして判決を取る必要がありますが、債務名義を取られる前に必ず家にそのお知らせが届きます。裁判所は中立な立場ですので、この時異議申し立ての書類も一緒に送られてきます。この時に和解案を提出すると折り合いがついた場合は差し押さえは停止となるのです。

 

民間の貸金業者や債権回収会社が債務者の給与差し押さえをするには「職場を特定していること」と「債務名義を取ること」の2つが必ず必要なのです。ですからそう簡単に給与差し押さえされません。職場を知られており、なおかつ判決をとらないといけません。

 

一方税金というのは債務名義を取らなくても役所の判断1つですぐに給与差し押さえが可能です。役所というのは債務者に財産や給料があるとわかると容赦はしません。無断で税金滞納分を放置しているとすぐに差し押さえをしてきます。対象物は給与か預金です。不動産まで差し押さえされることは稀です。

 

ですからもし税金滞納分があるケースでは役所にすぐに電話をして、事情を話し、分割返済を認めてもらうか、免除のお願いをします。連絡を入れて事情を話しておくと差し押さえされることはないので、必ず電話をして折り合いをつける必要があります。

 

このように借金地獄に陥っているケースであっても家賃や公共料金や携帯代など生活に必要なお金は滞納せず支払っていきます。税金についても連絡を一切いれないでの無断滞納をしていると差し押さえされる危険性がありますから、払えない時は必ず市役所に事情を説明するようにします。もし払えるようなら分割でお願いして払っていきます。民間の借金については支払い不能に陥っている場合は「一時的に滞納する」ということも必要になります。

 

あとで説明する「債務整理」をすることで民間の借金については減額が可能です。その手続きをすることが好ましいです。債務整理をするとその後は弁護士がすべて代理人として貸金業者と連絡を取りあうため、差し押さえなどの心配はありません。

 

借金は放置していたらそのうち時効がくる?

借金の時効は消費者金融から借りた場合5年です。最後の取引きをしてから5年経過すれば、借金の時効が成立し、支払いはしなくてもよくなります。

 

しかし、「借金の承認」か「時効延長の裁判」をどちらかを行うと時効は延長されます。借金の時効とは「借金をしていることは認知している」と「支払う気はある」と貸金業者に伝えることです。また一度でも返済をすると時効は中断されます。たとえば貸金業者との電話のやり取りで、これらの発言をすると借金の承認になってしまいます。時効が近づいている借金があるケースでは貸金業者とのやり取りに注意が必要です。

 

時効延長の裁判は貸金業者が民事で訴訟をすることができます。時効延長の裁判については家に郵便物が届きますので、それでわかります。借金の時効は確かに5年ですが、業者は時効延長する手段があるため、夜逃げや借金放置では根本的な借金の解決方法になりません。

 

住民票を移すと、そこから債権者に住所を特定されます。夜逃げをするにも住民票が移せないため、就職の時に困ります。自治体のサービスも受けられませんし、選挙もできません。税金の支払いにも困ります(税金は前の住所から請求される)。本当に手元にお金がなく、収入はすべて生活費に充てないといけない場合は借金の支払いは放置せざるを得ませんが、夜逃げでは借金地獄から解放されません。

 

業者から給料差し押さえされることってある?

借金地獄に陥って、借金を長い間放置していると、業者は強制執行すると脅してくることがあります。強制執行されると給料は本当に差し押さえられてしまうのでしょうか?

 

業者が差し押さえをする対象は銀行口座か不動産か給料です。不動産を持っていない場合は銀行口座か給料が差し押さえられる可能性があります。給料の差し押さえがかかると職場に借金をしている事実が知られます。差し押さえを行うには「仮執行宣言付の支払い督促」や「債務名義(判決文)」が必要です。正式な手続きが必要なのです。

 

たとえ本当に実行されても、給与差し押さえは原則、給料の4分の1までと決められています。正式な手続きに時間を要する上に、差し押さえ額も決められているため、実際に差し押さえされるケースは極めて少ないです。借金の返済を延滞すると以下の流れで督促は行われます。

 

電話やメールで督促→手紙が届く→督促の電話→内容証明郵便が届く→自宅を訪問される→信用情報機関に延滞情報が載る→(訴訟)→(差し押さえ)

 

早期の段階で「支払わないと訴訟します」といったことを言われますが、殆どのケースで脅し文句として言われています。内容証明郵便とは「〇〇の書類を〇〇に郵送しましたよ」と郵便局に証明してもらうもので、3通用意し、1通は本人が保管し、1通は郵便局が保管し、1通は郵送で相手に送ります。ただ単に郵便局が内容の証明をするものですが、これを知らない方は急に内容証明郵便が送られたら大変驚いて不安になります。これも単に相手を動揺させるためのもので法的拘束力は一切ありません。

 

自分が住んでいる自宅や賃貸に担当の方が日中訪問に来ることがあります。これについては出る必要はなく、無視しておけばよいですし、もし出たとしても、帰ってくださいと伝えれば帰ってくれます。取立規制法で帰ってくださいと言われてずっと滞在することは禁止されています。貸金業者はマニュアルに沿って取り立てしますので、ルール違反になることはしません。自宅訪問されたとしても帰ってもらえばOKです。

 

やはり問題は差し押さえされるのかどうかです。訴訟はそう簡単に行われるものではありません。延滞から3か月が経過するとブラックリスト登録されます。滞納が半年以上で訴訟を起こされることも稀にあります。

 

差し押さえについてですが、これは貸金業者が銀行口座や職場を特定していないと行えません。最初に申込をして伝えている職場と今働いている職場が一致しているケースでは相手はあなたの職場がわかります。たとえば公務員や上場企業に勤めているなど毎月安定した給料があると判断されるケースでは給与差し押さえはされやすいです。

 

一方、最初に伝えている職場と今の職場が違うケースでは相手は給与差し押さえはできません。職場を転々としていたり、住民票を移さずに引っ越しをした場合職場特定は困難なため、差し押さえされる可能性は低いです。訴訟や差し押さえはコストと時間が多くかかるため、そう簡単にされるものではありません。

 

 

 

借金地獄から抜け出す方法

まずは「今の借金状況」と「家計簿(一体毎月何に大きくお金を使っているのか)」の2点を正確に把握する必要があります。現状分析をしないと問題は解決しませんし、あやふやにしているものに対して人間は過度に不安を感じるようになっています。現状をハッキリさせると気持ちもスッキリします。借金の状況ですが、具体的に以下の点をそれぞれの貸金業者で(たとえば5社から借入している場合はその5社すべて書き出す)紙に書きだしてみるとよいです。

  • 借金残高
  • 利息(年利)
  • 毎月の返済額
  • 返済日(毎月何日に引き落としか)

1社からのみ借金している方は1社のみ、多重債務している方はそれぞれすべて書き出してみます。そして「1ヵ月分の返済額の合計」を出します。この数値が大事で、この1ヵ月分の返済額の合計分を返済していけるのかどうかが大事になります。ようは「今の返済を今後も続けていけるのかどうか」という点が大事で、その点をチェックします。

 

今の返済を今後も続けていける方は自力で返済することになります。借金の返済は「入ってくるお金(収入)を増やして、出ていくお金(支出)を減らす」というシンプルなことです。正社員の方や派遣社員の方でも入ってくるお金は急には増えません。ですから出ていくお金に着目して、毎月一体何にお金を使っているのか一度チェックをしてみます。細かい部分は無視してとにかく「大きくお金が動いている点」のみ着目しそこを節約するようにします。ギャンブルや浪費をしている方はそれをやめます。ギャンブルや浪費で借金を増やしている方はまずはそれをやめないといけません。そこが借金地獄に陥っている根本的な問題ですから、ギャンブルや浪費と並行して借金を毎月コツコツと返済していくなんて不可能です。パチンコ屋のない地域に引っ越したり、財布の中に常に数千円しか入れないでパチンコができない状況を作ったりして、とにかくギャンブルができない環境に身を置く必要があります。

 

大きな支出をなくすと手元に残すお金が増えるので、それとボーナスが入った時なども、こまめに繰り上げ返済をしていきます。繰り上げ返済するとその額はそのまま元本から引かれることになります。元本はどんどん減っていきます。元本が減れば発生利息も抑えられますから生活が楽になっていきます。早く完済することもできます。

 

もし今の返済分も用意できずに返済が間に合っていない状態、もしくは今の返済がギリギリでこの生活を何年も続けるのが困難な方は債務整理をするとよいです。借金地獄に陥っている方はこの状態の方が殆どだと思います。

 

債務整理には3種類あります。任意整理(利息を停止させて、元本分だけ3〜5年かけて分割返済する)と個人再生(元本8割カットし、残りを3年かけて分割返済)と自己破産(免責がおりれば借金は全額免除)です。任意整理をすれば将来利息はすべてカットできます。今ある借金の利息を完全に発生しない状態にしても返済が困難な場合は、元本分をカットする手続きを行います。具体的には個人再生もしくは自己破産です。

 

債務整理で借金地獄から抜け出す

借金地獄に陥り、返済が困難になっている場合、必ず弁護士に相談しましょう。法的な知識により、正しい債務整理をすることで返済額を大幅に減らすことができます。

 

債務整理には主に3種類あります。任意整理と個人再生、自己破産です。任意整理は、弁護士が貸金業者と直接交渉し、返済可能なプランを立ててもらうことです。

 

任意整理を弁護士(司法書士)に依頼するとすぐに弁護士は受任通知を各債権者に送ってくれます。受任通知とは「この借金問題は今後弁護士が代理人として引き受けます」と伝えるもので、これが送られてから手続きが完了するまでの3カ月〜7カ月間は取り立てが完全に止まります。

 

借金返済は一旦ストップしていますから、この期間に今まで滞納している家賃や公共料金がある場合は優先してそちらの支払いをします。それが済んだら弁護士費用もこの期間に積み立てていきます。

 

その後将来利息をカットしてもらって、借金を3年〜5年で分割返済していきます。たとえば借金300万円ある場合、任意整理をすると利息は停止しますから(年0%になる)、元本分の300万円を3年なら36回払い、5年なら60回払いで返済していくということです。

 

任意整理のメリットは「弁護士や司法書士に依頼したタイミングで借金の取り立ては完全に止まる」ことと「和解が成立したタイミングで利息は一切増えていかないこと(利息は停止すること)」の2つです。ようは取り立て地獄や利息地獄から解放されるということです。もし今ある元本分を3年〜5年の分割返済で完済できそうな方は任意整理の手続きをすることになります。

 

任意整理では借金問題が解決できそうにない場合は、個人再生や自己破産を検討します。個人再生は法的な処置により借金を5分の1まで減らします。自己破産は全額免除です。借金が3000万だろうが5000万だろうが、すべてゼロに戻ります。

 

任意整理は貸金業者との自由な交渉の中で減額を狙いますが、個人再生と自己破産は裁判所に申し入れをすることで強制的に借金を減らします。裁判所を介するので確実に元本がカットされます。

 

個人再生と自己破産の違いですが、基本的に住宅ローンを守りながら(マイホームを守りながら)借金減額したい方は個人再生となります。個人再生では支払い中の住宅ローンを手放さないで借金整理が可能です。手持ちに不動産などまとまった財産がない方は自己破産となります。

 

任意整理のデメリットは手続き後5年〜8年間はブラックリストに載ることです。職場や友人、家族に知られずに手続き可能です。

 

個人再生と自己破産のデメリットは5年〜10年ブラックリストに載ることと官報に名前が載ることです。官報については後で解説します。個人再生と自己破産は職場や友人に知られずに手続きできます。ただし同居している家族には知られてしまいます。

 

借金地獄に陥ったら任意整理と自己破産どちらがよい?

任意整理とは、弁護士が仲介に入って自由に交渉し、債務者(借りた側)の負担を軽くすることで立ち直りを図る方法です。

 

裁判所が介入せず、あくまでも当事者の任意に委ねられるのがポイントです。どの程度減額できるかは資金業者に委ねられます。

 

債権者としては1日でも早く借金を回収したいと考え、債務者としては今の状況では返済できないから毎月の返済額を調整して返済したいと考えます。その間に入って弁護士(司法書士)が「この額までなら返済が可能ですよ」というラインを計算してくれ、そこまで粘り強く交渉をしてくれ、新しい返済計画を立ててくれます。

 

一方、自己破産は裁判所の介入によって、強制的に借金をゼロにします。どちらかを選択することになりますが、ポイントは「借金の支払いが能力があるかどうか」です。

 

借金を背負っている人の中には「支払い不能状態」に陥っている人がいます。支払い不能とは、返済期限がきても借金を返すことができず、これから先も返済できそうにない状態のことです。

 

支払い不能状態かどうかの客観的な目安は以下の2点です。

 

支払不能の目安

・借金総額が月々の手取りの20倍以上

 

・借金がいまの収入から3年程度で返済できるかどうか

たとえば借金総額が400万で、毎月の手取りが15万の人は手取りの20倍以上の借金総額に該当するため、支払い不能状態です。

 

この支払い不能状態であるかどうかが、自己破産をする上で大切なポイントになってきます。自己破産の申し立ては「支払不能状態」の人でないとできません。

 

借金の支払い能力がある人は任意整理や個人再生で借金整理をして、減額された借金を支払っていくことになります。

 

 

 

自己破産するとその後の生活はどうなるのか?

自己破産したからといって、その後の生活が激変することはありません。自己破産をすると、すべての財産をお金にかえて債権者に配当します。

 

しかし、99万円までのお金と生活に必要な財は手元に残しておくことができます。生活に必要なものは失われません。生活財とは、テレビ、電話、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどです。破産しても日常生活は送れるように配慮してあるのです。

 

車は売却しても20万より下回る場合は手元に残ります。20万以上になる場合は引き上げられます。借家やアパートに住んでいる場合、家賃さえ払っていればそのまま住み続けることができます。

 

マイホームを持っている場合は競売にかけられます。その後は、多くの場合は公営住宅(市営住宅)に住むことになります。破産者であっても、問題なく公営住宅申込はできます。自己破産は裁判所を通して行うため、破産すると官報によってその事実を公表されます。官報とは政府が発行する新聞のようなもので、そこに破産の事実が伝えられます。

 

しかし、官報をこまめにチェックしている一般人は稀ですし、1日数百人という単位で名前が載るため、探し出すのは大変です。官報が一般人の目につくのは、官報を購読した場合かインターネットで有料サービスに登録して検索をかけた場合かの2パターンしかありません。

 

ほとんどの場合、一般の方に自己破産をした事実を知られることはありません。就職や転職に影響することはありません。仕事を辞めさせられることもないです。破産をして借金がゼロになるメリットを考えれば、破産をしたデメリットは微々たるものです。様々な借金を滞納していて督促に追われていた借金地獄の時に比べたら、よい生活が可能です。

 

借金地獄から復活した例

自己破産(29歳Oさん)

Oさん29歳は友人から誘われたパチンコにどっぷり浸かってしまい、銀行へのローンと貸金業者7社からの借金総額は600万になっていました。

 

収入は手取り20万ほど、毎月の支払い額は15万で完全に破綻状態で、延滞が続いていました。Oさんはすぐに弁護士に依頼し、自己破産の手続きをしてもらいました。

 

Oさんのケースは収入に対して借金総額が大きく支払い不能状態です。

 

借金の原因がギャンブルなどの浪費の場合、「免責不許可事由」に該当してしまい免責が認められないことがありますが、今までの生活を反省して家計簿をつけ、毎月の収支を提出することにより収入の範囲内で生活しているという事実を証明、裁判所から免責の許可がおりました。

 

【自己破産を依頼前】

借金総額 600万円
毎月の返済 15万円
完済までの期間 3年4か月

【自己破産を依頼後】  

借金総額 0円(600万円の減額)
毎月の返済 0円(15万円の減額)
完済までの期間 0年(3年4か月の短縮)

 

免責が下りたことで借金は全額免除され、経済的に再出発を果たすことができました。

 

ギャンブルや浪費が原因の借金でも債務整理できるの?

ギャンブルや遊興費(キャバクラやホストなどの異性関係、買い物)のために借金を重ねた場合、債務整理はできないだろうと思い込んでいる人がいます。

 

実際はそんなことはありません。任意整理は裁判所を通さないで弁護士が代理人となって行う借金整理なので、借金の理由は問われません。

 

任意整理と個人再生はギャンブルや遊興費が原因でも債務整理をすることができます。自己破産についても1回目の破産でしたら問題なく免責がおりる可能性が高いです。自己破産では借金をした理由が問題となり、ギャンブルや遊興の借金は免責不許可事由に該当します。ただし可能性はゼロではなく、内容や反省の度合い、将来の更生の可能性を含めて総合的に判断されます。

 

問題は先送りにしない

借金についての相談先は債務整理を取扱業務としている弁護士事務所もしくは司法書士事務所です。どこに相談するにも、まずは借金の内容を明らかにしておく必要があります。それぞれの借金の「契約日・利率(年利)・残高・毎月の支払い額」をすべてリストを作成する必要があります。

 

リストを作成しないまでも、これらの情報は事前に把握しておく必要があります。専門家に相談する際にもこのリストが必要ですから必ず作成して下さい。初回相談の申し込みをするとこのリストが郵送されます。

 

費用に関しては債務整理方法にて異なります。最悪の破産手続きの場合は、着手金20万・報酬金20万の合計40万前後が相場です。分割返済に応じる事務所もあります。

 

まずは弁護士の方相談し、適切な借金整理の方法を教えてもらいましょう。今では30分程度の無料相談を行っている弁護士事務所が増えました。まずは無料でご自身の事情を説明し、正しい債務整理を検討していきましょう。

 

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