200万円の借金を返済する

200万円の借金の発生利息と2年以内に返済するには?

今回は200万円の借金の返済方法について解説します

 

200万円の借金を年15%〜18%で返済したらどのくらい利息が発生するのか?

多くの方の借金先は「消費者金融」「クレジットカード」「銀行のカードローン」だと思います。奨学金や車や住宅ローンは年利がとても低く、これらの借金をしていても特に問題になることはありません。

 

年利が低いので借金はそれほど急激に増えることはなく毎月返済していけば確実に元本は減っていきます。やはり問題は年利の高い借金です。消費者金融ですと年15%〜18%が相場です。クレジットカードはキャッシングが年15%〜18%、ショッピングが12%〜15%です。銀行のカードローンは7%〜15%です。

 

たとえば以下のような借金をしている場合の利息はどの程度増えていくのかシミュレーションしていきます。

 

例)
A社(年18%)80万
B社(年18%)70万
C社(年15%)50万

 

合計で200万円の借金をしています。このケースでは1日に発生する利息は945円です。1か月(30日)では28,356円利息が発生します。年間で34.5万円の利息が発生するのです。

 

借金の元本が大きく、なおかつ年利が高い借金というのは支払う利息がとても大きくなります。1か月の返済額のうち2万8千円も利息に取られていたのではなかなか返済が進みません。利息というのは1日単位で増えていくため、返済を止めることもできず、毎月返済のことだけで頭がいっぱいになってしまいます。

 

消費者金融やキャッシングの借金だけでなく、リボ払いの借金もある場合はさらに複雑です。リボ払いは毎月の支払いが5千円〜1万円と少額ですが、それゆえなかなか元本が減りません。

 

利息は平等に1日単位で増えるため、リボ払いでは「元本が大きい状態」が長く続き、利息分の支払いだけが大きくなるのです。たしかにリボ払いの返済を続けていけばいつかは完済できますが、結果的に「支払い総額」は膨大になります。

 

リボ払いで買い物を続けていくと、支払回数が50回越え、支払利息が10万円超えというのはよくある話です。リボ払いについては毎月の返済額よりは、返済期間が長いことによる支払い総額(発生利息)が問題となります。会社に電話すれば繰り上げ返済が可能なので、それで返済期間を短縮します。

 

もしくは後で説明するおまとめローンや任意整理で借金の整理を行います。

利息の計算方法

ポイントは今現在の借金残高と年利を確認します。あとはこの計算式通り計算すれば発生利息がわかります。

 

・借金残高(円)×年利(%)=年間に発生する利息額(円)
・借金残高(円)×年利(%)÷365日×30=1か月(30日)に発生する利息額(円)
・借金残高(円)×年利(%)÷365日=1日に発生する利息額(円)

 

借金200万円の返済シミュレーション

前述した通り、借金というのは利息の問題があるため、毎月の返済額と返済期間によって「支払い総額(元本+合計利息)」は変動します。

 

200万円の借金で年利0ならそのまま200万円返済すればよいだけですが、利息があるので、完済までに利息がどのくらい発生したのかが問題になります。

 

シミュレーションは借入額が合計200万円で年利が18%の借金(多重債務)です。毎月の返済額を「7万2千円」「5万8千円」「5万円」の3つでシミュレーションしました。

 

シミュレーション@
借入額 200万円
年利 18%
毎月の返済額 72,304円
支払い総額 2,602,958円
返済回数 36回(36か月)

 

シミュレーションA
借入額 200万円
年利 18%
毎月の返済額 58,749円
支払い総額 2,819,991円
返済回数 48回(48か月)

 

シミュレーションB
借入額 200万円
年利 18%
毎月の返済額 50,786円
支払い総額 3,047,190円
返済回数 60回(60か月)

 

結果としては毎月72,304円の返済では、合計で602,958円の利息が発生し、3年で完済です。毎月58,749円の返済では合計で819,991円の利息が発生し、4年で完済です。

 

毎月50,786円の返済では合計で1,047,190円の利息が発生し、5年で完済です。やはり返済期間をのばせばのばすほど、発生する利息が多くなります。3年の36回払いで払うのと5年の60回払いで払うのとでは、発生する利息に約42万円も差があります。

 

今回は年18%で計算しましたが、年15%でも同じことが言えます。

 

 

 

借金200万円を2年以内に返済するには?

借金を返済するには以下の2点のポイントが重要となります。

 

・今ある借金を正確に把握する
・収入を増やして支出を減らす(大きな支出をやめる)

 

まずは現状を正確に把握する必要があります。借金200万円の場合はおそらく複数の業者から借り入れをしているはずですから、それぞれの借金の「借金残高」「年利」「1ヵ月の返済額」「1ヵ月に発生する利息」「返済日」の5点を紙に書きだしてみます。

 

それぞれ割り出したら、「1ヵ月の返済額の合計」も出すようにします。たとえば以下のように紙に書きだしてみます。わからない点は貸金業者に電話で聞くと教えてもらえます。

3社から合計借金総額200万円の例
A社(消費者金融)

借金残高は「100万円」、月々の返済額は「23,789円」、年利(利息)は「年15%」、1か月に発生する利息は「12328円」、返済日は「毎月5日」

 

B社(クレジットカードキャッシング) 
借金残高は「50万円」、月々の返済額は「12,696円」、年利(利息)は「年18%」、1か月に発生する利息は「7397円」、返済日は「毎月15日」

 

C社(クレジットカードリボ払い) 
借金残高は「50万円」、月々の返済額は「16,250円」、年利(利息)は「年15%」、1か月に発生する利息は「6164円」、返済日は「毎月5日」


1ヵ月の返済額の合計は52,735円です。

 

上記のように紙に書いてまとめると様々なことがわかってきます。1ヵ月に発生する利息がハッキリとします。あとは返済日もハッキリとするのでいつまでにいくら用意しないといけないかわかります。注目すべき点は1ヵ月の返済額の合計です。上記の例では1ヵ月の返済額の合計は52,735円です。1ヵ月間で最低でもこの金額分は用意できないと返済は進まないことがわかります。これが1つの基準です。

 

もし今の返済を続けていける方は自力で返済する道となります。借金が増えた原因に「大きな支出」があるはずです。ギャンブルや浪費など大きな支出があるはずですからこれを突き止めて、これを直していきます。大きな支出を抑えながら、余力がある時はどんどん繰り上げ返済して自力返済を目指します。

 

もし今の返済を続けていけない方は任意整理をするとよいです。任意整理をすると弁護士依頼したタイミングでこれまでの借金返済は半年程度ストップします。この間に生活の建て直しをします。和解が成立したら無理のない返済計画が立っていますから、あとはそれ通り返済していきます。任意整理についてはあとで詳しく解説します。

 

自力返済する場合、「繰り上げ返済」というのが重要になります。借金というのは年利が高ければ高いほど、返済期間が長ければ長いほど発生利息は増えます。ようはこまめに繰り上げ返済することで、その分はそのまま元本から引かれることになります。ですから貯金がある時やボーナスなどで大きくお金が入った時はこまめに繰り上げ返済してドンドン元本を減らしていきます。

 

繰り上げ返済は「年利が高い借金から順」に行うと効率的です。上記の例ですとB社とC社が年18%で一番高いですから、2つを優先的に繰り上げ返済していきます。2つを完済したら最後に年15%のA社を繰り上げ返済します。そうすると効率よく返済することができます。

 

自力で返済する場合、返済計画を立てても意味がありません(そもそも毎月どの程度収入が入るかはわからないため返済計画を立ててもそれ通りは進みません)。とにかく「収入を増やして支出を減らす」という努力をして手元に残るお金を増やします。月々の返済を行いそれでも余力がある時は年利の高い借金から優先的にどんどん繰り上げ返済をしていきます。そのような生活を続けていくと借金はどんどん減っていきます。2年以内の完済も夢ではありません。

 

これらで借金の現状がハッキリとわかるようになります。次は家計簿もハッキリさせます。以下を参考に一度ざっくりでよいので家計簿を出してみるとよいです。

 

借金返済のための家計簿
家計簿はたとえば「交際費は月2万円」「交通費は1万円」「家賃は5万5千円」などざっくりで構いません。前述した通り、借金が増えていったのには必ず原因が存在します。毎月数万円単位で消えていっている「大きな支出」がある可能性が高いです。

 

この大きな支出さえしていなければ借金を抱えることはなかった人は多いと思います。ここが癌となっていますから、その「大きな支出」はハッキリさせる必要があります。その大きな支出を洗い出すための家計簿と思ってもらって構いません。借金を完済するためにギャンブルや浪費やアプリゲームやその他での大きな支出はやめる必要があります。

 

 

 

収入を増やして支出を減らす

返済のポイントですが、月々の入ってくるお金(収入)を増やし出て行くお金(支出)を減らせば手元に残るお金が増えます。手元に残るお金が増えればそれは全て借金返済に充てることができます。返済期間通り返済していくと支払い利息は多いですから、少しでも手元にお金がある場合は繰り上げ返済をして元本を減らしていきます。

 

そうすることで2年以内の完済も可能です。

 

収入を増やす方法ですが「転職する」「残業を増やす」「休日に日雇いバイトをする」などがあります。転職についてですが、これは簡単にできるものではなく勤務年数なども関係してくると思います。

 

もし転職が可能でしたら、より収入が高い職場に勤めるようにします。また勤務時間を増やすことで収入は当然増えます。借金返済の基本はやはり「一生懸命働く」ということになります。

 

勤務時間が増えればプライベートの時間がなくなりますが、それによってお金を使う時間がなくなり自然と手元にお金が残ることになります。ダブルワークもよいと思います。日雇い派遣会社に登録しておけば休日の日雇いの仕事を紹介してもらえます。日当はだいたい6千円〜7千円ですが、これを続けていけばまとまったお金になります。

 

これらの方法で収入を増やすことができます。次は支出を減らすことです。支出を減らす方法ですが当然のことですがザックリいうと「お金を極力使わない」ということです。ギャンブルをしている場合はやめる。浪費癖がある方は「高い買い物をする時はこれは必要なものかどうか買う前に一度考えるクセをつける」などです。

 

支出を減らす方法としては固定費を見直すというのがよいです。

 

固定費を見直す

やはりまずは1か月の支出を見直すことからです。前述した通り、借金というのは返済期限が長くなればなるほど支払い総額は増えます。

 

ですから毎月の返済額を、たとえば今5万円に設定している方は6万円に、6万円に設定している方は7万円にと、大きくします。毎月の返済額を上げる、もしくはまとまったお金がある場合は繰り上げ返済をして、どんどん元本を減らしていきます。元本が減れば利息は軽減されます。

 

そのために1か月の支出を見直して、浮いたお金を返済に充てることが好ましいです。特に元本が200万円以上ある時はそれに比例して利息が高いので、元本が大きいときこそ集中的に取り組むとよいです。

 

元本が100万円以下になれば、あとは利息は小さくなるだけなので気になりません。

 

具体的には固定費を見直すとよいです。手取りよりもはるかに高い家賃の賃貸に住んでいる場合は家賃の安い賃貸に引っ越したり、月額制の動画サービスに入っている場合はプランを見直したり、インターネットで利用していないのに毎月支払っているサービスがあれば解約します。

 

スマートフォンも一時的に格安SIMにするのもよいでしょう。格安SIMでは通信を分け合って利用するので混み合う時がありますが、調べものやラインやSNSは特に問題なく使えます。

 

読んでいない新聞や通っていないジムの会員になっている場合はそれも見直します。1か月の出費を明細書を見ながら一度見直してみるとよいでしょう。このようにして固定費を見直して、浮いた分のお金は返済に充てるようにします。

 

主な固定費一覧
家賃/携帯電話代/生命保険料金/車のローン、ガソリン代/飲み会の交際費、タクシー代、/スポーツクラブの会員費/新聞代/定期的に届く物販(サプリメントや健康食品)/インターネットの動画サービス

まとまったお金を集めて繰り上げ返済をする

借金というのはとにかく「元本が大きい状態にあること」が一番問題です。前述した通り200万円(年18%)を4年の48回払いで支払う場合、利息はトータルで819,991円発生します。

 

それが元本が100万円(年18%)を24回払いで払う場合は利息は合計198,166円です。毎月の返済額はそう変わりはありませんが、発生する利息の金額は全然違います。

 

元本200万円の借金を放置しておくと借金はどんどん膨らみます。今現在まとまったお金がもしある場合はすぐに繰り上げ返済をして元本を減らしていきます。

 

毎月の返済額に上乗せして借金返済をすると、その上乗せ分はすべて元本の返済に充てられます。効果的に元本を減らすことができます。

 

正社員の方でしたらボーナスでまとまったお金が入る時がありますが、そういった機会を利用します。それか親や恋人、友人に頼み込んで、100万円程度借りてきて、元本を減らすのもよいでしょう。

 

「元本が200万円ある」という期間はいわば利息地獄ですので、この期間からとにかく一刻も早く抜け出す必要があります。

 

元本が100万円以下になれば、利息はそう気にならなくなるので、あとはそれを2年程度で返済していけば支払い総額は小さくて済みます。

 

消費者金融やカード会社に連絡を入れれば繰り上げ返済の方法を教えてくれます。まとまった収入が入った時はこまめに繰り上げ返済をして元本を減らしていくとよいです。

 

おまとめローンを利用する

おまとめローンとは、銀行のカードローンを利用した方法です。年利の低い銀行のカードローンでまとまった金額を借りてきて、そのお金で今までの借金をすべて一括返済します。そうすることで一本化後に発生する「利息(年利)」を下げることができます。

 

ようは年利が下がることによって毎月の返済の負担を小さくしたり借金の支払い総額を抑えたりできるのです。

 

ただし年利が大幅に下がるのかと言われたらそうではありません。まとめるサービスによっても違うのですが、だいたい年利を10%〜3%ほど下げることができます。

 

おまとめローンとして一番利用されている三井住友銀行のカードローンで説明します。三井住友銀行のカードローンは利用限度額を200万円以上に設定できれば年利は8%〜10%になります。

 

消費者金融やキャッシングで借金をしている場合は年利15%〜18%ですから、カードローンで一本化することで、その後発生する利息を下げることができます。

 

三井住友銀行で200万円のカードローン(年10%)を借りて、それを3年間の36回で返済する場合以下のようになります。

 

銀行カードローンのシミュレーション
借入額 200万円
年利 10%
毎月の返済額 64,534円
支払い総額 2,323,219円
返済回数 36回(36か月)

 

200万円の借金でも、年利が下がれば支払い総額は減ります。三井住友銀行のカードローンはフリーローンとして利用できます。おまとめローンとしても利用できるのでおすすめです。

 

おまとめローンのデメリットは「審査に通りにくいこと」です。やはり銀行のカードローンは審査が厳しいです。正社員や公務員で働いており、年収が高くないとなかなか通りません。

 

一本化する前に借金の延滞したことがあると審査に通らないことがあります。ただし審査を受けてみる価値はあるので、申し込んでみるとよいでしょう。

 

 

 

任意整理をする

とにかく借金生活から抜け出したい、今の生活を変えたいと決意している方はやはり任意整理をするのが一番です。

 

任意整理とは弁護士や司法書士に依頼して、債権者と交渉をしてもらって借金を減額してもらう手続きです。以下が任意整理の特徴となります。

 

・任意整理の和解成立後は一切利息が発生しなくなる(年0%になる)
・利息が停止した状態で元本を3年〜5年での分割返済になる
・弁護士に依頼した時点で取り立ては完全に止まる
・1社あたり4万円〜5万円ほど費用が必要

 

任意整理をすると将来利息は停止するので、いまある借金を単純に3年返済の場合は36分割した金額を毎月支払うことになります。返済した分だけそのまま元本から引かれ、3年間返済プラン通り毎月返済できたら完済となります。

 

返済期間ですが、3年〜5年となります。債権者によっては5年以上の返済期間に応じてくれる業者もいます。

 

たとえば5社から合計200万円の借金をしている方が任意整理をすると以下のようになります。任意整理の費用は4万円×5社=20万円とします。

 

3年計画の場合、毎月6.1万円を返済していけば36ヵ月で完済
4年計画の場合、毎月4.5万円を返済していけば48ヵ月で完済
5年計画の場合、毎月3.6万円を返済していけば60か月で完済

 

※任意整理でも繰上げ返済(まとまったお金がある場合は一括返済)が可能ですので、任意整理で利息を完全に停止させ、さらに家計簿を見直して手元に残るお金を増やせば、2年以内で最短で完済も可能です。

 

支払い総額は元本200万円+弁護士費用(20万円程度)となります。

 

返済期限を調整することで「毎月の返済額」を支払い可能な額に設定できます。そして利息は停止するので、元本に対して利息が増えていく心配はありません。

 

弁護士費用は一括で用意する必要はありません。弁護士が受任通知を送ると借金支払いはストップしますので、今まで借金に充てていたお金を毎月積み立てていきます。完全後払いで、弁護士費用と合わせて返済計画を立ててくれる事務所もあります。

 

ただし任意整理ではあくまで債権者と弁護士との話し合いの中で折り合いがつきます。どの程度借金が減るのかは交渉次第ですので、この数値はあくまで目安となります。

 

初回相談で現状を話し、任意整理が有効か、どのような返済計画になるかしっかりと話し合い、見積もりを出してもらうとよいです。

 

おまとめローンと任意整理の違いですが、おまとめローンはあくまで借金を借金で一本化して年利を下げるという方法です。

 

一本化後も残高が0になるだけで利用限度枠は残り続けます。いつでも新しい借金ができる状態です。カードローンの枠もあるので、これが原因で借金地獄に陥ってしまう方がいます。

 

一方任意整理は返済計画を立てて、それ通り支払えば完済となります。任意整理後は5年〜8年間はブラックリスト入りするので借金ができなくなります。

 

物理的にもう新しい借金がこの期間はできません。ですから返済だけに集中ができます。借金を作らない生活を送るという習慣を身に着けるキッカケになります。

 

銀行のカードローンでも任意整理できる?

銀行のカードローンでも任意整理可能です。任意整理ではどの借金を対象に入れるのか自由に選択できます。1社あたり4万〜5万円かかりますから、その費用に対して十分な減額効果がある借金だけに絞って任意整理します。たとえば銀行のカードローンで年利5%未満など、とても低い金利の借金は任意整理の効果がそれほど大きくありませんので対象から外すことができます。
対象から外した借金はそのまま今まで通り返済をしていきます。どの借金を任意整理に入れるのかは弁護士や司法書士と初回相談でしっかりと相談します。